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太陽が赤い、トラは黄色、虹は7色...なのは日本人だけ?!言語によって違う色彩表現

こんにちは、副業愛好家のまきです

前回は日本語の面白い由来について取り上げました

今回から、世界の言語文化について、自分が好きな面白い部分だけを抜き出して記事にしたいと思います

初回は「色」!

実は私はカラーコーディネーター3級を持っていて、大学時代には色についての論文を書くなど、色には一家言あります

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太陽と月の色

突然ですが、太陽と月、それぞれ色鉛筆で描くとしたら何色で描きますか?

多くの日本人が「太陽=赤、月=黄色」で描くと思います

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しかし、実はこれは日本語文化圏の捉え方で、英語・フランス語・ドイツ語・イタリア語などでは「太陽=黄色、月=白」で描くのが一般的なのです

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そのため、日本語では慣用的な表現として「真っ赤な太陽」と言うことがあるかと思いますが、英語では「the yellow sun」とするのが一般的です

これを「the red sun」とすると、不気味な印象として捉えられます

ちなみに、日本は国旗が赤い太陽ですが、他にもバングラディシュやマラウイも赤い太陽ですので、同じ文化と言えますね

・バングラディシュ(南アジア)の国旗

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・マラウイ(アフリカ)の国旗

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逆に黄色い太陽の国旗を掲げる国には、アルゼンチン、ウルグアイ、フィリピン、ナミビアなどがあり、これらにはEUの影響が入っています

・アルゼンチン(南アメリカ)の国旗

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・ウルグアイ(南アメリカ)の国旗

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・フィリピン(東南アジア)の国旗

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・ナミビア(アフリカ)の国旗

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『読むクスリ 6』(上前淳一郎)という本では、面白い話が出てきます

日本の日魯漁業(現マルハニチロ)がアラブ諸国で缶詰を売り始めた際、売れ行きが芳しくなかったとのこと

原因を調査した結果、「アラブ人は太陽の絵が嫌い。酷暑と乾燥をもたらす忌むべき存在」ということがわかり、パッケージを変えたところ売れ行きが伸びたと言うのです

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ここに描かれているのも「赤い太陽」なので、「太陽が描かれていること」の他に「太陽が赤色で表現されていること」も原因だったのでしょうね

茶封筒は黄色

日本で一般的に使う茶封筒、ありますよね

茶封筒と言うだけあって、日本人はこれを「茶色」と認識しているわけですが、フランスでは同種の封筒のことを「une enveloppe jaune」(黄色い封筒)と言います

同じように、明るい茶色の革靴も、フランス語では「黄色」と表現するようです

日本語では「茶色」の範囲が広く、フランス語では「jaune」(黄色)の範囲が広いため、このようになります

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茶トラ猫がオレンジ

茶封筒と同じような例は他にもあります

日本でもよく見かける茶トラ猫

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英語ではこのような色の猫のことを「an orange cat」(オレンジの猫)と言うのです

これも、日本語の「茶色」、英語の「orange」の範囲がそれぞれ広いためですね

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まあ「褐色」なのですが..

トラは黄色?

猫よりも更にはっきりした例もあります

トラです

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トラの色は、日本では圧倒的に「黄色」だと思います

しまじろうも...

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阪神も...

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しかし、英語圏では「オレンジ」と捉えるんですね

くまのプーさんのティガーがこちら

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日本語の「黄色」の範囲が広く、英語の「オレンジ」の範囲が広いためですね

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おやおや、こちらのトラは...?

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う〜ん...

甲「こないだウチのオカンがなぁ、色の名前が思い出せんてゆうてなぁ」
乙「ほな、俺が何色か当てたるわ。その色について何か言うてなかった?」
甲「オカンが言うにはなぁ、茶封筒の色言うとんねん」
乙「そりゃもうわかるやないか。茶色や」
甲「でもな、オカンが言うにはな、みかんと同じ色言うとんねん」
乙「そしたら茶色と違うか。それオレンジやないか」
甲「オレンジと思うやないか。ほんならな、オカンが言うには猫と同じっちゅうねん」
乙「そしたらオレンジと違うやないか。やっぱり茶色やないか」
甲「でもな、ウチのオカンが言うには、しまじろうと同じやて言うんや」
乙「ほんなら、それは黄色や。それしかありえへんて」
コーンフロスティのトラ「それは僕の色さ!!!」

みたいな...

ミルクボーイの連想ネタとアンジャッシュのすれ違いネタを混ぜることもできちゃいますね

ちなみに、コーンフロスティのトラは「トニー・ザ・タイガー」というカッコイイ名前が付いているらしいです

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