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秩序を楽しい方へ利用する

脳は秩序を求める。安定してると、気持ちいい。秩序が壊れると、不安になる。

こんな症例がある。情緒不安定の患者。脳波図がひどく乱れている。足し算をしてもらう。足し算やっている間、脳波はきれいに整う。やめると、元の乱れになる。脳は「足し算という仕事」に秩序を得て、安心したのである。

ウィルスが世界を襲った直後、人類の脳は不安で満たされた。とにかく秩序が欲しい。仕事のやり方も変わった。「会社に行かず、成果を出せ」新しいミッションは、脳にストレスを与える。これまでの秩序とは違うからだ。しばらくみんなバタバタした。バタバタしたのは「なんでもいいから秩序が欲しい」ため。

それからほぼ2年。みんなの脳はそれぞれ秩序を得て、安定している。ここまで考えて、ようやくわかった。「論理的には意味がないのに、なぜみんな一人で歩いている時ですら、マスクしているのか」の答えだ。

マスクは脳に秩序を与えるから。

たとえば、いま、医療現場はめちゃくちゃ大変だ。感謝しかない。

医療現場で働くみんなに一番必要なことは「私たちの誇りはどこにあるんだろう?」「私たちの果たすことのできた成果」について、仮に5分でもいいので、各現場(ドクター、ナース、事務、保全、清掃・・・)に集まってもらい、考え、シェアし合う時間だ。誇りを取り戻してもらいたいし、出来なかったことではなく、出来たことにフォーカスしたい。でも返ってくる答えは決まってる。「わかるけど、そんなひまはないよ」

「ひまがないほど忙しい」という秩序を乱したくないのである。

これと同じく、「忙しい人」が「ひまな人」になることはない。「忙しい」というガッチリしたメカニズムを脳が欲しているから。維持しつづけたいから。脳はカオスを嫌う。

あなたの周囲を見回してください。それはあなたの「秩序」でできている。「秩序」とは、「当たり前」とも言える。どっちみち脳が秩序を求めるのであれば、「望ましい結果」を秩序化したほうが楽しくない?

生活環境、職場環境もそうだけど、一番は、「考え方」。ぼくはとにかく「楽しい方」を選ぶ。すると脳が「楽しい方」に秩序立てる。脳はああ見えて実は考えない人なので(笑)、こっちが右と言えば右向くし、左と言えば左だ。なので、自分にとって都合の良いことを、秩序とすればいい。安定させればいい。

ぼくは20代の平社員サラリーマン時代から、新幹線はグリーンに乗ってた。もちろん会社から支給される旅費交通費はグリーン認められないから、差額は出してた。家族旅行で海外行くときもビジネスだった。「これが当たり前」という「秩序」を脳に叩き込んでたわけだ。すると、脳は「あ、新幹線乗るのね。じゃあ、グリーンね」「飛行機? そりゃビジネスでしょ」となる。

独立したばかりの時も、ニューヨークから日本への出張はANAビジネスクラス、鬼のような金額だった。お金があったわけではもちろんない。ないけど、でも、お金、回ってた。なぜなら、現実は、脳(正確には潜在意識地下2階)が創り出すから。「脳が心地よい秩序」が地下2階にインプットされつづけると、現実化する。

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繰り返します。あなたの周囲を見回してください。それはあなたの「秩序」です。どうせなら、楽しいことで満たしましょう。

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