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# 連載コラム 書籍化作家になろう! 第2回 人に読まれる小説を書くために大事な3つのこと

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Hello Kids!
みんなはもうたっぷり小説楽しんだ?
小説151作書いた君も、まだまだの君も、小説を書くことに挑戦だ!
How's your hand rolling today!

というわけで今日も書籍化作家になるためのコツを151個くらい言っていく連載シリーズ第2回をやってくよ!

どうも見ての通りの文学少年、野良小説編集の小山です。
前回のコラムが大変ご好評いただきまして、もうウッキウキのるんるんでこの記事を書いています。
ほんとにコツが151個でまとめ切れるのかは怪しいので、気づけば251個になっていたり386個になっているかもしれませんが、ご容赦を。

大好評いただきました前回記事は以下のリンクからお読みください!


☆というわけで本日のトピックはこちら!☆


  1. 誰かに読んでもらうという意識を持つこと

  2. 多くの人に読んでもらうために重要な○○とは?

  3. 商業作品の多くはそもそも○○

の3つでお送りしていきます。
早速ファンが上り調子で増える方法について語っていく! のをみなさんお待ちかもしれませんが、その前に、1人でもファンになってもらうところから始めていきましょう。

なぜそこから語り始めるかというと、最初から上を見すぎても辛いというのもありますが、それ以上にファンをたくさん増やす方法はファンを1人増やす方法の繰り返し・あるいはスケールアップでしかない、という事実があるからです。

このコラムは誰でも書籍化作家になれることを目的としているため、方法論はどれも基礎の基礎、1の部分から説明していきます。
もっと上のレベルの話をしてくれ~~という方も、基礎から固め直すせっかくのチャンスですからぜひお付き合いください。

☆誰かに読んでもらうという意識を持つこと☆


今回は、みなさんがまだ処女作を書き始めたばかりと想定して話を進めさせていただきます。
なので、あなたの作品にはまだ読者もファンもまったくついていません。
さて、そこから大人気作家になっていくために最初にすべきこととは何でしょうか?

長文タイトルをつける、テンプレを使う、複数話更新、作品更新の宣伝をする、その他もろもろ……。

やれること自体はいくらでもあります。
一つ一つがWEB小説投稿サイトでは有意義な施策なので、後々の連載で触れるつもりでもあります。
ですが、本当に最初にやるべきことでしょうか?

まぁ、見出しに書いてしまっているので何をすべきかはみなさんお分かりだと思うのですが。
最初にすべきことは、誰かに読んでもらうという意識を持つことです。

なんか観念論みたいなこと言い出したなこいつ、と思った方。鋭いですね
書籍化作家を目指すにあたって活動していく際に、実際に使っていくテクニックというのはごまんとあります。こんな人によって受け取り方の違う思想とは違う、具体的なテクニックが山ほどです。
「なら、さっさとそれを話せ!」 と言いたくなる気持ちはわかります。
でも、一度立ち止まって考えてほしいのです。
それらのテクニックは何のために使っているのでしょう?

たとえばサッカーにはフェイントというテクニックがあります。
シザーズ、ダブルタッチ、マルセイユターン……。どれも見ていてカッコいいですよね。マネして使ってみたいと誰もが思うことでしょう。
小学生時代の僕もそう思って猛練習したものです。

さて1人で猛練習した結果、何種類ものカッコいいフェイントを繰り出せるようになりました!
実戦です!
このカッコいいフェイントでみんなの視線を華麗に集めてしまいましょう!

でもサッカーってそういうスポーツでしたっけ?
違いますよね。
サッカーは相手チームよりも多く点数を入れるスポーツです。

どんなに麗しくて全米が泣くレベルのフェイントが出来たとしても、点数を取れなかったり、味方のサポートが出来なかったり、相手の攻撃を止められない選手に居場所はありません。

そもそもフェイントは相手選手をドリブルで抜いてボールをゴール前に持っていくための技術です。
カッコいいからといって、見様見真似で習得しても屁の役にも立ちゃあしません
実際、僕は相手を抜くどころか、対面した瞬間にフェイントを繰り出すことすらできませんでした。
なぜなら、カッコいいから練習したのであって、相手を抜くために練習していなかったからです。

なぜそのテクニックを使うのかを理解しているかどうかで、その効用がはっきりと左右されるということがよくわかる僕の失敗談です。
小説もまったく同じです。

みなさんには同じ失敗をしてほしくありません。
なのでまず最初にこれだけ徹底してほしいのです。

僕は書籍化作家になるために最速の目標設定は、誰かに読んでもらうという意識を持つこと、だと考えています。

小説はただ楽しいから書くこともできますし、自分の好きなものを詰め込んで書くこともできます。
ですが、書籍化作家とは前回も述べた通りファンがたくさん生まれる見込みのある小説を書く、たくさんの読者を楽しませる人です。
一人で壁に向かって小説を書いていても大成するのは難しいと言わざるを得ません。一人ではフェイントも満足に覚えられないように。

たくさんの誰かに楽しんで読んでもらうだろう小説を書くのだから、最初からそれを意識して書けば、プロの小説家と同じマインドセットをしているということになります。

いきなり誰かを楽しませるというのは難しいので、まずは誰かに読んでもらう、あわよくば面白がってもらうということから意識していきましょう。
それを意識して書いているうちに、色々な気付きを得て圧倒的成長💪を!

