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論理的になればなるほど、創造性は失われる

タイトルはレイモンドチャンドラーの作品から引用させていただきました。レイモンドチャンドラーの作品は年末に必ず再読する書籍で、毎年これを読んでようやく年末を迎えたなという気分にさせます。

さてこの論理性と創造性について、僕の中で大きな命題となって常に自身を問います。もともと論理的な思考が強く、創造性を苦手としている部分があり、それは個人としてストレングスファインダーが「原点思考」「回復思考」に振り切っている点や、そもそもとして歴史を好みに過去を学び、そこから何かを汲み取り、今と未来に生かす思考性が僕の基本をなしている。そのため、創造性を得意としていないという自己認識からあまり得手していないという状況がありました。

ただし、今年は仕事としても新しい何かを生み出す(もちろん完全な0→1じゃない部分も含め。というか0→1の定義とは)ことが増え、自身の思考の中でうまく論理性と創造性を飼い慣らしていくかという部分を意識した一年でもありました。

基本的に創造性と論理性は相反しているように感じる人もいるかもしれませんが、僕はそう思いません。特にビジネスにおいて、何かを為したいとき、創造性だけではサービスは継続していかないし、組織も安定化していかない。論理性だけを突き詰めれば、説得性に富んだサービスかもしれないが何か心惹かれるものはない。大切なのは創造性と論理性を並行して考えるべきだということ。

特に今年一年は、マネージャーとしての役割、1事業の立ち上げとしての役割、チームを組成しマネジメントし、循環・成長を促した1年、属人化されていた組織をいかにほぐしていくかという1年、新規事業に参画し、0→1を経験した一年。

こんなふうに色々な顔と役割と行動した一年だった。ということで振り返りをしようと思う。

新しいサービスの立ち上げの経験

2020年の10月くらいから目処に当時自分が所属していた受託サービスを展開している部署では、大きな課題を抱えていました。それは「何でもできるがゆえのコアバリューの不足」「MRRの安定化と構造化」の二つです。一つ目は特化型の受託サービスではなく、あくまでもどんな業務でも請け負いますという形での受託サービスである限り致し方ない部分でした。例えば〇〇に特化したクリエイターを社内でチーム組成しているので一気通貫型、ハイスキルな対応ができるというわけではなく、あくまでも先方の要望に沿った適切なクリエイターを自社のPFから調達してチーム組成・運用しますというモデルなので、マーケとしては訴求しずらい、セールスとしては売るのが難しいという課題が長らくありました。

また、ビジネスモデル上いかに期待値調整を行い、適切なチームを組成し、運用し、日々改善してディレクションするという座組みのためセールスとディレクター(ここでいうセールスは案件の獲得を担当し、ディレクターは案件獲得後の運用・納品・検収までを対応)の連携が肝であり、LTVを伸ばすためにディレクターが先方の期待通りか、それ以上のコミニュケーションとクオリティーを提供できるかが需要でした。ただしこれが非常に属人化される部分で、商材が無形であるが故に都度セールスとディレクターで、案件ごとのコミニュケーションは言語の統一が難しかったり、知識レベル・現場力に応じて噛み合わなかったりすることが多くありました。

そこに対して現場の中間管理職と部門長はコミニュケーションの不一致をなくすためのリレーションの構築や、勉強会などで対策を進めていたきましたが、それも一定の成果は出しつつも、原因治療にはなりませんでした。また、特に訴求しずらさから、案件獲得に苦労したというのも事実があり、リードが少ないためにセールスは少しばかり無茶でも必死に案件を獲得しにいく→その案件の獲得に対して難儀を示すディレクターという構図が生まれやすくなり、より組織構造としての危うさを露見させました。

そういうこともあり、これまで僕らがやっていかないような形での新規サービスをやる決断を部として決めて、なぜか僕が担当していました

僕が担当するに至る背景については色々あったような気がしましたが個人的には1年前からやるべきだと思っていた部分ではあったので自身のリソースを無視してでもやると決断しました。

サービスの基礎設計を2週間ほどで構築し、財務・法務関連の調整を同時並行で進め、1ヶ月かからない期間でクローズドでサービスをリリースした。そこから最初の案件獲得までに多分1〜2週間ほどだった気がします。

