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桐貴清羽(きりたかきよは)
2021年2月27日 07:08
「お母さんおおきに。行ってきます」兎の結は、タクシーにのって、街から少し遠い料理屋のお座敷へ向かった。 料理屋につくと、すでに地方の姉さんがたがついていて、一番下っ端の卯の結(うのゆう)は慌てて挨拶をした。どうやら今日は、舞妓は卯の結一人だけらしい。お座敷はいつもどおり進んでいき、5、6人の客も、芸妓の姉さんも酔いが回ってきたころ、卯の結は、自身に向けらている熱い視線に気がついた。