まさか仕事に救われるとは、夢にも思っていなかった


1

仕事が休みの休日に、家でぼーっとしていると、ふとネガティブな気持ちになってしまうことがある。
お金のこと、家族のこと、将来のことなどが、ネガティブな心配事として、頼んでもいないのに湧き出てしまう。
そのような時は、本を読んだり、noteを書いたりするなど、何かに打ち込むようにしている。
そうすると、いつの間にかネガティブな気持ちは消えて、無くなっているのだけれど、
「そういえば、仕事をしている時は、ネガティブな気持ちは湧き出てこないな」と、ふと思った。


2

このように思ったきっかけとして、昔読んだ本の、
完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」に書かれていた、

「ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。」

「若林正恭 / 完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」より引用

という言葉を思い出したことが挙げられる。

この本は、著者であるお笑い芸人のオードリー若林さんの、若手時代の様々なエピソードを基に書かれたエッセイ本である。
リフレッシュしようと温泉に浸かっていたが、ネガティブな思考が湧き出てしまい、全然リフレッシュできなかったそうだ。
この経験から、「何かに没頭すればネガティブな思考は出てこない」と考え、「没頭ノート」を作成し、没頭できそうなことを書き連ね、それらを実施したことで、ネガティブな思考が出てこなくなったそうだ。
「ネガティブを潰すのはポジティブではない。没頭だ。」という言葉は、このエピソードの最後を締めくくる言葉として使用されており、初めて読んだ時、大きく共感したのを今でも覚えている。


3

上記の本を、いつ、初めて読んだかは覚えていない。
けれども、この本を読んでいた当時は、仕事がネガティブを潰す選択肢の一つになるなんて、絶対にあり得なかった。

なぜならば、過去の私は、

「仕事=ネガティブそのもの」

と認識していたからだ。


・新卒で入社した会社では、尋常ではない長時間労働を強いられ、体を壊してしまった。(しかもサービス残業)

・行政関係の仕事では、人間の汚い部分を目の当たりにし嫌な気持ちになってしまったり、組織が崩壊し地獄のような日々を過ごし、退職後数年間フラッシュバックに苦しめられることとなった。
(今思うとPTSDだったかもしれない)

・実家を離れて就職した会社で適応障害と診断され退職し、実家に戻った。

・休職を経て再就職した物流会社で3年近くお世話になり、その経験を引っ提げて転職した同業他社で、全身に紋紋が入っているおっさん従業員が暴走し、脅され身の危険を感じたり、ハードな仕事で体を壊しそうになったため退職した。

そして、一年7ヶ月もの間、引きこもりニートになってしまった。


4

これまでの職歴を振り返ると、本当に失敗だらけだった。
良い思いもあったが、それ以上に嫌な思いの方が多い。
仕事で失敗したり、嫌な思いをすることで、「仕事=ネガティブそのもの」と認識するようになってしまったのだと思う。
そして、多くの失敗や嫌な思いが積りに積もったことで、「仕事=ネガティブそのもの」という認識がより強固なものになってしまったのだと思う。


5

「仕事なんて嫌だ。嫌な思いをしたくない。仕事なんてしたくない。」と、何度も何度も心の底から仕事を嫌悪した。
しかし、どんなに嫌悪しても、仕事をして生活費を稼がないと生活が苦しくなってしまう。
なので、今までの多くの失敗や、何が嫌だったかを振り返り、自分の性に合っている仕事は何かを考えた。
結果、「夜間給油監視員の仕事は、自分の性に合っているかもしれない」と思い、仕事に必要な資格を習得し、就職した。
初めは緊張したが、4ヶ月目に突入した今は、おかげさまでだいぶ慣れてきた。
お客様対応に手間取り、他のお客様を待たせてしまい、怒られたことがあった。
理不尽なクレームを浴びせられたことがあった。
しかし、これまでの地獄のような失敗や、嫌なことを考えれば、なんとかなった。
そして、仕事をしている間は、ネガティブな気持ちは出てこないので、やはり今の仕事は自分の性に合っているんだなと、改めて思えた。


6

改めて似たようなことを述べるが、ネガティブそのものだと思っていた仕事をすることで、ネガティブな気持ちが出てこなくなる経験ができたのは、私にとって大きな発見となった。
こうしてnoteに書いていることが、いまだに信じられない。
ネガティブそのものだと思っていた仕事が、ネガティブを潰す選択肢の一つになるとは、夢にも思っていなかった。
そして、仕事をすることでネガティブが潰れるのであれば、それは私にとって「救い」のようなものだな、と思った。

もし、20代の頃の自分にこの文章を見せたら、「それ、本当に30代のお前自身が書いたの?」と、間違いなく聞かれていると思う。
ヒトは年を取り経験を重ねると考えが変わると言うけれど、それはこう言うことなのかもしれない。
そうであれば、老いていくのも悪くないな、と思うのであった。


追記

このnoteを書いていて思ったのですが、「ぼーっとしている時に出てくるネガティブ」と、「仕事で生じるネガティブ」は、似ているようで違うモノではないかと思いました。
世の中には様々なネガティブが存在していて、それらのネガティブを潰したり、時には向き合ったりして、人生やっていきたいと思いました。


参考文献


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?