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大企業でのキャリアに悩んでいるあなたへ。外の世界に北極星を見つけよう。

ネコに、会った。不思議なネコだった。ブルーの大きな瞳でじっと僕のことを見て、離れない。僕の視線も逸らせなかった。「君の生き方を教えて?」って、ふいに聞いてきたから。

「君、人間の言葉をしゃべれるの?」あまりに驚いた僕は、ネコからの質問を質問で返してしまった。

はじめに、「僕」のこと。

僕には、2つの顔がある。サラリーマンとして大手メーカーに勤める僕と、その枠組みを超えてたくて仕方のない僕だ。

普段の僕は、前者の顔。グローバルに展開する大手の国内メーカーに勤めている。大学を卒業して、一度は東京の企業に就職したが、故郷に帰りたくて転職をした。運よく今の会社に入ることができ、新規事業を立ち上げる仕事をしている。

イノベーションを巻き起こす、と言えば聞こえはいいかもしれないが、何もないところから新たな価値を生み出すのはけっこうサバイバルなことでもある。

メンバーが離脱してしまい、部署内で1人になった時期もあった。それでも、必死にサービスを練り上げて、何とか10億単位の予算をつけてもらえるまでになった。来年には、このサービスも日の目を見るだろう。

もうひとつの顔では、実は、自分の会社を経営している。メインのサービスは、ブランディングやM&Aを通じた地方の中小企業におけるイノベーション支援だ。ただし、中小企業の課題は、企業によってさまざま。IT化やデジタル化、新規事業の立ち上げ、財務に海外進出など多岐にわたる支援をしている。

僕の会社のメンバーは20名ほど。小さなチームに分かれて、機動力をもってプロジェクトにあたっている。みんな、会社のビジョンに共鳴し、業務委託の形で連携してくれている。

何かを生み出すのは楽しい。僕の好きなこと、だと思う。何があるのかもわからない、ごちゃごちゃした状況を分析して、答えを見出していく。その答えが合っているか間違っているかが分かるまで、道なき道を進んでいく。

複業で中小企業の現場に立ったからこそ気付いた、僕の本質だ。本業だけでは気付けなかっただろう。データと向きあいすぎて机上の空論が多くなっていたかもしれない。


「パラレルプレナー」という生き方

「パラレルプレナー」という生き方を僕に教えてくれたのは、ネコだった。

パラレルキャリア(複業)で得たものを活かして、イントレプレナー(社内起業家)として本業でも新しいことにチャレンジしている人をそう呼ぶらしい。

そして、「パラレルプレナー」をしている僕は、かなり特殊な人種だそうだ。ネコによれば、大企業に勤める人たちの中で、副業をしている人自体がまだ少ない。副業を禁止している企業が多いためと、正社員は安定的な収入が得られているためだ。

仮に副業を始めたといっても、ブログやせどりなどの手っ取り早く稼げそうなサイドビジネスに流れる人が多い。

新規事業の立ち上げという本業で培ったスキルをもって、地方の中小企業のイノベーションを支援し地域をエンパワーメントするーーそんな僕みたいな人はきわめて稀であるらしい。

「そんなもんかな」なんともなしにつぶやいた。

「君の生き方を教えて?」ネコは、僕にそう言った。そうだ、そんな質問されてたっけ。

わかった。僕について、補足をさせてほしい。本業における僕のスキルは、主にマーケティングとブランディング、新規ビジネスの構築だ。しかしながら、本業外で地元の中小企業さんが抱えている課題に寄り添ううち、法務や税務、海外進出、はてはM&Aのスキルまで実地で習得していくことになった。

まさに、複業。僕にとって、本業の外で行う仕事は「サブ」なんかじゃない。価値を提供し、しっかり収益も上げている。そして、この複業で得られたノウハウを本業にも活かしている。

もっとアウトプットがしたい。より高次元で新たなビジネスを構築していきたい。そういう意味では、アントレプレナー(起業家)でもあるが、福業のノウハウを社内(インナー)における新規ビジネスの構築に活かしているので「イントレプレナー」となる。

みんなは、知っていただろうか?この「イントレプレナー」という言葉を。多くの人にとってまだなじみのない言葉だろう。僕も、ネコに教わるまでは知らなかった言葉だ。だけど、早々に気に入っている。

なぜなら、最高の生き方というタイトルを得た気がするから。新しいものを生み出す大変さとやりがいを味わえる、僕のこの生き方に。

一方でなぜ、多くの人が、せどりやブログといった副業に流れてしまうのだろう?大企業に務めているだけで、高い実務スキルや専門性を持っているのに。そうしたノウハウを活かして新たなチャレンジをする方が、より多くのものを得られるはずだ。

「きっと、みんなに必要なのは北極星なんだ。いつも輝いていて、一つの目的地を示してくれる星が」僕は、自分の考えを示した。

「君が、北極星になればいい」ネコはそう言って少し笑った。


(※参照:総務省・経済産業省「平成28年度経済センサス 活動調査」)

だけど、企業の外に出ないとできないこともある。

もちろん、大企業において新規事業を生み出す仕事には学べることが多く、やりがいもある。それでも、僕は、複業を始めた。その理由は、たったひとつ。企業の外でなければできないことがあったからだ。

「新規事業は既存事業に勝てない」横にいるネコがしんみり顔でそう言う。どうして、このネコは、僕が言いたいことがわかるんだろう?

