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【月報2021年10月】元公僕が地域おこし始めてみた件

10月は、【写真展告知】【相手の立場で伝える震災伝承】【福島にて】【休日出かけすぎ問題】【感動の花火】の内容でお送りします。
 前回につづき、懲りずに毎回まじめな内容ばかり書いてしまい、正直面白くないと思っていますが、義理♥を押していただけると幸いです。それが生きがいになります(笑)。

【告知】写真展【11/13】

 11月13日(土)に大槌町の復興きらり商店街跡地で開催される「おおつちまるごと復活まつり」に大槌町地域おこし協力隊のブースが設置されます。
 その中で、北浦は写真展を開催することになりました。
 大槌の風景をいつもと少し違う視点で撮ってみた写真を展示しますので、ぜひお立ち寄りください。
 多くの人に見て頂ける事がモチベーションです。

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こんな雰囲気の写真を展示する予定です。

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1.震災伝承ワーキンググループ

 10月31日(日)に大槌町震災伝承のワーキンググループが開催されました。
 3つのワーキンググループのうち「震災語り部(仮称)の育成」と「震災教育・研修コンテンツの開発」の合同のワーキンググループの進行を担当しました。

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 ワーキンググループの主な内容ですが、前回は震災伝承の目的について意見を共有していただきました。

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 その内容を踏まえて、今回は、経験した人等が自分たちが相手に「伝えたい」と言う思いを、その相手に伝わり、行動につなげるには何が大切かを考える場となりました。

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 その段階で、一旦伝えられる相手の立場に立って考えていただくと言う機会を設けました。

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 これは大槌町の震災伝承のコンセプトである「忘れない」「伝える」「備える」を目指すためのものであり、震災伝承のあり方の一つだと考えています。全ての方に今回の議論のような考え方を求めている訳ではありません。
 震災伝承に関わる一つの切り口として相手の立場で考えると言う機会を作る必要があると考えたからです。
 出た意見は整理中ですので、今後役場HPや震災伝承のLINEアカウントで公開される予定です。

 次回の震災伝承ワーキンググループは11月27日(土)に開催予定です。


2.福島で考える

 10月17日に福島県いわき市で開催された311メモリアルネットワークの伝承交流講座に参加してきました。

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いわき震災伝承未来館では、正面に海がある家で津波が襲う様子を撮影し、巻き込まれた人の話を聞いて、自分も同じ行動を取りかねないと再認識しました。

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◆いわき市の沿岸部は宮城岩手の被災地とは異なり、ずいぶん海の近くに家が建っていると感じました。

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◆いわきヘリテージついーリズムということで、いわき市石炭・化石館ほるるでを見学しました。
 炭鉱の暮らしの大変さから、人々が快適に生きるためのエネルギーの問題は今も昔も変わらず続いている一方で、それを仕事に生きている人だけではなく、エネルギーの恩恵を受けている全員の問題だと感じました。

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 また、映画ドラえもん「のび太の恐竜」に出てくる恐竜ピー助のモデルとなったフタバスズキリュウが発見された地域と知ったことがとても印象に残りました。

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◆「いわき湯本温泉古滝屋」内にある「原子力災害考証館 furusato」では、行政主導ではない、民間人の立場での展示を見る中で、展示内容も自由に変えられ、当時の事だけではなく、震災は今も続いている問題だということをより一層感じることのできる物でした。
 また、個人の主観的な展示により、行政目線では伝えられない震災のリアルな面を伝えることができており、震災を様々な視点から見ることの重要性を感じさせられました。日本国外からの視点だともっと異なるのではないかと思いました。

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◆震災伝承施設の展示について学ぶ講座
 気仙沼市の学芸員の方とオンラインをつないで、展示について学ぶ中で、印象に残った点が2つありました。
  一つ目は、「言葉の定義づけ」についてです。震災関連も含め、社会のトレンドとなる言葉は、本来の意味の一部の文脈で用いられた結果、それが主たる意味のようにとらえられているものが多いと感じています。
 講話では「がれき」という言葉に連れて触れており、震災で、被害を受けた家や物などは、「がれき」ではなく、そこにいた人々の大切なものが「がれき(価値のないもの)」のようになってしまい、「がれき」として扱わざるを得ないものになってしまったということでした。
 だから「がれき」という言葉を使わずに「被災物」という言葉を使っているとのことでした。要するに「がれき」は本質ではなく、それを例えるものに過ぎない言葉ということでした。
 震災伝承(伝承という言葉も??)に関わっている以上、伝えるという過程において、より伝えたいものの本質が伝わる言葉で表すことができれば良いと思いました。
 二つ目は震災伝承施設でも、伝える内容、伝え方、範囲、視点、どういった人に向いているかなどの違いがあるということでした。
 気仙沼市にある「気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館」「リアスアーク美術館」では、同様に常設で気仙沼の震災の展示を行なっていますが、前者は修学旅行の団体客など、時間をかけず、短い時間で受け身の状態で見ることができる人向け、後者は長時間滞在して読んで深く考える人向けという違いがあるとのことでした。
 3.11伝承ロードでは各施設の細かい詳細までありませんが、各伝承館の滞在時間や、手法、学びの深さ、設置目的、重複内容、近くの食事・観光スポットも含めたコーディネートを学術的で実務的な「伝承館学」的なジャンルでサポートし、次の災害に備えて残していけたらいいと思いました。