☆多くの人に読んでもらうために重要な○○とは?☆


さて、読んでもらうための意識を身に着けてもらったところで、もう一段先に進みましょう。
つまりどんなふうに読んでもらうかという話です。

書籍化する小説はたくさんの読者を楽しませる小説だと再三言ってきましたが、では読書を楽しむというのは具体的にどういう状態のことでしょうか?

これはみなさん書き手でありながら色々なエンタメを摂取する消費者のはずですから簡単に想像がつくでしょう。
そう、読書で暇つぶしができている時です!

「え、作品に没入している時とか感動している時じゃなくて、暇つぶしをしている時?」と疑問に思ったあなた。
歴史に残る名作を書かないといけないと勘違いをしていませんか?

あなたが目指すのは芥川賞をとることでも、ハリウッド映画の原作になることでもありません。
WEB小説投稿サイトから書籍化することです。

確かに人を感動させ、世界観に没入させる小説は売れます。
でもそれは、書籍化した後の成績が良くなる要素であって、書籍化するまでにはもっと重要視すべき要素があります

それが人々の暇つぶしになることです。
今現在、商業エンタメにおいて小説、漫画、ソシャゲ、アニメ、ドラマ、映画など多数の媒体が消費者たちの可処分時間を奪い合っています。
書籍化するということは、WEB小説投稿サイトという小説しかライバルのいない環境から飛び出して、ほかの媒体とも戦える小説であると認められたという証左にほかなりません。
それがどういう意味になるかわかりますか?
消費者の可処分時間を取れる。暇な時間をつぶせると最低限認められたということです。

もちろん大売込みの作品になることができれば、もっと上のメディアミックスをして、作品のファンをもっと増やして、というところまで手が届いていきます。
しかし、そこまでできなくても書籍化自体はできるのです。
上を目指す姿勢はみなさんに身に着けてほしいと思いますが、自分が目指すべき場所までのステップも正しく認識してほしいと思っています。

処女作が100万部売れるなんていうのは幻想です
天才が運を味方につけた奇跡の果ての御伽話です。

それができる人はこのコラムを読む必要がありません。今頃、どこの出版社からも引っ張りだこの人気者でしょうから。
ですが現実はもっと厳しく、書籍化して1万部売れれば上出来の部類に入ってしまうくらいシビアです。
代わりに才能と運に頼る必要を極限まで減らすことができます

まずは、読者の顔を想像してみてください。
あなたの作品を読んでいる時、その人は大笑いしていますか? 感動にむせび泣いていますか?
あるいは、暇つぶしにもならないな、と虚無の顔をしていませんか?

書籍化するためには作品を読み続けてもらうことが肝要です。
そして作品を読み続ける人の心理は2つの状態の重ね合わせで説明することができます。

  1. 面白くて早く続きが読みたい!        という期待

  2. つまらないところがないから読みやめない   という惰性

この2つを併せ持つ小説が読み続けてもらえる小説になるのですが、実践する場合この2つは役割分担で使うのが効果的です

①の方はタイトルやあらすじ、キャッチコピー、冒頭1~5話など作品を読ませるまでの導線で利用。そして、起承転結の転の部分と、章のクライマックスのカタルシスで次章へと引っ張るところで再度用います。

②の方は6話以降、起承転結でいう承に入った後の離脱率を下げその作品を読む習慣を読者に与える役割を主に持ちます。クライマックスまで読んでもらえば①→②というループをずっと繰り返せますしね。

この際、①を突き詰めていくと歴史に残る名作に近づいていき、②を突き詰めると暇つぶしとしての性質を高めることができます。

さて、暇つぶし暇つぶしと連呼されて気分を害した人もいるでしょう。
ここで一つ、普段の自分の読書の仕方について思い出してみてください。

みなさんは普段から、「すべてのページが面白くないと気が済まない!」と思いながら読書しますか?
どちらかというと、なんだか時間が空いてしまったから何か読むか~となって読書をしていたり、通勤通学時間に片手間にできることを探して読書したりしていませんか

普段の生活で読書だけにどっぷりと時間を使えるタイミングというのは限られています。
なので、最初から本腰を入れて読んでもらうことよりも、片手間であっても読むのをやめないでもらうことを重視すべきです。

あなたが色々な作品を暇つぶしに読むように、あなたの作品は他の人から暇つぶしと思われているという自覚を持ってください。

多くの人に読んでもらうためには、暇つぶしと思われることを恐れないのが非常に重要です。

☆商業作品の多くはそもそも○○☆


じゃあ暇つぶしになる作品って具体的にどう書くの? という話をしていきましょう。

そのコツはズバリ、どんな読者にもわかる内容を書くことです。
「いやそんなことは誰でもわかる!」と言いたくなったでしょう?
まぁ、ちょっと聞いていってください。

  • 家族から忌み嫌われる引きこもりになってしまった男が、家庭の変化についていけず孤独死するも、家族はそれを悼むこともなく将来の明るさに喜ぶ話

と、

  • 凄腕冷徹スパイが任務のために偽の家族を演じるけれど、段々その家庭に情が湧いていく話

どっちを読みたいと思いますか?