ゼロから価値を生み出す。商品を開発する。そのプロセスを、本業の方では、たしかに1人で一通りできるようになった。

ただし、ここまでの道のりは決して楽ではなかった。大企業ならではのいろんな問題に当たりまくった。社内政治のこと。かけられる時間とコスト。組織的なしがらみ。それから、情報が担当者や部署の中に留まってしまうサイロ化の問題など。

新しい事業を進めようと思うとき、身を削られるほどのパワーがいる。どうして新規事業が進みづらいのか、それも見えてしまった。

「そうなんだよ。それで、僕は、複業しかないと思ったんだ」
 
何か新しいことをしたい。もっと大胆にイノベーションを起こしてみたい。それをするなら、中小企業がおもしろいんじゃないかと考えた。同じように考えている社長さんが、地元の名士の中には確かにいるのも知っていた。

革新的な商品・サービスを生み出すこと。それを、どこか特定の企業の中だけでなく、地域で取り組めたらおもしろいと思った。ベンチャーや大企業がやろうとしている新規事業に、地元の中小企業がジョインしていくのもいいじゃないか。

そもそも、イノベーションを起こせる仕組みが地域のインフラになれば、何でもできるよなって思う。そのために僕は、第三者的な立ち位置で中小企業のイノベーションを支えていこうと考えた。企業を内から“柔らかく”していく。そうすれば、地域内のさまざまな企業が双方に作用しては連携し、より大きくておもしろいイノベーションを生み出せるはずだから。

そのための一歩として、中小企業にイノベーションを巻き起こす。その切り口は、何でもいい。M&Aでも海外進出でも。税務でもブランディングでも。企業のやりたいことから支援をしてくのが大切だ。そのハンズオンの過程で、イノベーションの風がちょっと吹くだろう。

企業の中に、これまでなかった新しい価値観やカルチャーが生まれはじめるだろう。これまでとこれから、両方とも正しい。どっちかのやり方に偏っているのが問題なだけだ。両方のいいとこ取りをしていこう。

「地域に新たな産業をつくるのかい?」ネコはしっぽを揺らして言った。

「それを支援できるように、法人をつくったんだ」そう言いながら僕は、ネコと呼吸が合うのを感じた。


人生の希望を叶えるための副業であるように

副業の形は、人それぞれだ。副業は、みんなにとって、どんな意味を持っているだろうか。第二の収益源?なくなってしまった残業代を補うもの?複業(パラレルワーク)には興味があるかい?いや、「わたしには無理」って、感じだろうか?

僕にとっての複業は、自分自身の社会的価値を最大化してくれるものだ。本業で得たスキルと複業での体験を掛け合わせ、地元にあるといいものをインストールしているから。そして、ゲンバの多い複業で得たノウハウを本業に還元している。

ひとつ言えるのは、事業に再投資するための売上げは別として、個人的な収入としてのお金が目的では副業はきっと続かないということ。僕は、生まれ育った地元に何か貢献したかった。目を向けるべき課題がすぐ近くにあった。大企業というフィールドで得た貴重なスキルをもって、そこに当たっていこうと決めた。

自分が一番よいと思える道を歩みたい。人生を楽しむことと社会に価値を提供することは両立される。最高の失敗の中で学び、改善を続けよう。気付いたときに最高の成功を得ているだろう。

それまで、前足を揃えて地面におとなしく座っていたネコが、ジャンプして近くの塀に移った。僕は、気になって聞いてみる。

「その塀の向こう側には、どんな世界が見えるのかい?」

「とてもエキサイティングな人生が待っている」

ブルーの大きな瞳でじっと僕のことを見て、ネコはそう言った。その目線は僕と並んでいた。


みんな、北極星になろう。

これから、僕は、地方の中小企業をエンパワーメントしていくつもりだ。マーケティングやブランディングの考え方がインストールできた企業を大企業・ベンチャーと掛け合わせ、地域と産業にイノベーションをおこしていく。そして、その仕組みを海外に展開する下準備もできた。

いま、大企業の枠組みの中でくすぶっている人が多かれ少なかれいると思う。「こうじゃない」「何かが違う」「しがらみばかりだ」「何かしたい、いや、しなければ」「でも、どうやって?」

気付いてほしい。そのくすぶりこそがチャンスだということに。スキルや経験が天井を打ってしまい、あなたの心が新たなフィールドを求めている。

自分のスキルや想いにそった副業を、始めることをおすすめしたい。そこでのチャレンジが、得られる失敗が、成長のための最高の経験になることを約束する。

「法務しかやってこなかった...」「人事しかできないから...」と、一部の仕事しかしてこなかったことで足踏みしている人も多いと思う。ところが実際は、大企業で一律の業務を担ってきたことは大きな付加価値になる。大企業で標準化されているプロセスは、ものすごく本質的な価値がある。

業務のポイントを理解し、正しく伝えられる。そうした人材は、日本全体でみれば貴重だ。あなたが見聞きしたことや経験したことは、実はものすごい付加価値になる。
 
地域だけでない。関わるすべての人々をエンパワーメントしていきたい。そのために必要なノウハウをこのnoteでは更新していこうと思う。

ーーみんな、北極星になろう。

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