サービスモデルが定額の特化型サービスということもあり、セールスは売りやすく、市場としてもまだまだ開拓余地のあるジャンルだったため、初速は良かったと記憶してます。そのため、専属チームを組成し、しっかりとPDCAを回していくフェーズへと移行させ、そのタイミングでマーケから一人、インサイドセールスチームから一人、セールスから一人、ディレクターから一人ずつ兼任という形でアサインしました。そのとき個人的に印象的だったのが、この場合これまでは自分がプレイヤー(ディレクター・カスタマーサクセス)として並走することが多かったのですが、今回は専任をアサインし、僕は現場には出ないことを前提としてチームを組成した点です。これは後述するプレイングマネージャーからマネージャーへの転換の最初の一歩だったように思います。

チームで動くということ、全体が成長していくことの喜び

赤と黒のランニングダイナミックスポーティジャパンスポーツインストグラムポスト

チームで新規サービスを運用していく上で意識したことが三つあります。

1、MK~CS一気通貫で役割ごとのKPIは意識させつつも目指すべき目標の統一化(あくまでも目先のKPIを追わないこと)

2、定例会議での事前議事録記載の徹底とレビュー、ファシリテーションを機能させる

3、成長を促すための悪への徹し方と、課題に対して前向きに泥臭く向き合う

4、チームを鼓舞させる、リーダーとしての仮面を被ること

まず、一つ目の目標の統一化なのですが、これは個人として特に意識していた部分ではあります。もちろんチームとしては必要なKGIとKPIの設計はしていて、それをちゃんと運用しましょうね、ということはこれまでもしっかりとやってきたのですが、今回は新規サービスということもあり、自分の役割じゃない人たちの領域までみんな足を突っ込み、思考し、考え、意思決定していくことを意識させるようにメンバーに伝え、配慮してきました。特に僕の所属している部署は、基本的に役職ごとの役割がしっかりしていて、密にコミニュケーションをとるメンバーについては多少なりの業務理解・目標理解はあるが、そうじゃない人たちがどのように思考をしていて、どんな決断をしているかわからないことが多い。例えばマーケの人はインサイドセールスと接する機会があるが、セールスやカスタマーサクセスとは意図的に話す機会がないと何をしているか細かい部分がわからないことが多い。全体MTGなどで状況を知ることはあるが、そういうときは大体数字の確認だけで、あまり中身がわからない(イシューやそれに対してどのようにアクションしているかなど)ことが多いと思います。

特に当時アサインしたメンバーはきっちりと自分達の仕事をやるメンバーだが全体間(MK〜CS)を踏まえた上でコミニュケーションを取れたり、アクションしたりする思考はまだなかった。なので全体会議で細かい部分まで各部署の状況・課題・アクションを共有しするように心がけました。まずは全体の細かい課題と各自どのようなアクションをしていて、それが自身の業務範囲にどのくらいインパクトがあるのか理解すること。その先に共通認識が生まれ、適切な行動の選択肢が生まれてくる。ただしそれをやるとMTGの時間が肥大化する、無駄なMTGになる。それをどうしても避けたかったので、二つ目の理由を意識するように心がけました。

定例会議での議事録の事前記載とその徹底は当たり前のように見えて、実はコロナという状況によるテレワーク文化がより必要性をもたらせたと感じます。この議事録の運用というのが仕事のための仕事のように見えて実はすごく重要なのだとここはでは説明したい。

まずはメンバーレイヤーにとって事前に議事録記載はめんどくさい。ただし議事録記載によって言語化と自身の状況の可視化ができる点は、普段疎かになっている業務だがとても重要なことだと思います。これは個人として実感しずらいかもしれない。だけど人間は自分が思っている以上に頭の中での理解しているつもりが理解していないということが多い。わかっているが記載していると抜け漏れていたことだったり、記載する中で自分の中でぼんやりしていた課題が明確化されていたりなど。文字を書くことの恩恵を一身に受けるのが議事録だと自分は感じている。

そして何より大切なのが他のメンバーがどのような行動していたのか、何にたいして困っているのかそれによって周りがどのような影響を受けるのかを事前にテキストで確認できること、それによって当日質問したいこと・相談したいことを考える猶予があるということ。

会議中、一字一句もれなく聞いている人はいないだろう。ましては今の会議はオンラインが基本なので、会議中にSlackから連絡が来るとややそちらに集中力が削がれてしまう。また、その場で話をする内容に適切に、瞬時に質問し、確認するのも難しい場合がある。そういう無駄な行為を極力減らし有意義なMTGにするために議事録は必要なのだ。そしてそれを適切に運用するためには、管理者がしっかりとレビューを行い、適切にファシリテーションを行う必要がある。大切なのは議事録を作成して記載することではない。それを運営し、メンバーに無意識的に運用できるところまで刷り込ませることになによりの意味と価値を感じた期間だった。

