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好奇心労働者(curiosity worker)

ポール・マッカトニーが果たした功績はすごくて

「(演奏楽器の一つであるに過ぎない)ベースが独立した魅惑的なメロディラインを奏でられる」

実証した。

そしてポールの功績は音楽面だけじゃない。
AI時代に人間がやるべきことを示唆してくれる。

ジョン・レノンが『Come Together』のアイデアを持ってきた。

ギターをかき鳴らし歌うジョンに、ポール

「ジョン、ちょっと待って。それって、チャック・ベリーの『You can't catch me』じゃん。ぼくも大好きな曲だけど、このままじゃまずいでしょ」

そこでポールは「スローにし、ジメッとした感じを出そう」

それで生まれたのがあの印象的なイントロ

シュッツ ベース ドラム
シュッツ ベース ドラム
シュッッ ベース ドラム

ベースが泡のように立ち上がってくる
ギターも立ち上がる
キィボードはタテに刻む

ジョージ・ハリスンが『Something』を持ってきた

ギター弾きながら歌うジョージの前でポールがベースをつけていく

もともとの曲が素晴らしかったのもあるが、やはりこの曲を名作たらしめたのはポールの色彩豊かなベースラインだろう。

ドラッカーが90年代

「これからは知識労働者(ナレッジ・ワーカー)だ」

と言った。

しかし、AIのいま、「ナレッジ=賢い=正解を導き出せる」人は、要らない。

たとえばぼくはブログを英訳するときAIを使うが、必ず添削する。

言語感覚がJOYWOWっぽいかどうかチェックするためだ。

ある時、「人として」を「as a person」としていたのでそりゃ弱いだろう、直訳過ぎると「as a human being」と修正した。

このように、AIが机並べて仕事する同僚になったいま、人間に必要なのは感性だ。ポールがジョンに「スローにし、ジメッとした感じを出そう」と提案した感性。

「AI時代に人間がやるべきことを示唆してくれる」と書いたのはこれ。

「知識労働者(ナレッジ・ワーカー)」はもう要らないとすれば、どんな働き手が必要だろう。

ぼくは「好奇心労働者(curiosity worker)」と思う。

「ただ曲のベースを淡々と弾いていればいい」ではなく、「曲の印象全体を支配できる」「創造できる」と好奇心を発揮し、大きな業績を残したポール・マッカトニー。

ユヴァル・ノア・ハラリ『サピエンス全史』は「認知革命」で始まる。

要するに、「ものの見方革命」である。

ものの見方を変えるのは好奇心だ。

では、「うちの社員を好奇心労働者にするにはどうしたらいいでしょう?」

と問われたら一番困る。

上司や会社が命令して好奇心が発揮されるわけではないから。

ただ、仮説として、「環境を整備する」というのはあると思う。

あくまで個人の中から生まれる好奇心ではあるが、でも、周囲にもそういう好奇心温度の高い人が揃っている、とか、「いいじゃん、やってみようよ」という空気があるかどうか、は大きい。

好奇心

引き続き、研究してみますね。

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