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自分でセットができる髪型をつくる【竹澤】

美容室の技術の中で一番大事なのはカットだと思います。自分が一番こだわっているのもこれで、特に家に帰って再現できるものを作るようにしています

ヘアスタイルは不思議なもので、日に日にやりやすさが変わります。実際は数ミリしか伸びていないんですが、乾かした時の感じが変わるんです。

「昨日までセットできていたのに、今日はなぜこんなにうまくいかないのか」そんな経験をした方は多いんじゃないかなと。

これが数日なのか、数週間なのか、数ヶ月なのか、髪型によってまちまちですが、できるだけ伸ばしたいと思います。

そのためには、ゲストができない髪型は提案しないこと。言い換えると、髪質と相性のいいものを作ることです。



ぼく自身も色んな髪型にしてきて、美容師をもってしても髪質にあっていないものはセットが大変で長持ちしません。

細くて猫っ毛なのでツンツンさせたりボリュームを出すのが本当に大変。スプレーやワックスを使っても風が吹いたら崩れる。

逆に、それを活かした長めのデザインは簡単にまとまります。時間がなくても軽く寝癖を直しただけでもそれっぽくなる。

美容師がそうなのに、ゲストが自宅の洗面台でばっちり仕上げるイメージがわきません。技術もセンスも大事だが、合うものをすすめる提案がまず大切なんだと感じます。



本当はみんなに魔法をかけられたらいい。どんな髪質でもなりたいものにさっとできればベストだなと。

でも美容師をやればやるほど、カットを学べば学ぶほどそこから離れていく感覚に。できるできないというより、合う合わないがあるなと思いました。

ボリュームが出る人はそれを活かす。くせがあるなら、カールが美しくみえるデザインにする。ストレートならそれが魅力的になる提案をする。

そんな髪質と髪型の相性がいいものは時間が経っても崩れにくい。切りに行こうと思ったら「素敵な髪型ですね」と声をかけられることもしばしば。

セットも簡単だしバランスよく見えるし、何より自分自身を肯定してる気持ちになれます。

今まで嫌だったもののおかげで気にいる髪型になれると気づいたら、悩みはなくなるんじゃないかなと思っています。

髪の悩みは解決するのが難しい。それは新しくまた生えてくるから。一度きれいにしたらなくなるわけではありません。そこが厄介ですよね。

ならば、悩みを活かしてみてはどうだろう。これから生えてくるものが困るものでなかったら、気分がどれだけ晴れるだろうか。そんな風に思います。

髪質に合う提案をしそれを表現できるカットをする

再現しやすいデザインはただ似合う髪型になるだけではなく、未来の自分を明るく変えてくれるもの。そこにこだわり続け美容師をしていきたいと思います。