見出し画像

Vol.2「稲盛財団とこども科学博のこと/私たちがキヅキランドをつくるわけ」

はじめまして。キヅキランドの発案者である「稲盛財団」で、みなさんから寄せられる“キヅキ”のお世話をする係を担当している、ふくだと申します。よろしくお願いします!

キヅキランドは私たち稲盛財団のスタッフを中心にしたプロジェクトチームで計画・建設を進めています。そこでこの「私たちがキヅキランドをつくるわけ」という記事では、発案者である稲盛財団とはどんな団体なのか、なぜキヅキランドを建設しようと考えたのか、などの疑問にお答えしていきたいと考えています。この記事では、稲盛財団のことや、キヅキランドと深く関わる「ある活動」についてお話したいと思います!


キヅキランド発案者である稲盛財団の理念は「科学の発展と精神的深化のバランス」

稲盛財団は1984年に、ある人物の強い想いにより創設されました。その人物とは、京セラやKDDIなどを創業した「稲盛和夫」です。「人のため、世のために役立つことをなすことが、人間として最高の行為である」「人類の未来は、科学の発展と人類の精神的深化のバランスがとれて、初めて安定したものになる」。稲盛財団は、これらの想いを理念として活動しています。

具体的にどんな活動をしているのでしょうか。主に3つの事業を実践しています。

1つ目は、科学や技術、思想・芸術の分野に大きく貢献した方々に贈られる日本発の国際賞である「京都賞です。自然科学の分野だけでなく、哲学・美術・音楽・映画・演劇といった思想や芸術の分野とあわせて、毎年3つの分野の受賞者を顕彰しています。「科学の発展と精神的深化のバランス」という理念がそのまま形になった事業として創設当時から続いており、今年で36回目を迎えました。

2つ目は、独創的な研究者を支援する「研究助成」です。創設当時から続く助成プログラムに加えて、2019年には、挑戦的な研究にじっくり腰をすえてトライする稲盛科学研究機構「InaRIS」を立ちあげました。10年にわたり総額1億円を助成し、科学を飛躍的に発展させる機会をつくります。

そして3つ目に、科学や文化芸術にふれて心を豊かにする場をつくる「社会啓発」です。これまでに、研究者が登壇する講演会やアーティストが参加するイベントを実施したり、昨年はコロナ禍の影響を受けた実演芸術団体を支援したりしました。2019年の夏休みには、こどもたちの発見(!)や疑問(?)のきっかけをつくる「こども科学博がスタートしました。

この3つの事業を貫くと、稲盛財団が行っているのは、発見や疑問のきっかけをつくり、支えて、讃える活動とも言えるかもしれません。


答えを出す場ではなく「自分で調べたい!」と思うきっかけとなる場をつくりたい

さて、こども科学博のことをもう少し詳しく話したいと思います。
1回目は「宇宙」をテーマに開催し、体験型のワークショップや研究者に直接疑問を投げかけるステージ、小惑星探査機「はやぶさ」の模型や触れる隕石の展示など、多彩なブースが勢ぞろい。会場の中央には、様々な体験を通して気づいた発見や疑問を大画面に映しだす「キヅキノキ」がメイン展示として設けられ、2日間に約12,800人が来場し、7500個を超える”キヅキ”が集まりました。ほんの一部だけですがご紹介します。

こども科学博の企画会議をはじめたのは開催する2年前、2017年春のことでした。

「ニュースではたびたび『こどもたちの理科離れ』などと言われることがあるけれど、本当に離れているのだろうか」
「こどもたちはいつだって好奇心で溢れているのに、大人たちや社会が寄り添えていないのではないだろうか」

そんな問題意識を感じていたころでした。

そこで私たち稲盛財団は、
「こどもたちに『この世界は!? (=発見や疑問)で満ちあふれている。僕にも、私にも!?を見つける力があるんだ!』と自信を持ってもらいたい」「答えを出す場ではなく、自分で調べたい! と思うきっかけとなる場をつくりたい」
そんな思いからこども科学博をスタートさせたのです。

そして実は、この「こども科学博」がキヅキランドの誕生に深く関わっているのです!……がそれはまた別の機会に。それではまたお会いしましょう。

Illustration: Haruka Aramaki


この記事が参加している募集

自己紹介

理科がすき

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?