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『アルバム』

思い出は心のなかできらきらと。
辛かった出来事ももちろんたくさん。
今でもまだ笑えない失敗や後悔を、あなたが笑ってくれたこと。
僕に、笑ってと言ってくれたこと。
季節は今、夏だけれど、
僕の心にそっと寄り添ってくれたあなたがいたあの冬を、
今、なんとなく思い出すよ。
苦しかった思い出も、
悲しかった出来事も。
みんなみんな、心のアルバムに飾っていこうって。


***


冬が来て寒くなった。
空もどこか、切なげだ。
でも、となりにいる君は
何気なく、焼き芋を食べてる。

ほかほかで、やけどして
その仕草を見てると
なぜだろう、あたたかい。
うれしくなるんだ。

あこがれとは程遠く、鏡に映る僕は頼りなくて
君にふさわしいなんて、とてもじゃないけど。

寂しい歌が好きな、僕の心のなかで
君が掃除をして、救ってくれる。
いたみと悲しみを、しまって。

ごみ箱にあふれかえる、捨てたいのに捨てられずにいた
なつかしい思い出を、拾い上げて。

捨てちゃだめだよと言って、君が僕に手渡したんだ。
そばにいるから、アルバムに、ひとつずつ飾ろう。
そうして、一緒に見よう、って。

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