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情報収集で答えを求めてはいけない

就活を控えた大学生向けの講座をしていて思ったこと。
情報収集で答えを求めてはいけない。

今、IT業界に就職したい人、あるいはIT業界の仕事や知識を知りたい人向けに講義をしています。
みんな自分なりに就活に向けて情報収集をしているようですが、話を聞いていると割とデタラメな情報を持っている人も多いなと思った。

「IT業界で働くのは学び続けないといけないから茨の道と聞いた」とか
「Pythonは数学の専門知識がないとできないから難しいと聞いた」とか。
私の見解だとどっちもデタラメ情報で、どこから(誰から)の情報?
と思うような話がちらほら。
IT業界が学び続けなければいけないというのはあながち間違いではないけれど、そもそもどんな業界であろうと学ばない人は淘汰されていくし、新しい事を学ぶのが好きな人は勉強なんて遊びと同じなので、学び続けることは茨でもなんでもない。
それから、数学の専門知識が必要になるのはAI関連のプログラミングをする場合などです。確かにPythonはAI関連のプログラミングでよく使用される言語ですが、それ以外の分野でも使われているし、なんならプログラミング言語の中では比較的学びやすく、どちらかといえば簡単な部類に入る言語です(個人の主観もありますが)。

こういったデタラメの情報を根拠もなく言い切る形で発信してしまうのもどうかとは思いますが、情報収集する側も、情報収集のリテラシーを高める必要があるのだろうなと思います。

冒頭にも書きましたが、情報収集する時には答えを求めないという前提を持つことが最も大事だと思います。

知らない言葉の意味を調べる、など、語彙力を増やす意味合いでの情報収集なら、もちろん答えを探す調べ方で良いと思いますが、
例えば、「何がで簡単、何が難しい」「こうすればうまくいく、うまくいかない」「何を身につければ有利か」など、抽象的な問い。
このような問いは回答者の主観によって答えが変わってきます。
なので、情報収集者はこういった問いの回答を得たとしても、話半分で聞いて、あくまでも参考程度にした方が良いです。
私も、質問されたら自分の経験を元にアドバイスはしますが、それもある程度バイアスがかかっていると思います。
回答者の経歴や雰囲気からその人がどれくらい信頼できるかを判断して、最終的には自分で考えて答えを導き出すしかないでしょう。

これは人から話を聞く場合でもネットで調べる場合でも同じ。
どちらも、基本的に自分の経験談を元に主観で話をしている場合がほとんどなので、全てを鵜呑みにはせず、最終的には自己判断が必要です。
人から直接話を聞く場合でも、その人の話が信頼度の低いネット情報を参考にしている場合もありますし、逆にネットの情報も、発信者は他人から聞いた適当な情報を発信しているだけの可能性もあります。
なので答えを求めて情報を鵜呑みにするのはダメです。

特に、就職・転職など、その人のキャリアに関することは、答えがない問いの最たるものでしょう。
何が起きるかわからない今の世の中、どの業界で働くのがベストなのか、そんなものは誰にもわからない。
どの会社に働けば良いかも誰にもわからない。
就職は、個人と会社の相性だったりするので、どの会社が良くてどの会社が悪いかは個人の主観によるところが大きい。
どうすれば採用されるか、も誰にもわからない。
それこそ会社と個人の相性だし、採用担当者が何を重視して人を選ぶかも人によって異なる。
だから採用されるために何をすべきか、その明確な答えもない。
もちろん、印象を良く見せるための最低限の方法論はあるだろうけれど、自分の魅力は自分で見つけてアピールするしかない。
答えがない問いに対して、答えを求める情報収集は無意味。

それでも答えを求めてしまうのは、先が見えていないことに対する不安の現れなのかもしれません。
こうすれば絶対に大丈夫!という明確な答えばあれば、それは大きな安心材料になります。
でも、結局のところ、情報収集というのは自分の道を決めるためのヒント集めにしかなり得ないです。
周りから反対されても、自分の意思で起業して成功する人もいる。
周りから反対されても、転職して幸せになる人もいる。
つまり、自分以外の人間は答えなど持っていないということ。

信頼できる人に相談してヒントを得たり、背中を後押ししてもらうことはすごく大事だと思います。
でも、答えを求める情報収集は意味がない。
自分で考え、自分なりの答えを導き出すことが何より大切です。

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