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聴き上手になる方法~ことタネvol.7~

バックナンバー
vol.1「ポジティブに伝える言葉のチョイス
vol.2「リスペクトのキモチが伝わる話し方
vol.3「受け入れられやすい意見の言い方
vol.4「後輩への指導・注意のしかた
vol.5「相手の良いところの見つけ方、ほめ方
vol.6「覚えてもらいやすい仕事の手順の教え方

※一番下に、読者特典があります!

――ここは、とある会社の、とあるオフィス。そこにいるのは、人間の会社員「アオイさん」……のはずが、あれ、いない。

ポワワワ

なぞ:読者の皆さま、こんにちは。この連載に登場する謎の生命体「なぞの生命体」です。今日はアオイさんに伝えたいことがあってやってきたのですが、いないみたいですね。

アオイ:ちょちょちょ、会社に部外者が勝手に入ってきちゃダメでしょ(あれ、今までは? )

なぞ:あ、戻ってきた。安心してください。私の存在は、アオイさん以外の人には見えないんですよ。

アオイ:(謎の「生命体」なのかどうかも怪しくなってきた)

なぞ:それはそうと、今までどこに行っていたんですか?

アオイ:同僚の話を聴きに行っていたんだよ。最近、いろんな人たちから相談されることが多いんだよね。

なぞ:コミュニケーション能力を磨いてきた成果で、アオイさんの頼りになる人柄が伝わっているのですね。すばらしいです! そんなアオイさんに、今日はお伝えしたいことがあるんですよ。

アオイ:なになにー?

なぞ:今日のテーマは「相手の話の聴き方」です。今のアオイさんにぴったりでしょう。

アオイ:たしかに、最近はいろんな人の話を聴くことが多いからね! でも今まで、話し方のスキルはあれこれ身につけてきたけれど、聴き方の勉強は特にしてこなかったなあ。

なぞ:了解です! ではさっそくまいりましょう。

スライド1

なぞ:アオイさんは、人の話を聴くときにどんなことを心がけていますか?

アオイ:特別なことはしていないけれど、とにかくちゃんと聴くことかな~。相手が話している時は自分はしゃべらず最後まで聴く、みたいな。

なぞ:それも良いことです! そして今日はそこから一歩進んで「相手が嬉しくなる」「相手がもっと話したくなる」話の聴き方を伝授しますよ。

スライド2

なぞ:単に相手が発している言葉を耳に入れるだけでなく、相手が話している事実、そしてそこに含まれる感情までも、自ら積極的に理解しにいく聴き方を「アクティブ・リスニング」っていうんですよ。

アオイ:なるほど、受け身じゃなくて能動的にって感じだね。

なぞ:そうそう。それによって相手に共感と理解を示すことができ、相手には「この人は私のことをわかってくれている」と感じてもらえます。

アオイ:たしかに、自分の話に共感してくれたり、自分のことをよく理解してくれる人には、たくさん話したくなっちゃうもんね。

なぞ:そうですよね。特に相談を受けるようなときは、少しでも深く相手のことを理解できたほうが的確な答えを言えます。そうすれば相手もアオイさんもハッピー。そしてアオイさんのところにはますますたくさんの相談事や情報が舞い込むことになって、さらなる仕事の充実につながりますよ。

アオイ:人の話って貴重な情報源だものね。いろんな人の考えを知れば知るほど自分の勉強にもなるし。……でもさ、そのアクティブ・リスニングっていうの、具体的にはどうすればいいの? 

なぞ:はい、それではアクティブ・リスニングの具体的なやり方3つを説明しますね。

スライド3

なぞ:一つ目は簡単なものから。アオイさんも普段からしている「あいづち」です。特に意識していないかもしれませんが、効果的に使えば、相手がたくさん話したくなるように促すことができますよ。

ポイントは、いろんなあいづちをバリエーション豊かに使い、話の内容に合わせて声のトーンで表情をつけることです。

アオイ:たしかに、嬉しかったことを友だちに話したときに、友だちも嬉しそうに「へえ~!」「それでそれで??」って聴いてくれたらもっと話したくなったもんなあ。

なぞ:そういうことです。逆に、同じあいづちを繰り返して単調になったり、相手の話にカブリすぎたりすると、相手の話したい気持ちがしぼんでしまうので気をつけましょう。

スライド4

なぞ:二つ目は「オウム返し」。相手が言った言葉を繰り返して言うことで「聴いていますよ」「理解していますよ」という姿勢を見せる方法です。

アオイ:え、繰り返されるって、ちょっとウザくない……?

なぞ:はい、言ったことすべてをリピートしたり、多用しすぎたりすると、ウザいですよね(笑)。なので大事なのは、相手の話の中からポイントになる部分をピックアップして言うことです。

例えば、相手が「ずっと前から好きだったアイドルのコンサートに、当選したんですよ!」と言ったとします。この一文の中で、もっとも重要な言葉は?

アオイ:ん、「当選した」ってことだよね。

なぞ:そうです。なので、オウム返しするとしたら「当選したんですね!」ということになります。

アオイ:なるほど、それならウザくないし、気持ちを理解している感じもするね。

スライド5

なぞ:三つめは「感情フィードバック」。今度は相手の言葉ではなくて、相手の気持ちをこちらが代弁してあげる手法です。

アオイ:代弁って、なんか難しそう。

なぞ:意外とそうでもないんですよ。例えば、さっきの「ずっと前から好きだったアイドルのコンサートに、当選したんですよ!」であれば「それは嬉しいですね!」とか「楽しみですね!」と返す感じです。

アオイ:なるほど。「大変そうだね」とか「良かったね」とかだったら、普段から言っているなあ。そういうのを意識的に伝えればいいんだね。それならできそうかも。

なぞ:では、ひとつ例題をやってみましょう。「飼っているネコの体調が悪いみたいなんです」と言われた時、感情フィードバックするとしたら?

アオイ:うーん、「心配ですね」かな?

なぞ:そういうことです! アオイさんが人と話をしていて相手の気持ちを感じ取った時、それを素直に言葉で返すだけでいいんですよ。

アオイ:わかった! 今まで相手の話を聴いてさえいればいいと思っていたけれど、今度からは意識してアクションするようにしてみるね。あ、後輩と話す約束の時間だ。なぞ、ありがとう。またね! ポワワワ!

なぞ:「ポワワワ」は私の専売特許(?)なのだが。

――というわけで、北村朱里のマガジン「明日の仕事が楽しみになる ことばコミュニケーションのタネ」今回はここまで。次回12月12日更新のテーマは「ヒアリング・質問の仕方」です。お楽しみに!

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