腸脛靱帯炎(ランナー膝)について
今日も柔道整復師、理学療法士、整体師の方、新人の方に向けて、僕の実際行っていることについて書いていきます
今日は腸脛靭帯炎(ランナー膝)について書いていきます
腸脛靭帯とは
腸脛靭帯とは、大腿外側面を下行し大腿骨外側上顆を超えて脛骨粗面外側(ガーディ結節)に付着する、固い結合組織性の被膜
股関節と膝関節の動きの制動に関与
膝関節の制動 膝関節内反 下腿内旋
腸脛靭帯は膝関節の運動軸上を滑走する
45度屈曲位〜伸展域 膝運動軸の前方を通過 膝伸展に作用
45度屈曲位〜屈曲域 膝運動軸の後方を通過 膝屈曲に作用
と記載があります
そして腸脛靭帯のポイントが大腿筋膜と臀筋筋膜です
腸脛靭帯は大腿筋膜の外側部分(一番厚い部分)です
そして臀筋筋膜は大臀筋や中臀筋を覆う筋膜です
腸脛靭帯の近位は、浅層・深層に分かれていて
浅層 大臀筋の腱膜が移行して形成
深層 大臀筋や中臀筋、中臀筋筋膜、大腿筋膜張筋が移行して形成
つまり大臀筋・中臀筋・大腿筋膜張筋の線維は腸脛靭帯に付着しているわけですので、この筋群に異常があれば腸脛靭帯炎を引き起こす可能性もあるというわけです
腸脛靭帯炎のメカニズム
腸脛靭帯と外側上顆の間には、脂肪体が存在していて、この脂肪体には自由神経終末や血管が多く存在していることから、摩擦によって脂肪体が刺激を受けた際に、疼痛・炎症を引き起こすという説があります
※滑液包炎という説もあるが、その部位には滑液包は存在しないという
腸脛靭帯炎の発生機序のポイントが
外側広筋のスパズムです
なぜがというと
脂肪体が存在するとさせる場所が
外側 腸脛靭帯
内側 大腿骨外側上顆
近位部 外側広筋
で構成される間隙に存在するということでした
そして外側広筋は、大腿筋膜に包まれているので
腸脛靭帯が緊張 → 大腿筋膜も緊張 → 外側広筋も緊張
となりやすいです
発生の機序
①腸脛靭帯が緊張する
②空間が狭くなり、内圧が亢進する
③外側広筋スパズム亢進
④膝屈曲や外側広筋が収縮
⑤外側広筋は遠位に滑走(圧縮ストレス)するため空間が更に狭くなり内圧が上昇する
以上が腸脛靭帯炎の疼痛のメカニズムと記載があります
腸脛靭帯炎患者を施術する際のポイントまとめ
①大腿筋膜張筋の緊張・圧痛
オーバーテストで評価
患者 側臥位 股関節伸展・内転しタイトネスをチェック
健側の下肢を抱えるようにすると骨盤の代償を防止できるのでおすすめです
②大臀筋の緊張・圧痛
股関節の屈曲制限
③中臀筋の緊張・圧痛
前方線維短縮 オーバーテスト陽性
後方線維短縮 股関節屈曲制限
④外側広筋の緊張・圧痛
まとめ
腸脛靭帯炎について書いていきました
原因は、臀筋群の硬さや、外側広筋にある場合があるということでした
環境的要因では、道路をランニングするとなりやすいということも覚えておきましょう
道路って水捌けのために若干傾斜しているんですよね
そこを走るということは傾斜している側の下肢にモーメントが働きやすくなることが予想されます
なので芝生を走ったりすることも患者に提案するようにしています
原因が分かればアプローチもわかってくる
明日も臨床頑張りましょう
ではまた
参考文献 運動器のなぜがわかる臨床解剖学 引用
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?