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Cinema Review

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2019年7月の記事一覧

ソドムの市

ソドムの市

[2008年9月13日の日記]

学生時代、先輩から「ソドムの市が何しろヤバイ」という話を聞き、それ以来気にはしつつも、実際に観たのはそれから 4~5 年は経ってからだったと思う。そして想像していたより遥かにヒドイ内容に吐き気さえ覚えた。パゾリーニという監督に対する強烈な先入観、および嫌悪感がその時に植えつけられた。

だがその後、ナンニ・モレッティの「親愛なる日記」を見て少し考えが変わる。このド

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皆殺しの天使

皆殺しの天使

「ビリディアナ」と二本立てで鑑賞。

「皆殺しの天使」。そのタイトルの正体とは何だろうか。

部屋に閉じ込められた人々。水も食料も底をついて生命の危機に晒されてもなお、部屋から一歩外に出るという選択をしない。選択することができない。なぜ選択できないのか。そこは一切の説明がない。何も知らないでこの映画を観たらしばらくは「こいつら何してんの・・・?」と状況が飲み込めないだろう。物理的に閉じ込められてい

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