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「死」を受け入れるために読んだ本


 

今回は「死別」に関する本をご紹介します。


「最期が近づいてきた時に人の体はどのような状態になるのか」

「遺された人にはどういう精神状態が訪れるのか」

をこれらの本から知ることができました。

(タイトルに「死」と書かれてあると「うっ」と引きがちになりますよね、読みたいんだけど手にとれない。私もそういう感覚があったのですが、実際に読んでみると、その多くが読者のため、患者さんのために書かれた情報であり、心ある文に出会えます。中にはダイレクトすぎるタイトルを変えてくれないかな〜と思ったりする本もありますが、渦中にいて頭が混乱しているとタイトルを探すのも大変なので、わかりやすさも大事だったりしますしね。。)

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「平穏死」を受け入れるレッスン
自分はしてほしくないのに、なぜ親に延命治療をするのですか?

石飛 幸三




老人ホームの医師である石飛幸三さんの本。
看取りを数多く経験したことにより、「平穏死」を推奨されています。


印象に残った文章は

「食べなくていい、飲まなくていい、眠って、眠って、さようなら」

です。

老齢であれば、徐々に体が機能しなくなっていくのは当たり前のことで、少しずつ食べなくなっていき、飲まなくなっていき、眠る時間が長くなり、そして自然と死を迎えます。

父もだいぶ前から眠る時間が長くなり、活動時間が少なくなっていることはわかってはいましたが、それがそもそも死に近づいているためにおこることだとは、周りの誰も思っていませんでした。そういえば飼っていた猫が亡くなる前じっとする時間が長くなり、食べなくなっていたなと後で思い出しました。

人は少しずつ、死への準備をしていくのか、とこの本を読んで知りました。そして本によると、自然に亡くなった場合ほぼ苦しみはないそうです。父も寝てる間に意識がなくなったという感じだったので、苦しくなくてよかった。とそこだけはすとんと思えたのでした。




死別後シンドローム 
ー大切な人を亡くしたあとの心と体の病い

清水加奈子



精神科の清水加奈子さんが、死別によって残された人が受ける
ダメージから回復までを解説しています。


「死別後シンドローム」とは
正常ならば亡き人を思い出しては泣いたり日常に戻ったりを振り子のように繰り返しながら次第に和らいでいくのですが、この振り子のような現象が起こらず、いつまでも同じ場所にとどまり続けている状態のこと。

私の場合も泣いたり笑ったり感情の揺れが激しく、振り子というかジェットコースターでしたが、徐々にその揺れが静かになっていくのを感じたので、死別後シンドロームにはならなかったということですね。


そして死別を経験した人が迎える「喪のプロセス」のことも解説しています。
喪のプロセスには以下のような段階があるそうです。

ショック期

感情の暴走期

抑うつ期

受け入れ期

これらが同時にきたり一部がない人もいるらしいですが、私の場合は感情の暴走まではいかないけれど、毎日発作のように泣いていました。今はもちろん悲しみはあるけれど、泣き続けるということはなくなりました。

また、わざと忙しくして悲しみを避けていると、後々感情のしわよせがきてしまうようなことが書いてあり、父の死後はひたすら悲しみと向き合うために、父をテーマにした絵を一ヶ月間毎日描いてサイトにアップしていました。この作業は辛かったけれど、何もしないで泣くだけの過ごし方よりはやってよかったと思っています。

家事でもいいですし、散歩でもいいですし、なにかしら自分の頭と体をよいせと動かしていると、回復もはやい気がします。ぐっすり眠るために運動するのも◎

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本を読んでみて

私の場合、知識のないまま父の死を受け入れることはできませんでした。
人が死ぬことは避けられない。それは頭ではわかっているけれど、残された人は受け入れるまでに時間がかかります。時間がかかるんだよ、ということに気づけるだけでも感じ方が変わるんですよね。

本は全て読む必要はなく、目次を見て気になる部分だけ読むという方法で大丈夫です。それが今自分とって必要な言葉や情報であり、傷ついた心の助けになるのだと思います。

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