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【パネリスト募集】冷戦再考ワークショップ:アジアにおける草の根の経験(2021年7月29-30日)

初めに

本業の話なんですが、2年ほど前から私はシンガポール国立大学の冷戦再考プロジェクトで、ワークショップを企画・運営しています。今年の7月29-30日には、4回目になるワークショップを開催します。

先に結論を言うならば、お近くに冷戦時代を生きた方々のインタビューを集めている院生や研究者やジャーナリストがいたら、お伝え頂けると感謝です。国籍も性別も問いませんし、優秀な学部生で1人か2人採用された子もいます。私達のプロジェクトでは、インタビューをNUSのアーカイブズに提供してくださった方に、研究費(日本人にとってはバイト代くらいのものかもしれませんが)も出しています。

このための応募要項(英語版)を作って公開しました。こちらです。

PDF版はこちら↓

応募される方は英語版が正式な要項なのでしっかり読んで頂きたいのですが、概要を訳すならば以下のようになります。

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ワークショップ要項

このプロジェクトには2つ大きな目的があります。

ひとつは、アジアにおける冷戦と脱植民地化についての大規模なオンラインアーカイブズを作ることです。そのために、研究協力者を採用したり、ワークショップを開いたりしています。

2つ目は、ワークショップで発表された論文を基に編著を出版することです。これは暫定的にReconceptualizing the Cold War: On-the-ground Experience in Asiaとしています。もうすぐ出版交渉が始まるのですが、欧米の大手からの出版を狙っています。(かなり多数の出版社から問い合わせが来ているので、いけると思ってます。)

拙著の初回と第二回目のワークショップの報告書はここからアクセス出来ます→ https://issforum.org/reports/PDF/CR-2019-1.pdf 

これらの活動により、かの時代を通して、本当の、あるいは想像された戦争を生きた「普通の人々」の感情の構造、当時の願望、恐れがどのようなものだったか理解しようとしています。アジア史、下層からの歴史、オーラルヒストリーの方法論を取り入れることによって、私達は、「冷戦」という枠組みの下でぼやかされてきた多種多様なローカルな闘争、社会的対立関係、文化戦争、ジェンダー、民族、ポスト植民地時代的な緊張関係に着目しています。究極的には、私達は、「超大国を中心とする単一な国際紛争」という旧来の冷戦観を揺るがし、「冷戦」という観念自体を問い直し、再考することを目指しています。

中心となる問いは、以下のようなものです。

1.普通の人々はどのような「冷戦」を経験し、あるいは冷戦という枠組みを自分たちのローカルな利益追求に利用したのだろうか。

2.どのような歴史的背景(第二次大戦や植民地主義など)や現地の状況などが「冷戦」という世界観の形成と維持に貢献していたのだろうか。

3.オーラルヒストリーの利用や、普通の人々の日常への着目は、どのように旧来の「冷戦」観をゆるがすことができるだろうか。

4.(普通の人々にとっての)冷戦とはいかなるものだったのだろうか。そして、それはどのように再度概念化されるべきだろうか。

今年のワークショップは7月29-30日を予定しています。基本的にシンガポール国立大で集まって開催したいのですが、パンデミックの状況によってオンライン開催になります。研究者、院生、その他実際にオーラルヒストリーの手法で調査を行っている人々は特にウェルカムです。調査地は、アジア域内のどこかでお願いします。

参加者は、少なくともインタビューの一部をシンガポール国立大のオンラインアーカイブズに貢献してください。そして、基本的には編著にチャプターひとつ分貢献して欲しいです。

ワークショップにパネリストとして参加される意思がある方は、2月28日までに英語版の要項にプロジェクトと私のメールアドレスが載ってるので、そちらにCVとアブストラクト(英語で)送ってください

研究協力者

ワークショップの他に現在研究協力者も募集しています。そちらは同僚のChien Wen Kung博士が採用担当しています。要項はこちら

CV、プロポーザル、予算を提出してください。研究協力者の方は締め切りが今月末なので注意してください。


以上です。

土屋きしょう



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