ケタを変える
エジソンの前に23人の電球の「発明」者がいた。
これは、エジソンが23人の後塵を拝していた、というのではなく、「電球」という抽象概念を具体化する方法が23通りあった、と見たほうが科学的である。
発明者によってフィラメントの形、線の材料、電気の強さ、ソケットの形などがさまざま。でも、個別に見れば、みな同じ原型のデザインを目指しているように見える。これらの試作品は、必然的な一般的電球を記述する23の異なった試みと考えることができる。
これと同じで、「シングルマザーの就労支援」という抽象概念をいかに具体化するかも、たった1つの答えはない。
思いもかけず取り組むことになったぼくのNPOがどう具体化したかはミッションに出ている。
「私たちのミッションは、シングルマザーのスキルアップを通じて企業との橋渡しをし、彼女たちの収入をケタ違いに増やすことです」
「スキルアップ」と「ケタ違い」に注目してください。これがJOYWOW流。スキルアップしてケタを変えるためには、「延長」ではできない。
「新た」が必要だ。
稼ぐためには、第一に、「あなたしか」という狭い部分が必要。
この3つ、チラッと見ただけで、何かわかるよね。だからそれぞれ儲かってる。
そのためには、「みんながやっていないこと」をやらないと「この地域の最低時給はこれこれだから・・・」の話になる。
第二に、「新た」。
「自分のことは自分ではわからない。流れに乗ってみる」という姿勢が「新た」につながる。「延長」の先に「新」たはない。
JOYWOW-NPOは、スタート時のミッションを絞り込んでいる。IT企業との橋渡し。なので、デジタルに取り組むのは必須だ。これまでパソコンなんか触ったことがない、スマホしか知らん。SNSはLINEとTik Tok、インスタくらい、だとしても、業務連絡や資料の共有でフェイスブックグループへの加入が必要となれば、腕まくりして取り組む。
こういう人が、「スキルアップしてケタを変え」られる。
「自分は理系ですから」「わたし、文系なので」という言い方する人に、ぼくはいつも「それ、あなた、赤ん坊の時からですか?」「DNAですか?」と返す(笑)
要するに、「やったことがない」だけなのだ。
昨日の日経で、ドイツのボッシュが世界40万人をリスキリング(学び直し)させ、IT人材へと転換する記事があった。
これですよ。いくつになってもリスキリング(学び直し)できる人「だけ」が、ケタを変えられる。
ぼくもNPOの経営なんて、やったことがない。でも、2021年はドラッカー『非営利組織の経営』を一年かけて翻訳し直していた。
他の本でも良かったのに、これをやったというのは、ループ量子重力理論的に言うと「わかっていた」んだろうね。2021年1月の時点で、2022年7月に、ぼくがNPOの経営に関わる、ということが。時間は存在しないので。
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