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ノーティング

「阪本はノートとるのがうまい」

理科の美人先生が言ってくれた。中学一年。
先生の何気ない一言が子どもの将来を決める。

「ぼくはノートとるのがうまいんだ」

学力はノートと比例する。以来中学三年間学年トップだった。

成績がふるわない子は

先生の言うことを聞いてない

のではなく、

先生が何を言ってるのかわからない

だからノートとりようがない

が真実。

ノーティング(noting)、ノートのとり方をまず最初に学ぶ必要がある。

クライアントさんで「プレ・リーダー研修」というのをやらせていただいている。文字通り、「リーダーへの登竜門」だ。

ぼくのリーダーの定義は、役職ではない。
行動だ。

あなたがパン屋の店長だとする。
店先に紙くずが落ちてる。
すぐ拾う。考えるより先に手が出る。これがリーダーシップ。

「紙くずが落ちている。これを拾うのは誰の役割だろう。店長の僕だろうか。それともフロアチーフのカン・ナムスンか。彼女力強いし。いやいやマネジャーのソ・モクハが対処するべき問題だ。歌うまいから・・・」大企業あるある対応、リーダーシップ不在。

まず、自分がやる。リーダーシップ。

なんていうのを本に書いた。20年前だが本質突いてるから長く読みつがれてる。何より薄いのが人気の秘密(→そこかいっ!)。

よく売れてます

これをプレリーダー研修で講義する。本を買う必要はなく、むしろ買ってはいけない。各自ノートを用意してもらう。ふだん使っているものとは別に。これ専用の。講義中パソコンは禁止。

阪本の講義をノートにとる。
時々、ほかの参加者とノートを交換する。
講義終了後提出、阪本がコメントを手書きで入れて、返却。

これで世界にたった一冊の、自分だけの「リーダーこれだけ心得帖」ができあがる。わざわざリアルな紙のノートを用意してもらう意図、これ。

其の壱★ リーダーは「自然になる」のではなく「学んでなる」もの
其の弐★ リーダーは決める、捨てる
其の参★ リーダーは目標を設定する
其の四★ リーダーは異新(something different, something new)を創り出す

阪本啓一『リーダーこれだけ心得帖』

DAY1ここまでやる。異新を受け、翌月のDAY2、美術館へ行く。それまでの期間、ガウディとサグラダ・ファミリアについて予習しノートに書いておく。

展覧会の後、カフェに全員集合し、感想をシェアし合う。ただし「良かったっすねー」「すごかったなあ」では意味がないので(笑)、「異新」的視点から見て、「何が」「なぜ」自分に響いたのか、についてピンポイントで話す。

さて、こっから先はクライアントさん研修とは別。ノーティングに絞る。

大企業エグゼクティブ(えらいさん)がぼくのセミナーに参加することがある。さっぱり聞いてない。なんでだろう、と思ってた。
ノーティング出来てないんだ。

ノーティングは、技。
学ばないと、自然には身につかない。
ひたすら実践しかない。

思い起こせば、中一で理科美人先生に褒められて以来、ノートに親しんできた。

クラス一の人気者女子Yさんと交換日記始めた。Yさんの字、本人は美人ですらっとしてるのに、右肩上がりで読みづらかった。内容もつまらん。あ、こいつ、顔いいけど、アホやな。なので、一週間くらいでぼくのほうが飽きてきた。やめよう、言った。人気者だっただけにYさん、プライド傷ついた顔してた。

高校でも交換日記やった。今度は文章が面白く、文字もかわいいMさんだった。続いた。

交換日記、いいよ。読者がいるから内容考えるし。

ただまあ、「わし、54やで。誰と交換日記するねん」というおっちゃんもいると思うので、一個だけ秘訣を。

ノーティングは、要約力。

昨日の記事、2つの柱で出来てる。

一つは、娘の婚約者との顔合わせ
もう一つは、業界の「外」に出てみよう

実は後者が一番書きたかったことなんだけど、顔合わせの中華料理食べてる最中「明日パパ、ぜったいこれ、noteに書くよね」「うん。書くかく」と娘たちが言ってて「これ、どうやって書けってんだ」と困ってた。プライベートな内容だし。

でも書かないとしゃくだから挑戦してみた。本当に書きたかったのは「外れよう」タイトル通り「業界の外へ出る」ことだったので、それとどう絡めるか、が鍵。

なんとか書いたんだけど、これ以外にも現象はいろいろあった。急いで地下鉄降りて、はらペコ娘の待つホテルへ向かう自動改札、ブー。
見ると、Suica残高17円だった・・・とか。でもそういうのは優先順位つけたら低い。略。書かない。

そう、「ノーティング」は、「何を書くか」と同時に「何は書かず、捨てるか」が秘訣。

長くなるので、今日はここまでにしましょう。

そうそう、中学時代の交換日記、人気者Yさんのプライドが傷ついて、その後どうなったか。

速攻クラスの女子全員から無視された。しばらく続いたが、まったく困らなかった。ノート見せてくれ、とうるさいのはたいてい女子だったから、せいせいしてた。「阪本無視」はそのうち、自然消滅した。女子はコワい。学びました。

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