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のらねこ日記 ㊳

ポン太の食卓

  うちの母は、花が好きで、長持ちするからと、切り花ではなく、やたら植木鉢で買ってきては、枯らしていました。なので、うちには、植木鉢やその下に敷くプラスチックトレイがたくさんあって、父はそのトレイを猫さんたちのお皿として使っていました。
  ポン太さんは、お腹がすくと、そのお皿の縁を片手で押して、器用にパタンパタンさせていました。

ごはんまだですか?

  基本、猫は嚙まずに丸飲みなので、歯がなくても、カリカリ(ドライフード)を食べていたポン太さんですが、よく吐き戻しもしていました。よくあるパターンは、空腹のあまり勢いよく食べ過ぎて、ウッとのどにつまって、ゲロッとお戻しになります。
それも、柄物の玄関マットの上でやっていたりすると、気がつかないで出勤前の私が踏むという悲劇がよく起こりました。朝は時間がないのに最悪です。
  晩年は、カリカリだけだと食べが悪いからと、猫缶やパウチのフードを与えるようになると、さらにわがまま坊っちゃんになり、気に入らないと、カリカリの入ったら皿をパタンパタンして、カリカリをそこいらにぶちまけるのでした。
『こんなメシが食えるかー!』と、
まるで昭和親父のちゃぶ台返しです。
  ちゃぶ台返しといえば、以前両親が外泊、私が夜勤で、ポン太さんひとりでお留守番の時、2食分セットしてタイマーでそれぞれ時間差でふたが開く餌入れを買って、晩ごはんと翌日の朝ごはんを仕込んでいったのですが、翌日帰宅すると、餌入れは、ひっくり返されていました。ふたが開く前に、力ずくで餌を取ろうとして、本体ごとひっくり返してしまい、結果、絶食になってしまったようでした。
  試しに、CMでお馴染みのおやつを与えてみましたが、ビビりのポン太さんは、初めてのおやつに警戒してしまい、CMのニャンコちゃんたちのように直接手からは食べてくれず、仕方がないので、お皿にしぼってあげたら、洗ったようにキレイに食べてくれました。
  それ以来、おやつが大好きになり、おやつを見せるとよってくるようになりましたが、やっぱりなかなか直には、食べてくれませんでした。

余は満足じゃ





  


   

  

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