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宝探しをするように、紡ぐ

どんな志を持ってコピーライターになろうと思ったのか。

言葉を生業とする方々の話を聞くなかで、僕がとても興味のある部分の一つだ。


コピーライターになるというのは手段だ。

それぞれ、「こんなことを成し遂げたい!」というビジョンを掲げていて、
それを達成する方法としてコピーライターという職業を選んだということに過ぎないと思う。

アウトプットを見ているとそうした志や思想の根っこの部分が見え隠れする時がある。

僕は、”それら”を見つける瞬間が大好きだ。

ジャンルや表現方法が異なれど、その人が大事にしている哲学を感じられる瞬間はとても心地がよい。

そして、何よりも尊敬する。

これが、”表現者の匂い”というものなんだろうと感じる。


先日、僕が大好きなコピーライターさんにお話を伺う機会があった。

物腰柔らかく穏やかな語り口のその方は、
丁寧に僕の質問に答えてくれた。

「世の中には、とても素晴らしい思想を持っていたとしても、自分の感情や情熱を上手く伝えられる人はとてもわずかだと思います。

だから、そうした人たちの言葉にならない思いを一つひとつ言語化していくことに大きな必要性を感じるのです。

もちろん、微妙なニュアンスで大きな認識違いにつながってしまう可能性があるから、じっくりゆっくり話をしながら、表現可能な言葉を探り当てていく。

今まで10%しか伝えられていなかった部分が、僕を通して30%や50%伝えられるようになったとしたら、それはとても嬉しいことです。」


ああ、やっぱり僕はこの人が好きだと改めて思った瞬間だった。

丁寧に人と向き合い、相手よりも相手のことを考えて言葉を紡いでいく姿勢は、まるで宝探しをしているかのようだった。

コピーライターは書くことだけが仕事じゃない。

知れば知るほど、この職業の魅力にとりつかれていく。

ちょっと先の理想の姿を思い描きながら、着実に前に進んでいこうと誓った。







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