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コミュニケーションデザインを通して、「タクシーアプリGOの実機デモパネル」を作った

この記事は、Mobility Technologies Advent Calendar 8日目の記事です。

はじめまして、
株式会社Mobility Technologies(MoT)デザイン部の五十川です。
2022年9月よりMoTでコミュニケーションデザイナーとして仕事をしています。
 
コミュニケーションデザインというと、一体何をデザインするのかピンとこない方もいらっしゃるかもしれませんが、
その言葉の通り、「コミュニケーション」をデザインするというもので、デザインと言いつつも「設計する」というニュアンスが近いかもしれません。

今回、2022年10月に開催されたDroidKaigiに、MoTがプラチナスポンサーとして協賛させていただき、また同イベントにブースを出展いたしました。
そのブースの目玉となる、「タクシーアプリGOの実機デモパネル」の制作秘話をコミュニケーションデザインの内容を交えながらお話しします。

はじめに

冒頭に書いた通り、私は9月にMoTへ入社したのですが、入社してすぐエンジニアチームからこのお話をいただきました。
DroidKaigi出展が10月5日からだったので、企画から制作までの期間はわずか1ヶ月くらいだったのですが、入社早々で早く実績を出したい気持ちで意気込んでいることもあり(笑)快諾しました。

そしてプロジェクトがスタートし、エンジニアの皆様へのご挨拶も兼ねて打ち合わせに参加させていただきながら、まずは「情報をキャッチアップし、整理をする」という作業を繰り返していきました。

情報整理をすることで、「面」をデザインする

情報整理を行うことで、プロジェクトを進める上で重要なポイントとして、下記2つの側面があることに気づくことができました。

  • 実機デモパネルそのものをつくる上での課題(「点」で見た課題)

  • 魅力的な出展ブースつくるという観点での課題(「面」で見た課題)

特に、制作物それぞれの「達成すべき」目的や役割を理解する上で、プロジェクトを俯瞰で見ながら「面」として捉えることは非常に重要であると考えています。
この「面」をデザインすること、これこそがコミュニケーションデザインであると思います。

面をデザインする

こういった考え方に頭をシフトすることで、実機デモパネル以外の制作物についても役割が明確になり、企画や構成、デザインが大きく変わるとともにそれぞれが連動してきます。

例えば、フライヤーについて、
当初は、「当日のMoTエンジニアの登壇情報」と「MoTテックブログ」の情報だけを載せる予定で進めていました。
けれども、よくよく話を掘り下げていくと、
どうやらフライヤーは「DroidKaigiに来たお客さまに入口で配られるみたい」であれば、「実機デモパネルの内容を入れることで、お客さまにブースへ足を運んでもらおう」というブースの紹介だったり、
「帰った後も実機の仕組みを知ってもらおう」というMoTの技術の紹介だったり、
そんな感じで、どんどんとストーリーを拡げていくことができました。

二つ折りフライヤー 外面
二つ折りフライヤー 中面

意外と難易度が高かった「点」の課題

ここまで「面」をデザインすることの重要性をお話ししましたが、
その一方で、もともとの依頼である「実機デモパネル」自体もきちんと「点」の課題を解決して、機能するものとして作らなければなりません。
パネル制作を進める上で、下記2点が大きな課題として立ちはだかりました。

  • パネルが実機の重さに耐えられること、強度を担保すること

  • 今回の展示会以降も使用できるように、軽くて持ち運びやすい仕様にすること

特に実機の重さは想定外で、機器によっては実際に持ってみると意外と重かったり。。こうして「スチレンで2-3日で行けるかな」という私の浅はかな考えは見事に打ち砕かれました。

ただ、長年の経験則から、条件が難しく追い込まれた時ほど「いいアイデア」や「オリジナルなもの」が生まれるという、
根拠のない自信みたいなのはあったので、その辺りからむしろスイッチが入ったような気がします。笑

たどり着いた素材「リボード」

私は長らくグラフィックデザインに携わっていた時代があり、紙のことは結構わかるのですが、重さに耐えられるとか軽いとかなどの、立体物の素材については流石にわからないこともあり、、
建築やインテリア領域でバリバリ活躍している知人に、藁にもすがる思いで電話をしたのでした。

「あのーもしもし、カクカクしかじかでね、、カクカクしかじか、、」
「あ、それならリボードだね」oh、、一瞬、、(神)
そうです、教えてもらったのが、「リボード」というやつです。
Google先生に聞いたやつをそのまま引用すると
「リボードは、頑丈なのに軽い、表面は平滑で発色も良く綺麗な印刷が可能で、加工しやすい、紙100%なので環境にやさしいエコ資材」だそうです。
なんだそりゃあああああああ、これで全部解決じゃないかohhhhh、、、(神)

リボードの断面

そんなこんなで、「リボード」という最強の武器を手に入れた勇者ISOGAWAは、意気揚々と東京リスマチックさんに制作のご協力を依頼し、
その後、エンジニアチームの多大なるご協力も賜り、サンプルによる入念なリハーサルを重ねて、ついに「タクシーアプリGOの実機デモパネル」を完成させました。
(東京リスマチックさんと言えども、実際に機械を取り付けてみないと上手くいくかどうかわからない、のでリハは必須!ということでした。→そりゃそうですよね 汗)

完成した実機デモパネル
(持ち運びやすさを考慮して2分割にしました)
実機をつけてリハをすることで、配線用の穴などディテールの美しさにもこだわりました
エッジの仕上げも美しく!

最後に

今回は「タクシーアプリGOの実機デモパネル」の制作秘話についてお話しさせていただきましたが、
コミュニケーションデザインの基本的な考え方として、思考を1段2段上げるということが非常に重要であると考えており、それを上手く実践し結果に繋げられた良い事例だと思います。

また、この考え方は、デザインに限らないと思っていまして、
日頃からそういう頭脳を持つことで、より説得性のある企画、提案やアウトプットに繋がるのではないでしょうか。
そういう意味では、コミュニケーションデザインを制するものはプロジェクトを制すと言っても過言ではないかもしれませんね!
ぜひデザイナーの方もそうでない方も試してみてください。

とか偉そうに言ってみましたが(笑汗)エンジニアチーム、東京リスマチックさんのご協力がなければ絶対に完成できなかった、、
この場を借りてお礼を言わせてください。
本当にありがとうございました!!

では!


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