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3.福島を見る

 次の週に福島県に再び訪れ、双葉郡を中心に廻りました。

◆帰還困難区域に入るために通るスクリーニング場
 区域内では線量計を携帯し、区域から出るときも足の裏の線量の測定がありました。
 正直、遠く離れた場所なので簡単な知識しか知らず、時間さえ経てば誰かがなんとかなるようにしてくれるのだろうと思い込み、10年間目を向けてこなかった自分に気付きました。

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◆汚染土を中間貯蔵施設
 今まで中間貯蔵施設という言葉も聞き慣れず内容もわからない言葉でした。

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◆今年7月にオープンしたばかりのとみおかアーカイブミュージアム
 立派な施設でしたが、富岡の地理的な歴史から、東日本大震災の原子力災害まで広く展示されていました。
 「富岡は負けん」の横断幕の展示に町民の思いが込められていると感じました。

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 以前の富岡町の様子の模型もありました。
 いつか、大槌の町もこういった目線で見てみたいと思いました。

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◆10月にオープンしたばかりの震災遺構 浪江町立請戸小学校です。
 一番印象に残ったのは、学校から高台まで1km以上もありずっと平地が続いていたので、良く避難を決断できたと思いました。

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4.福島と出会う

 福島県双葉郡では、その地域にいる人々に話を聞き、帰還困難区域内も含めて案内していただきました。おかげさまで、人を通じて福島と出会うことが出来ました。

◆地震直後からそのまま時が止まったままの学校
 もし自分の大事な人が最後にいた場所だとしたらこの場所は自分にとってどう言った場所になるだろうか考えていました。

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◆Google mapを見て、福島第一原子力発電所のかなり近くまで来ていることに衝撃を受けました。

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◆双葉町役場に残る公用車
 周辺には、部屋の中まで草だらけになった家もあり、それが忍びなく解体された家もたくさんあったとのことでした。

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◆二葉駅に続く道だけが避難指示解除されており、以前あった店に、アーティストによる絵が描かれていました。

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◆当時のままで、停電のためシャッターを人力でぶち破った跡のある消防団の屯所
 壁に貼られた集合写真に人の息遣いを感じました。

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 今まで、勝手な思い込みで、岩手宮城は津波、福島は原子力と勝手に決めつけていました。
 確かに原因の一つは地震による津波やそれによる原子力災害かもしれませんが、大切なものを失い、HOUSEではなく、自分のHOMEを失い、けれど残っている物や、自分たちのHOMEである町を大切に生きていくという点では同じだと感じました。ただ、福島はそのHOMEである町にすら立ち入ることができなかったので、ある種の復興の進捗といった意味では大きな違いがあると感じました。
 そういった意味では福島での震災の伝承活動もまだまだこれからであり、広い範囲で協力することが出来たらよいと思いました。


5.地おこの休日

 10月の週末は、仕事で遠出することも多かったので、公私ともに様々なところに行きました。

◆南三陸町の朝日とウミネコ

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◆気仙沼のかなえおおはしとウミネコ

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◆陸前高田の三陸花火競技大会のフィナーレ
 二度と一人で花火を観に行かないと心に決めました(笑)

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◆福島県の一切経山から眺めた魔女の瞳
 雪も少し積もっており想像以上の寒さでした。

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◆磐梯吾妻スカイラインから眺める紅葉と福島市の街並み

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◆石巻南浜津波復興祈念公園から見たブルーインパルスの練習

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◆釜石の五葉山山頂より
 女川の金華山まで見えました。

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◆吉里吉里夢花火大会
 今年一番の花火でした。

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◆NPO法人吉里吉里国のツリークライミング体験会
 木の上から見る海はとてもきれいでした。

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◆NPO法人吉里吉里国の薪まつりのピザ
絶品でした(๑>◡<๑)

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6.今月の大槌

トップの写真は吉里吉里夢花火大会の写真です。

◆吉里吉里夢花火の中で一番大きかった花火
 大きすぎて打ち上げ地点から写真に収まりませんでした。

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◆やっと行くことができた吉里吉里弁天神社

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7.おわりに

 大槌の山も色づき出し、1ヶ月早い紅葉を味わっています。
 写真で、いろいろな場所や人を撮る機会も増えて来たので、そちらも上達したいと思います。

◆他の7名の隊員の活動報告は、こちらのページからご覧ください◆
◆観光・ジビエ・農業の各分野で頑張っています◆


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