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自分の仕事について

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実況アナウンサーという自分の仕事について書いた記事を集めています。
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#コラム

古舘伊知郎初の小説「喋り屋いちろう」の読書感想文を書いてみた

古舘伊知郎初の小説「喋り屋いちろう」の読書感想文を書いてみた

古舘さんのエピソードで僕がいちばん好きなのが、アナウンサー駆け出し時代の話である。今より圧倒的に勢いのあったテレビ局に存在した、先輩から受けた厳しい指導や上下関係のエピソードは、いかにも放送局というかんじで、地方の小さなラジオ局で育った自分にはとても羨ましく思えるからだ。豪快で、おおらかで、理不尽。例えて言うなら、室温40度の中でヒンズースクワットを繰り返す昭和の新日本プロレス道場伝説のようなもの

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“実況実力世界一”のチャンピオンベルトを受け継ぎたい

“実況実力世界一”のチャンピオンベルトを受け継ぎたい

プロレス実況の仕事をするうえで研究用のノートをつけている。これは、先人たちの実況を聞いては書き写したもので、当時の中継が録画されたVHSテープを再生し、いつどこで、どんな試合が中継され、アナウンサーがどんな言葉を使ったかをノート3冊分に書き留めているのである。古舘さんから受けた影響を何度も書いているが、プロレス実況の歴史において古舘伊知郎の何が凄かったのかを改めて述べたい。

古舘さんのデビューは

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