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Vol.8「ピュアな『!』や『?』を研ぎ澄ますということ」本田隆行さんのワークショップレポート

さて今回は、科学コミュニケーターの本田隆行さんにキヅキセンパイとして登場いただいた、2021年8月のワークショップの様子をお届けします。合計27人のこどもたちに参加いただき、本田さんと一緒にキヅキランドのメモれるムービーを体験していただいたました。ありがとうございました!(本田さんのインタビューはこちら

ワークショップは参加者のこどもたちに同時にワークショップ専用のキヅキランドに入ってもらい、YouTube Liveで本田さんのおはなしを聞きながら、みんなで一緒にムービーを見ながらキヅキを探すという、オンライン形式で開催されました。

「今回のワークショップは参加者のこどもたちの書きこみに対しておしゃべりで返すという、今までにないオンラインのコミュニケーションで、どんなふうに展開するかな……と僕もちょっと緊張しました。やってみると、ワークショップ参加者の顔も見えず声も聞こえないのに、書きこみと実況でちゃんとやりとりになっていて、参加者の存在を感じることができました。また、やり方を説明するとすぐにどんどんみんながキヅキを書きこんでくれたのでそれに対してコメントをしていくと、1時間があっという間でしたね!」(本田さん)

今回の動画は、前回に引き続き「高いところから港の風景を撮影したもの」「2種類のクリームソーダを作る過程を並べたもの」「目玉焼きを作る様子をアングル違いやクローズアップなど4つのカメラで同時にとらえたもの」「ジャグリングの様子を正面と真上から見たもの」の4本に、「ハッブル宇宙望遠鏡でとらえた宇宙」と「積乱雲の様子」の2本が新しく登場。

こどもたちは、宇宙の暗闇に散らばる星や銀河、生き物のような雲の動きに、いろいろな疑問や驚きを発見して書きこんでくれました。

また、後半には本田さんから「自分や誰かのキヅキについて、なんでそうなるのか、理由を考えて書きこんでみよう」という提案がありました。

「書いてもらうことを『発見』と『仮説』に分けることで、人のキヅキに反応する、というチャレンジを促してみたんです」

すると、参加者のこどもたちから「キヅキに対するキヅキ」が、いろいろと書きこまれました。たとえば自分の「発見」に対して考えてみた「仮説」がこちら。

また、他の人の「発見」にたいして「もしかしたらこうなんじゃないかな?」と自分の「仮説」を発表してくれた人も。

こういったキヅキの連鎖が生まれたことで、キヅキランドのプロジェクト開始当初から私たちが考えてきた「こどもたちが身の回りの不思議を見つけ、それをどんどん膨らませていく」というコンセプトが、このメモれるムービーで実現できるぞ……!ということを実感することができました。

最後に、第3回、第4回のワークショップでキヅキセンパイをつとめていただいた本田さんに、感想をお伺いしました。

「キヅキランドの体験はピュアな『!』や『?』を研ぎ澄ますということなのではないかなと思いました。これって、こどもだけでなく、むしろ大人も心のどこかへ片付けてしまった感覚を取り戻すために大事な体験かもしれない、と思ったりします。それらを感じる(見つける)ための感覚を養う場所がここ、キヅキランドになるのだろうな、と感じています」(本田さん)

さて、こんなふうにこどもたちに体験してもらいながらキヅキランドの開発は進められています。9月に開催された最後の体験ワークショップでは、二人のキヅキセンパイが登場しました。YouTubeで「ゲームさんぽ」というゲーム実況チャンネルを運営しているなむさんと、大学や研究所には所属せずフリーランスで活動されている生物学者の片野晃輔さんです。お二人のインタビューは3月16日公開予定です。お読み逃しないよう、ぜひこのnoteをフォローしてください。
それではまた!

Illustration: Haruka Aramaki


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