自己紹介③

合鴨ちゃん達は無事(?)に田んぼから隔離され、肥育に入る事になりました。
が、そこで問題発生。
予定している肥育場には半分の数しか入れないことが発覚し、急遽残り半分は別の肥育場に運ばれていきました。

後々。これが色んな意味でターニングポイントになるとは思ってもいませんでした。

数週間後、肥育場を見学に行ったのですが、凄まじい光景を見る事になります。

片方は無農薬の山で縦横無尽に駆け回り、湧水と良い餌を食べてのびのびと過ごす合鴨達。

もう片方はゲージにギュウギュウに詰められ身動きできず、排泄物まみれになり、スーパーの残飯を与えて育てられる合鴨達。
悪臭が酷く、近寄るのも躊躇うほどでした。

ちょっとショッキング過ぎて脳裏に焼き付いています。

農家のおっちゃんは「俺らも忙しいからねー」と言いながらタバコを吸っていました。未だにモヤモヤします。

そんな状況を見て数ヶ月後。

ついに屠殺が終わり、「肉」となった合鴨ちゃん達が搬入される事になりました。

厨房のキャパの都合上、半分しか受け入れられない為、野山を駆け回った方をお願いしていました。
しかし何かの手違いで段ボールが二箱到着。
どちらも来たんですよね。
その時は「ああ〜、困ったな。まぁ勉強の為に見ておこうかな。」
と、軽いノリでダンボールから出してみると愕然としました。

放し飼いの方は張りがある、美しい肌色のキュッキュッとした感じの、全く臭みが無い完璧なコンディションでした。
そしてゲージに入れられていた方は…見るも無惨な状態でした。
肌は所々緑色、手で触れるとヌルヌルし、悪臭を放っていました。
試しに少し焼いてみると厨房中が臭くなり、堪らず捨ててしまいました。

その後は大量に捌いて施策を作っていったので記憶が薄いですが、あの2つの対比は今でも鮮明に覚えています。

この事をきっかけとして、動物の環境や食事が与える影響に興味を持つ様になりました。



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