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自分らしくいる。そのために、考えなければならないこと

「フェミニズム」や「ジェンダー」って言葉には、「安易に触れちゃいけない」「よく分からないけど怖いもの」ってイメージがあって、しっかりとした知識を得たいと思いつつも、どこから入ったらいいのか分からずにいた。

つい先日、下北沢にある書店B&Bをさまよっていたら、まさにうってつけな本に出会ったので紹介します。大学生の視点で書かれてるので、フェミニズムやジェンダー問題に慣れてない初心者の入門としてぴったりです。

読んでいて「ははあ、なるほど」と思った箇所はいくつもあるんだけど、とくに考え方が変わったのは「萌えキャラ」「広告」についての問題。

いろんな公的機関がこぞって「萌えキャラ」を押し出してPRし始めた時期があったと思うんだけど、同時に批判も多くなっていた印象がある。「なんでわざわざ萌えキャラ使うの? 意味分からん!」派と「そこまで噛みつかなくてもいいのに、表現の一種でしょ?」派に分かれていたような。

この騒動があって、よりフェミニズムに対するイメージが腫れ物みたいになってしまったような気もして、なんだかなあ……と思ってました。

これ、フェミニズム側は決して「萌えキャラ」そのものに対して怒っていたわけではなく、胸元を強調する描き方や、表情やポーズなどが明らかに弱々しく、その様子こそが女性らしさだとする表現方法について「性差別的」だとして騒がれていたんですよね。

同じ萌えキャラを使った広告でも、むやみやたらと”女性らしさ”を強調するのではなく、そのキャラクターを使う意義がしっかり表れていて、かつ見る側も理解しやすい表現さえされていれば、そこまで批判されることはなかったのでは……と今になって思います。

CMなどの広告もそうですよね。本の中でも取り上げられているムーニーのCMも「ワンオペ育児を助長している」として炎上。母親ひとりが育児に奮闘している様を描き、「その時間がいつか宝物になる」といった言葉で締めている件のCMは、ワンオペ育児が常態化している現実をむりやり”美談”にしていると批判が相次いだらしいです。

ワンオペ育児しているのが”父親”だったら炎上しなかったんだろうか……とふと考えてしまうけど、問題はそういうことじゃなくって。フェミニズムやジェンダーについて最低限学んでおくことは、業種問わず必要なことなんだなって感じ入った次第です。

私が個人的に気をつけていることを挙げるなら、「言葉の使い方」。彼氏や彼女と言わずパートナーや恋人と呼ぶとか、○○女子/男子みたいな表現をなるべく使わないよう気をつけるとか。

些細なことですが、これを「些細」と言えるのはマジョリティ側だからなんですよね。

私は自認している性も女性だし、身体の性も女性、恋愛対象も男性だから世間的にはノーマルといわれるセクシュアリティだけど、よく知られているように、世の中にはゲイやレズビアンなど多様なセクシュアリティがある。

仮に私がマイノリティとされる側にいたら、いちいち気にしちゃうと思う。どの人が性に寛容なのか、フェミニズムやジェンダーについて最低限の知識と理解があるのか、考えちゃうと思う。付き合う人や友達も慎重に選ばないとならないし、だからこそ、日頃から表に出やすい言葉や癖には気をつけたいなって思う。

いま一緒にいてくれる人たち、そして、これから出会う人たちの中にも多様なセクシュアリティを持つ人たちがいて、時間とともに変わっていくもの。

自分も自分らしくあるために、そして、周りにいてくれる人たちにもリラックスしてもらって、自分本来の存在でいてもらうために、そんな人たちに「この人は大丈夫」と思ってもらえるように、勉強する姿勢は崩したくないな。そんなことを思いました。


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