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【読書】「教師の勝算」経験と練習の違い

今年の半ばごろに「教師の勝算―勉強嫌いを好きにする9の法則」という本を読みました。
教え方や授業のやり方に関してなるほど、と思うことがたくさん書かれていて、色々と勉強になりました。

その中でも特に「経験と練習の違い」についての話が印象に残っています。
人は時間をかけて経験を積めば、嫌いなことや苦手なことでもある程度スキルが身に付くと思いがちです。
しかし、実際には経験だけを重ねても、それだけでスキルが身に付くというのはあまりないのだそうです。
きちんとスキルを身に付けるには、意識して「練習」を行う必要があるのだそうです。

この本の中で例としてあげていたのが車の運転の例です。
自動車免許を取得するときには、まず教習所で運転の練習をします。
この時は誰もが初心者で、意識的に運転がうまくなるように練習をします。
しかし、一度免許を取得してしまうと、その後は意識して練習することは少なくなるでしょう。
車や運転が好きな人は、運転の経験を積んでいるだけでもうまくなるかもしれません。
しかし、運転にあまり興味がない人は、免許を取得した後、たとえ毎日運転をしているとしても、それほどうまくはなりません。

実際私もその事例に当てはまります。
現在は職場まで車で通勤しているので、ほぼ毎日車の運転をしています。
しかし、元々運転はあまり好きではありません。
免許を取得してからは10年以上たちますが、それほ運転がうまいとは言えません。
むしろ下手な方に分類されると思います。

私自身が本で紹介されていた事例にぴったり当てはまったので、
この「経験と練習の違い」についてはすごくしっくりきました。

これは学校教育についても当てはまることだと思います。
日本では小学校と中学校を合わせて、義務教育の期間が9年間あります。
高校も合わせれば12年間あります。
その中で様々な科目を勉強していきますが、高校までの学校教育を終えた段階で、
学校の勉強の内容がほとんど身に付いている、という人はごく少数だと思います。

例えば、中学と高校で英語の授業があったとすると、ほとんどの人は6年間英語を勉強していることになります。
しかし、高校を卒業した後に日常生活で困らないレベルで英語が使える人はごく一部です。
つまり、時間をかけて経験を積んでも、身に付かないものは身に付きません。
私自身、英語はあまり得意ではなく、学生時代にもっとまじめに勉強しておけば、と後悔しています。
自分が好きなことであればやればやるだけ身に付いていくというはあるかと思います。
ですが、好きでないこと、得意でないこと、に関しては、意図的に身に付くための「練習」が必要となります。

色んな人にプログラミングを教えていると、中にはITに関することやプログラミングに関することにあまり興味がない人もいます。
そういう人は、時間をかけてずっと取り組んでいればいずれは身に付く、と思っている人が多いように思います。
しかし、この理論でいうなら、どれだけ時間をかけても、スキルを身に付けるために「練習」しているという自覚がなければなかなか身に付かないです。

経験と練習の違いというのは、内容を読むと確かにその通りだと納得しましたが、私にとっては大きな発見でした。
人に教える際にこの違いを意識していきたいと思いました。


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