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コーチの道(2)

言葉の大切さ

「指導者が変わればチームが変わる」良く聞く言葉で、この言葉を聞くたびに、私は後悔の念に苛まれるばかりです。

以前の私は何となくわかってはいたものの、どうしたら良いのかを知らずにいました。 ラグビー指導者のコーチングセミナーに参加したものの、どちらかというと実践についてのレクチャーであったと覚えていますので、本当の意味での「指導者が変わる」というポイントに触れずにいました。

私はNLPにたどり着いた後に、自然とコーチングについて学ぶわけですが、早くこの2つのことについて学ぶことができたら、そもそもの人生が変わっていたのではないかと思うくらい衝撃的でした。

コーチングを学び、現在はメンタルトレーナーの勉強もしているのですが、全ては「言葉」が人の思考や行動に大きな影響を与えていることが共通してます。

「指導者が変わる」とは、スポーツであればコーチから選手へ、選手と選手の間、職場などの組織においては、上司から部下、社員と社員の間において交わす言葉が、個人や団体に大きな影響を及ぼします。

結果を左右する言葉

かける言葉でポジティブになったりネガティブになったり、良い状態をイメージしたり、その逆だったり。 良いイメージを持つと、良い感情、良い状態になり、やる気に繋がり、行動に移るといった連鎖で、かける言葉一つで行動、つまり結果の違いに繋がります。

少しおとなしい高校ラガーマンに指導する機会がありました。
大人しく、恥ずかしがり屋なのか、教えた動作を照れのせいか、うまくできません。 そこで、「あこがれの選手はだれ?」と聞き、その選手なら練習中にどんな気持ちで臨むか、どんな声でパスを要求するか、どんな姿勢でグランドに立つか、自分で言葉に出しながらイメージしてもらいました。
すると、見違えるように教えた動きが出来るようになったのです。

この、言葉の大切さを知らずにコーチとして選手に指導していることは、選手にしてもコーチにしても、非常にもったいない時間と労力を使うことになります。

「どうやったらうまくいくと思う?」
「何がいけなかったと思う?」
「負けはしたけど、何か良いポイントは何だった?」
「あこがれの選手ならどんなふうに動く?考える?」
「まだまだやれる!」
「君ならできる!」

こういった声掛けは、知らないと出来ないですし、練習しないと出来ないでしょう。

いつも「ダメだ、ダメだ」と言っていては、そもそも面白さもなくなっていきますね。

それでもつきまとう技術の指導

気持ちをポジティブな状態に持っていくことは大切なのですが、やはり、スポーツや仕事においては、技術や実務を覚えてもらわないと始まらないわけです。 特にスポーツの指導においては、見る角度が違えば指導も変わったり、経験が異なるコーチが教えれば、使っている言葉が違ったりと、なかなか理想通りにいかないものだと思います。

ここはやはり、指導する側の忍耐が試される時間帯なのかもしれません。
また、指導者同士が事前にミーティングをして、教え方の統一なども大切なことだと言えます。

そして、指導者がネガティブな言葉を発する機会を減らしましょう。

また、教え方をシンプルにすることも良い方法だと思います。
特に基本練習は「ドリル」にして、単純な動きで完成のイメージがつかめるまで繰り返します。 選手には個人差があるので、出来る選手は途中で退屈になっていると感じることもありますが、そういう時は、その選手に指導をさせると良いでしょう。 あるラグビーの強豪高校では、高校生に小学生や中学生を指導をさせるイベントを開くそうです。 人に教えることで、自分自身も基本の動作の確認や、自分がどのくらい理解しているのかを認識できるようなのです。 もちろん、言葉遣いも注意して指導しています。

人間的にも成長するそうで、機会がある方は是非チャレンジしてください。

コーチも練習しよう

言葉の大切さについて、簡単に記してみました。
私は、せっかくなので、指導者の方々は「声掛けの練習」というのをしてみてはどうかと思います。 提案すると、多くの方は「分かってるよ」と言いますが、はたから見ていると、やはりいつもの癖で言葉を発している方がほとんどです。

言葉が与える影響について、指導者同士で勉強して教えあい、生き生きとした目の選手や、生き生きとした雰囲気の職場を作ってはいかがでしょうか。

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