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【中国企業の真実】腾讯(Tencent)中国版利用規約を読み解いてみた

利用規約ウォッチャー みなしボウイです。

腾讯(テンセント、Tencent)は、オンラインゲーム、ソーシャル・ネットワーキングサービス、インスタントメッセンジャー等を提供している中国のインターネット最大手企業です。同社の提供するチャットアプリ「微信(WeChat)」のユーザーは2023年4月の時点で13億1300万人に達しています。

中国深圳の夜景

今回、「Tencentサービス規約(腾讯服务协议)」の中国本土版をウォッチしていきます。重要な3つのポイントに注目して利用規約をウォッチしていければと思っています。


最後までよろしくお付き合いください。

腾讯(Tencent)中国本土版利用規約である「腾讯服务协议」の原文は中国語であるため、今回は、Google Translateによって日本語へ翻訳されたものを利用します。この翻訳版はTencentが用意している公式版ではなく、翻訳により原文とは異なる解釈となる場合があります。あらかじめご了承ください。


適用範囲

Tencentは「WeChat」のほか、インスタントメッセンジャーである「QQ」や各種サービスを展開しており個別規約を持っていますが、Tencentサービス規約はその全てに適用されることになっています。

本契約のすべての条項を十分に読み、完全に理解し、同意しない限り、Tencent サービスを使用する権利はありません。 「同意する」または「次へ」をクリックした場合、または Tencent サービスを使用した場合、またはその他の明示的または黙示的な方法で本契約への同意を表明した場合は、本契約を読み、署名することに同意したものとみなされます。本契約は、お客様と Tencent の間で法的効力を持ち、両当事者を拘束する法的文書となります。

Tencentサービス規約

中国法および当局規制

中国本土で大規模に展開されるサービスを利用するにあたって留意することは、やはり中国法および当局規制になってくるかと思われます。

Tencentサービス規約においてもそのことは、度々触れられています。

3.5 Tencent は、次の場合を除き、お客様の個人情報を第三者に転送または開示しません。
(1) 関係法令または司法行政機関の要求。
(2) 合併、分社化、買収または資産譲渡を目的とした譲渡。
(3) ご希望のサービスを提供するために必要な場合。
(4) 「テンセントプライバシーポリシー」またはその他の関連契約規定に従って第三者に譲渡または開示される可能性がある場合。

Tencentサービス規約

12.1 本サービスの利用にあたっては法令を遵守し、以下の内容を含む情報の作成、複製、出版、頒布またはこれに関連する活動を行ってはなりません。また、以下の内容を含む情報を制作、複製、出版、頒布するために情報を提供することはできません。以下のコンテンツ、または関連するアクティビティに参加すると便利です。
(1) 憲法が定める基本原則に反対する。
(2) 国家安全保障を危険にさらし、国家機密を漏洩し、国家権力を転覆し、国家統一を損なう。
(3) 国家の名誉及び利益を損なうこと。
(4) 民族的憎悪と差別を煽り、民族的団結を損なうこと。
(5) 国の宗教政策を弱体化させ、カルトや封建的迷信を促進する。
(6) 風説を流布し、社会秩序を乱し、社会の安定を損なう行為。
(7) わいせつ、ポルノ、ギャンブル、暴力、殺人、テロを広めたり、犯罪を扇動したりすること。
(8) 他人を侮辱し、又は名誉を毀損し、他人の正当な権利利益を侵害する行為。
(9) 法令の最低ライン、社会主義制度の最低ライン、国益の最低ライン、国民の正当な権利と利益の最低ライン、国家の最低ラインの「七つの最低ライン」の要件に違反する。社会的公序良俗、道徳の最低ライン、情報の信頼性の最低ライン。
(10) 関連法令または本規約、関連規約、規則等で禁止されている行為。

12.2 お客様が本サービスの使用時に関連法令または本契約の規定に違反した場合、関連する国家機関または機関はお客様に対して訴訟、罰金、またはその他の制裁を課し、テンセントに援助を要求する場合があります。あなたまたは他人に損害が生じた場合、すべての責任はあなた自身が負うものとし、Tencent は一切の責任を負いません。

Tencentサービス規約

17.3 以下のいずれかの状況が発生した場合、Tencent は予告なくお客様へのサービスを中断または終了する権利を有します。
(1) 法令に従い、真実の情報を提出する必要があるにもかかわらず、提供した個人情報が虚偽であるか、登録時の情報と矛盾しており、合理的な証明を怠った場合。
(2) 関連法令に違反した場合、または本契約の条項に違反した場合。
(3) 法令、司法当局または所轄官庁の要求に基づく。
(4) 安全上の理由またはその他の必要な場合

Tencentサービス規約

中国は個人情報保護について、個人の権利保護を先進国のレベルに近づけるための規則を整備していますが、「中華人民共和国国家情報法(中华人民共和国国家情报法)」や「中華人民共和国サイバーセキュリティ法(中华人民共和国网络安全法)」、「中華人民共和国データセキュリティ法(中华人民共和国数据安全法)」といった「国家安全保障」に関する規則が上位にくる構造になっています。

国家情報法では、関係する機関・組織・国民に対し、国家安全機関、公安機関の情報部門及び軍の情報部門が行う国家情報活動に対して必要な支持・援助・協力を行うことが義務付けられており、サイバーセキュリティ法やデータセキュリティ法においては、ネットワーク運営者等は、国の安全の維持・保護及び犯罪捜査に係る活動に対して、技術的支援及び協力を拒むことは出来ません

中国全人代WEBサイト

裁判管轄

Tencentサービス規約における準拠法が中国法であることは疑いようがありませんが、裁判管轄は広東省深圳市となっています。

18.1 本契約の成立、有効性、履行、解釈、紛争解決およびその他の関連事項は、中華人民共和国本土の法律に準拠するものとします(抵触法の適用を除く)。

18.2 この協定が署名される場所は、中華人民共和国広東省深セン市南山区です。

18.3 お客様とテンセントとの間で何らかの紛争または紛争が生じた場合、まず友好的な交渉を通じて解決する必要があります。交渉が失敗した場合、お客様は、本契約が署名された場所(つまり、裁判所)の管轄権を有する人民法院にその紛争または争議を提出することに同意するものとします。中国広東省深セン市南山区)管轄。

Tencentサービス規約
広東省深圳市南山区人民法院WEBサイト

今回は、このあたりで終わります。ありがとうございました。

なお本投稿における、発表内容は発表者個人の見解に基づくものであり、本投稿にて取り上げられている組織及びサービスの公式見解ではありません。

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