のらねこ日記 ㊲
ひとりっ子のポン太
親兄弟が亡くなり、ポン太さんはひとりっ子になりました。
15才過ぎの、おっさんですが、相変わらずのビビりで、大きい物音がすると、びょん!と飛び上がって逃げるし、そのふっとい体に似合わないかわいらしい声もそのままでした。
ただ、遊び相手のミミコがいなくなったので、家族に対して『遊んで!』欲求が強くなりました。
男子なので、その遊び方は、激し目の
ストロングスタイルで、でっかい両手で、私たちの手首をガッチリ押さえて、手に食いつくというものでした。若い頃は、夢中になると加減がわからなくなり、うっかりすると、こちらの手が傷だらけになってしまいました。これでは女子に嫌がられるのは、当たり前です。
しかし、晩年になると、歯槽膿漏で牙が全部抜けてしまい、歯茎ではむはむするだけになったので、痛くはないですが、なんかちょっと感触がキモチ悪いのと、噛まれたあとが生臭いのがイヤでした。
私が台所に立っていると、ポン太さんは、横に座って左手でちょいちょいと私の足にちょっかいをだします。それを無視していると、顔を横にして私の足首のアキレス腱にパックリと食いつくのでした。
ポン太さんは、キレイ好きで、父にトイレ掃除を何度も申しつけていました。 他の子たちがいた時、猫トイレの 前でじっと動かないポン太さんの姿を見て、『他の子がやったあとは、嫌なのかな?』と、父が掃除をしてあげてから、用を足していたポン太さんでしたが、どうやら、自分のでも、片付いていないと嫌だったらしく、父が朝イチでトイレ掃除をすると、その後すかさず用を足し、次に入りたい時には、トイレ前に佇んで、時折、父の方を見て圧をかけていました。 なので、猫さんの数が減っても、父の手間は、あまり変わっていないようでした。
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