正直。料理の仕事が心底嫌になった。
激動の2023振り返り。
2023上半期のお仕事
2023幕開けと共に、急にさまざまなお仕事のお話が舞い込んできた。
教室
講師養成講座
企業さまレシピ開発
ケータリング
出張料理
リトリートシェフ
来るもの拒まずとりあえずやる。
と一緒懸命させて頂いた。
心内は徐々にしんどくなってきた。
売り上げも急上昇。表向きは順調だった一方で、心内はなんだかザワザワ、しっくりこないような日々だった。
今思えば、私のキャパオーバー。
誰も言ってないのに勝手に責任を重く背負い、完璧主義とこだわりが強すぎて、柔軟なやり方が身に付いていない、単なる能力と経験不足だった。
痛感したのはケータリングや出張料理。
先方の予算、コンセプトに合わせて、ゼロイチから作る。
私は飲食店やアトリエをもっている訳ではないので、すぐに取り掛かれる厨房が無い。
そんな中、たまに入るオーダーにゼロから準備して場所を借りて納品する工程は本当に、時間と労力を取られる。
体力的にヘロヘロだった。
もちろん、仕入れもゼロイチなので、結構高くなるし、無添加、発酵調味料で揃えていたのでかなりの原価になる。
当時の私は、「そのこだわり」を求められて、そこに価値があると信じていたので、全部手作りで作っていたし、私には「それしかない」と思い込んでいた。
そうして納品したものが、物足りないと苦言されたりして、更にしんどさが増し、もうどうしていいのか分からなくなっていた。
お仕事を振ってくれたクライアント様には感謝しかない。
繰り返すが、それは単なる私の能力不足だった。
正直、料理の仕事が心底嫌になった。
そんな悶々とする最中、ある事がキッカケで、「あぁ、もう無理だ」と心が崩れて折れる時が来てしまった。
当時、並行して、ほぼ新築のアトリエと定期的な飲食提供という、なんとも恵まれたお話があったのだが、それをお断りする事態になった。
「こだわり」を持って「ひとりで」「定期的に作る」事が、どれほどしんどいのだろう。
「これがずっと続くなんて」と絶望したからだ。
有名店で修行を重ねた料理人でもない私が、それなりの価値がある対価を頂くためには、誰よりも仕込みに時間をかけて、調味料も手作りして、とにかく丁寧に作る事。なのだと頑なに信じていて、でも本当はそれが、とんでもなく大変でしんどい作業だったからだ。
「気を抜かず手を抜け。じゃないと潰れてしまうよ」
とプロの方にもそんなアドバイスを頂いたが、そう言われても、どうしていいか分からず
「私はこんな料理しか作れません。こんな料理で表現していきたいです。こんな料理が求められているはずです。」
という意固地な私しかいなかった。
それは今まで自分の中で熱く築いてきた
「憧れ・夢・願望」や「思い込み」を一方的に押し付けただけで、世間のニーズにマッチしていない事だった。
「仕事」とはやはり、先ずは、世間の困り事を解決する為にあって、そこに自分の能力とマッチするポイントを見つけないといけない。
「夢・憧れ・願望」を仕事に結びつける事なんてとてもハードルが高く、ひとつ間違えれば、自己満足にしかならない。
色々試した結果、私にはそのセンスや能力は無かったし、身の程を知らなさ過ぎた。
今思えばいかに傲慢で意固地になってこだわり過ぎて視野が狭くなっていたのだろう。
一旦、リセット。知らない土地で生きてみた。
これまでやってきた事が無意味に思えたのと同時に、これからどうしていけばいいのか。
これまで飲食以外に、製造、営業、農業、配送、事務、販売、接客、色々してきたので、きっと何か出来るだろうと、模索してみたが
やはり、心が動くのは料理しかなかった。
でも、もう、料理をどうやって仕事に結びつけていいのか全く分からなくなっていた。
そんな中、知らない土地で料理の仕事をするご縁が見つかり、しばらくそちらに身を置く事にしたが、なんと3日目で身体に異変が起きて強制終了させられた。
3日間そこでは
【とても苦しそうに仕事をしている人達】
を見た。
でも、そのおかげで改めて自分の理想が明確になった。
【どうせやるなら楽しんで仕事をしたい】
ただただそれだけの事だった。
しかも、別に料理じゃくても
楽しんで出来る仕事ならなんでもいいや。
とさえ思えた。
料理の仕事は単なる手段だった
そう、単なる手段。
生きる目的は、どうせなら楽しくごきげんで生きていたい。
苦しい思いまでして料理の仕事にしがみつき、人生の大半の時間をそこに費やすなんて馬鹿らしい。
そこにやっと気づけたら、嘘みたいに
料理に対する「こだわり」「ねばならない」
が「すぅーー」っと溶けて無くなって
一気に視野が広くなり、「やり方」って無限大だって思えた。
この頃を境に大変革の下半期へと移行する事になる。
手離せば手離すほどにベストな「やり方」が分かるようになってきた
さらにそれを落とし込む下半期編。
つづく。
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