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手鏡日録

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日記です。気まぐれに書いています。
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#祖母

手鏡日録:2024年7月7日

手鏡日録:2024年7月7日

7月はまだ三分の一ほど残っているが、ここまででもずいぶんいろいろなことがあって、それらを書き残す暇がなかった。なので、少しずつ思い出しながら。

祖母の誕生日を祝うために、グループホームに迎えに行った。
誕生日当日からは一週間ほど過ぎてしまったのだが、弟の仕事の都合でこの日に集まることになった。集まるといっても、母と弟、それに私の三人だけ。
グループホーム二階の居室からエレベータで祖母が下りてくる

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手鏡日録:2024年3月17日

手鏡日録:2024年3月17日

祖母に会いに行った。
かつては丘陵であったろう住宅街の、その尾根にあたる道を縫っていくと、周囲の家屋に溶け込んだグループホームがある。
道を挟んで学校と、こぢんまりした団地とがあって、ちょうど団地の前の白木蓮が盛りだった。
グループホームの二階で、祖母は過ごしている。ずっと一緒にいるわけではないのでその暮らしぶりは想像するほかないのだが、きっと桶の水に沈んだビー玉のようなものなのかと思う。
祖母の

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手鏡日録:2024年2月26日

手鏡日録:2024年2月26日

朝、起動したてのカーナビが二・二六事件の日であることを告げた。
御年95歳の祖母は、雪の銀座を行進する叛乱将校たちを目撃したという。子どもたちには、そんなものを見せたくないものだとつくづく思う。こうした私の思考には、ところどころ祖母の口癖が転写されている。
ずいぶんと風の強い日だ。花粉がしんどい。

2月が終わる前に、書き留めておきたいことがある。
俳句を始めたのが、ちょうど10年前の2月だったと

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