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フリーランスに関する壁

フリーランスについて話していると、ご経験のない方がえらく壁を感じておられると思ったので、ここで誤解を解いて、壁を取り払っておきたいと思います。


・不安定でしょ?

会社員が100%言うセリフです。

確かに、クライアントから契約を切られたら収入がなくなるので、不安定といえば不安定です。

これは工夫次第だと思っていて、顧問収入のように安定的に収入が入ってくる契約にすれば、安定化します。これは報酬体系の工夫次第である、と言っておきます。

会社員も、自分の評価や会社の業績次第で収入が増減することを考えれば、その違いはさして大きな違いではないと思っています。


・嫌なクライアントに頭を下げないといけないでしょ?

「自分の親は自営業者だったけど、顧客から強く言われて電話で頭を下げているのをよく見た」という話を聞いたことが複数あります。

これもクライアントとの付き合い次第であると思っています。

私の場合、むしろクライアントとの関係は非常に快適です。そもそも、クライアントは私のことが好きだから契約しているわけです。

一方、会社の上司は自分のことが嫌いなこともあります自分のことを評価してくれない上司と日がな一日顔を合わせないといけない生活は地獄です。それより遥かに快適であると思っています。


・病気になったらどうするの?

これも良く言われますが、これも自分次第であると思います。

会社員に比べると、健康リスクが巨大であることは確かなので、業務量をコントロールして健康を維持する一手です。

会社員当時、「昨日部長と深夜2時までカラオケ行っちゃったよ~」とか「成田からオフィスに直行して役員会に出ちゃったよ~」とかいう武勇伝をよく聞きました。こういう無理な仕事ぶりが良しとされるのが会社員です。フリーランスはこういう仕事の仕方は絶対にやってはいけません。

私には、会社員は、保険に入っている無謀なドライバーに見えます。フリーランスは、無保険だけど丁寧に運転するドライバーになればよいのです。どっちがリスクがあると思いますか。


・クライアントはどうやって開拓するの?

私のような稀代の(嘘)営業マンにとっては不思議な疑問ですが、これはよく聞かれます。

職人的なスキルを磨いてきた人にとっては営業が難しいようですが、職人だからこそ、高く売れるのです。自分のスキルを普遍化して付加価値を説明するセールストークを磨けば、十分に戦えます。

会社員時代、階級を1つあげて年収を100万円上げることにあんなに苦労していたことを考えれば、毎月10万円のクライアントを開拓するほうがはるかに簡単です。

どうしてもうまく行かないで悩んでいる方、相談に乗りますのでおっしゃってください。


・税金コントロールできるでしょ?

これも良く言われるセリフです。

もちろん、各種共済など合法的な節税手段はあるので、できる範囲で使っています。

一方、接待費や交通費などはすべて自費なので、これらが支給される会社員と比べると、感覚的にはほぼプラマイゼロであると思っています。

むしろ、毎月税金・社会保険料が天引きされる会社員に比して、ワンタイムでどかんと取られるフリーランスのほうが、精神的なダメージは大きいです。強烈な徒労感に苛まれることになります。


・失敗する人いるでしょ?

成功や失敗の定義は意見のあるところだと思いますが、私の知るところ、「失敗した」と言っている人を見たことはありません。たまたま景気が良かったからかもしれませんし、そう言わないだけかもしれません。

しかし会社員でも、思い通りの人生を送れていない人が相当程度いることを考えると、その発生確率はあまり変わらないような気がします。


失敗についてはアドバイスがあります。すなわち、「先にお金が出ていくビジネスはしない」ということです。

「設備投資、人を雇う、商品や材料を仕入れる」という行為は、先にお金が出ていきます。キャッシュリッチでない場合、どうしても借金で賄うことになります。

これは危険です。返済できない場合、えらいことになります。ここでは詳細は書きませんが、私は元銀行員だからこのへんは詳しいです。

よって、少なくとも最初の数年、実績がない間は先にお金が出ていくビジネスはしないことをお勧めします。

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会社員を是とする文化が徐々になくなっていると思います。

私も思い切って独立して、この合理性に気づきました。会社員時代には、こんな世界があるとは知りませんでした。

これまでは一億総会社員時代でしたが、今後は、起業家・会社員・フリーランスが等分に存在する社会になると予想します。

会社は、自社の社員を極小化し、ノンコア業務はすべて外部のフリーランスに委託する方向になるでしょう。そのほうがコスト面でもマネジメント負担面でも合理的です。多くの管理職が悩むCクラス社員の処遇など、気にする必要はありません。未払い残業代などまったく気にする必要がありません。

フリーランス側も、クライアントに選び続けてもらえるよう、しっかりスキルを磨きます。こういう社会のほうが合理的であると思います。

というわけで、そう遠くない将来、起業家・会社員・フリーランスが等分に存在する社会になると予言しておきます。当たったらどなたか褒めてください。


#日経COMEMO #フリーランスだからできること

『人の生涯は、ときに小説に似ている。主題がある。』(竜馬がゆく) 私の人生の主題は、自分の能力を世に問い、評価してもらって社会に貢献することです。 本noteは自分の考えをより多くの人に知ってもらうために書いています。 少しでも皆様のご参考になれば幸いです。