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自分が不利な状況で勝負する手法

英語が理解されない

ロサンゼルスの広告代理店に就職した時、英語のレベルは中程度。
社内で英語が出来ないのは僕だけでした。
その会社では毎週月曜朝9時半からそれぞれのプロジェクトのアップデートを行うミーティングがあり、自分にとっては辛い時間でした。
会議室で座っている席の順番に発表。みんなスラスラと話しをするのに自分が話す時にはみんなの顔が「???(こいつ何言ってるの?)」という表情になっているのが解りました。

もっと地獄なのは「電話会議」
カリフォルニアは面積が広くクライアントやチームメンバーのオフィスの距離が遠いので、移動時間をセーブする為にも頻繁に電話会議が行われました。

今はZoom等オンラインで相手の顔を見ながら話しができたり、資料も共有できるので諸々便利になっていますが、当時は電話をオンフックにし声で会話をする事しかできなかったので、相手の表情も見えず解りにくい。数名のアメリカ人が冗談を交えた英語で喋っていても???
自分が喋ると全員が「シーン(何言っているのか解らない)」となってしまいました。

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コミュニケーションビジネスを行っているのに自分に英語力が無いという事は大きなディスアドバンテージになります。
日本と違いアメリカの労働法では「会社の役に立っていない」という理由で解雇ができます。
かなり苦労をして見つけた就職先なのでなんとかそこで働き続けたいと思っていました。


当時の就職活動を記載したブログ


そんな時に考えたのは
「自分なりのエッジを見出し、自分が居る事の価値観を理解させる」
では自分ができる事は何か?

役立ったPowerPointのスキル

日本で働いていた時に色々な企画書をPowerPointでつくっているうちにPowerPointが大好きになり、グラフィックのラフデザインもPowerPointを使って作ったりしました。アニメーションもカスタムで図形が上下左右手書きの楕円系の動きをする等、まだ今の様にPowerPointが簡単になって居ない時期に結構使いこなしていました。
ロサンゼルスの会社内でもPowerPointは使っていましたがみんなのスキルはイマイチ。
同じコンテンツでページを創るにもカッコよく見せるにはフォントサイズや配置、使うイメージ等デザインセンスが必要です。
当時僕のPowerPointのスキルは社内で重宝され、何かあるとすぐに僕の所に相談に来るようになりました。そうやって社内で必要とされるスキルがある事でコミュニケーションも円滑に進むようになりました。

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言葉で伝わらない事はイメージで

特にクリエイティブの表現等微妙な言葉での説明が必要な時、自分の英語力では全く伝わりませんでした。
そんな時には自分の頭の中にあるコンセプトやイメージと出来る限り近い写真やグラフィック、映像を時間をかけて探しまくり、厳選したモノを見せて伝える様にしました。
但し、写真やグラフィックも100%自分の求めているものと合わないケースも多く色々な絵を組合せたコラージュで世界観を伝える努力をしました。

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英語での電話会議対処法

地獄の電話会議を乗り切る為に「自分の英語が通じないなら事前に自分が喋る内容のサマリーを共有する」という事を試みました。
通常ミーティングの際にはAgendaが送られてきますが、その補足資料として自分のパートの内容を文字は少なく、出来る限りシンプルに、箇条書きを多用し、伝わりにくそうな場合には絵を活用した1-2ページの資料を添付し参加者全員に送信。
ただ、喋る内容だけだと自分のエッジが利かせられないので、必ずそこには自分なりのアイデアを含め展開していました。
そうする事でクライアントやチームメンバーから「英語が喋れず使えない奴」という評価から「コイツ、伝える努力してるしちょっと面白いじゃん」というポジションを得たと思っています。

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クリエイティブマインド

上記色々試しましたが、「人が出さないアイデアを出す」という事が一番有効だと思います。僕は何かを考える時、できる限り色々な角度からモノを見たり、なぜそうなっているかを考えたり、他のものとくっつけたらもっと面白くなるかを考えたりしています。

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自分というフィルター

結論として、私の様な職種で重要な事は「自分というフィルターを通すと何かがもっと魅力的になる」事だと考えています。

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それが出せる様になると自分のエッジができ、言語能力や人種といった壁を越え、海外でも一目置かれる存在になれるのではと考えています。


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