みなさんご存じ、カフカの『変身』と、『SPY×FAMILY』のテーマを要約したものです。
どっちも名作です。読んでみればそのすごさが分かります。

では、前知識なしの状態でこの要約だけ聞いたら?

ジャンルも媒体も背景情報も何もかも隠されて、要約だけ聞かされた時にこの二つを分け隔てなく名作だと判断することができますか?
僕にはできない自信があります

前者と後者で何が違うか。みなさんわかりますか?
要約の時点では文学なのかエンタメなのか、小説なのか漫画なのかすらわかりません。
そして、どちらもマイナスの状況から始まり、プラスの状況になるというところが共通した作品です。

でも、おそらく多くの人が後者の作品をより読みたいと思うはずです。

なぜなら、後者は面白さが誰にでもわかる話になっているからです。
冷徹な男の心が愛とかで温まる話、みんな大好きですよね?
前者は主人公がひどい目に合うので、要約だけでは楽しい気分になりづらいのです。

ここでポイントなのは、テーマが汎用的なこと
家族愛、恋愛、友情、人情、その他もろもろ。
舞台も時代設定も問わない、人間であれば共通して持つ感情や人間ドラマがテーマに据えられていることです。

カフカの『変身』にもドラマは存在しますが、そこで描かれるのは社会規範的なみんなが望む家族の形ではありません。
その不条理さを楽しむ文学であり、思考実験的な要素が強くモチーフや文体などの、内容の完成度の高さまで合わせて初めて評価されうる小説です。

それに対して『SPY×FAMILY』には偽物の家族が本物になっていく、というとてもわかりやすい本筋があります。
その上で、読者が飽きないよう面白おかしく手を変え品を変えエンタメ的に演出し続けているのです。

ここで重要なのは、テーマから作品に昇華するときの腕前ではありません。
テーマさえ分かりやすければ、内容はある程度お目こぼししてもらえるという部分です。

暇つぶしに読む作品に思考実験的、哲学的、科学的な内容がたくさん入っていたらみなさんどう思いますか?
かったるくて続きを読みたいと思わないですよね。

本腰入れなおすぞーという人もいますが、どう考えても少数派です。
大体の人は、その時点で本を閉じてしまいます。

だから、誰でも頭を使わなくてもわかるような内容、お姫様が王子様と結ばれるまでの話や、愛情を知らない人が自分だけの居場所を見つける話、強大な敵に立ち向かうために仲間と一緒に強くなる話、なんかの王道作品がよく読まれるわけです。

王道というのは、人々が暇つぶしする時の負担を下げるために一番強い作品フォーマットのことを指します。

テンプレテンプレと持てはやされるのは、この王道を更にWEB小説に特化させた作品フォーマットになります。
そこについては後の連載で話せればなぁと思っています。

まぁなんにせよ、商業作品になぜ王道が多いのか理解できましたよね?
人々の暇つぶしになる、あわよくば気に入ってもらえて推してもらうというのが商業作品の目指すところなので、暇つぶしに向いている読者負担の少ないフォーマットが選ばれているだけなのです。

☆終わりに☆


そろそろまとめに入りましょう。
今回の第2回で話したかったのは、小説を書くことは誰でもできるけれど、読んでもらうにはそのための意識が必要ということでした。

その中でも、暇つぶしになる作品をテーマにしゃべりましたがいかがだったでしょうか?
商業に出ると、普段小説を読みなれていない人のもとまであなたの作品が届くようになります。
そういう人は、感動しよう良いものを読もうと思う以上に、暇をつぶしたいと思って読んでいる場合が大半です。

今のうちから商業に出ることを意識して、どんなお客さんがどんな気持ちで読む作品を書くのがいいかシミュレートしていきましょう!

さて次回の第3回では、
作品の大看板! 読んでもらえるタイトルとは? ○○を意識しろ!
という内容でやっていきます。

タイトルやあらすじ、その他細かい各項目をまとめて雑に一記事で説明してしまうこともできますが、この連載シリーズは全部読んで実践すれば書籍化できることを目標としているので、一つ一つの要素を深掘りしながら進めていこうと思っています。
次の配信は9月21日(木)を予定しています。
勘のいいひとはそろそろ気付いたと思いますが3日に1回更新されます。

参考になったという方はnote上でスキボタンを押す&オススメしたり、Xで拡散したりして反応をしてくださると非常に嬉しく思います。
コメント・感想もめちゃめちゃ喜びます。

スプリングをダメにしてしまうくらいベッドの上で跳びはねるでしょう。

また、以下に有料記事を載せています。
無料部分では書籍化するための方法論、有料部分ではさらに発展した書籍化し続けるための方法論について書いています
今回はただの暇つぶしで終わらない作品に必要な考え方をしゃべっていきます。

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それでは、ここまでお読みくださりありがとうございました!
みなさんの反応、感想をお待ちしております!
見ての通りの文学少年の提供でお送りしました。


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