三つ目と四つ目についてリーダー論に近いかもしれない。僕はこれについては「リーダーの仮面」を大いに参照にさせていただきました。

よく会社で仲のいいマネージャーとマネジメント論の話をするとき、大体お互いの方向性が別れており議論する瞬間があるが、その原因はこの書籍だと思う。

もし部下を持っていて、悩んでいることがある場合はぜひ読んでほしい一冊です。ただし少し納得できない部分もあるかなと思います。その時はその理由が感情的な部分なのか論理的な部分なのか内省するといい思います。

またマネジメントに明確な答えはないと思っています。あくまでも方法論の一つとして紹介しているに過ぎず、個人の考え方や、意思もあると思うので一つの考え方として参考していただければと思います。

この本を読んで自分が、「この場所があなたたちの成長になりうると確信していることを明言すること、その理由を伝えること」「失敗してもそれは新しい発見でしかないので、大いに失敗してください。それは学びです」と言い切ることを意識し、部下の悩みに対しては論理的に意見し、行動を促し、感情的に寄り添うことを意識しました。

その結果なのかはともかく、約半年ほどで組織は自発的に、能動的に行動するようになり、メンバー同士で課題と行動の議論を行うチームになっていきました。僕はその時に自分はこの組織にいなくても大丈夫だろうと確信して安心して任せる決断をすることができたのです。

プレイングマネージャーからマネージャーへ

僕の元上司からマネージャーになって半年後の振り返りの時に、フィードバックいただいた内容がある。

岸本くんはプレイヤーとしてトップだし、その形でマネジメントをやっているから前提としてプレイングしながらマネジメントをやっている。それが悪いわけではないけど、成長のためにはプレイングをやらないという意思決定が大事になってくる

昨年は悩みとして明確に僕の中にあった。当時プレイヤーとしては一定のスキルは持っている自負はあったし、だからこそマネージャーへとチャレンジさせていただいたのだが、やはり現場を知っている以上、そこに対して誇りもあり、任せるという行為に少しばかり怖さがあったのも事実あった。また、組織の目標を達成するために、プレイングをやらざる追えないという状況でもあった。組織として堅実ではないのだが、マネージャーでありながらも売り上げ数字はトップであり、誰よりも数字貢献のために必死でやっていた。その結果、本来やるべき中長期の施策や、現状の組織全体としての課題に100%のリソースでコミットできなかったこと、自身がそっちの方にリソースを割きたいと感じながらも、それができない状況にあったことに、かなり精神的に悩んでいたこともあった。

また、本来的に人の顔色を伺い、嫌われないように生きてきたタイプの人間だ。当時から10名くらいの部下のマネジメントをしていたが、マネジメントをする上でも、その人のためにどうするかというマインドで仕事を行う、その中で最大限の支援をするために自ら汗を流す。その結果、自信がより疲弊した時期もあった。

もちろんメンバーの成長を促すことを何より大事にしていた。だからこそ心理的安全性を担保させつつチャレンジさせる機会を多く作る努力はした。ただしそれは自分自身が心理的安全性を担保できる努力を行えるリソースを確保して初めてできる行為だ。昨年の自分はお世辞にもそのリソースを常に確保できていたわけではない。結果的に成長したメンバーも多くいたが、その分辛い思いをさせたメンバーも何名かいたのも事実あると反省している。

だからこそ、プレイングをやめるべきだと危機的に感じたタイミングで新規サービスを立ち上げ、チームを組成した。既存のサービスの部分はすぐすぐの移行は難しかったので、それはゆくゆくという形で行った。ただし明確にプレイングはやらないと決断し実行できたのは僕の中でも大きな前進だった。もちろん、外的要因(組織の変動は事業計画などなど)の影響も少なからずあるが、それは僕からしたら利用できるいい機会として捉えている。

大事なのは意思決定したという納得感が大事なのである。

正確には5月くらいを目処に完全にプレイングから卒業しマネジメントとそのほか二つの新規サービス立ち上げに注力できるようになったが、もちろんその結果の傷もあったように思う。お客さんのトラブルとなった部分も「おや?」と思う内容も多々あったし、もっとこうできたのになーと思うことも増えた。ただ大事なのはその余白があることによって組織として不足している部分=成長の機会があるということなのだ。そして自分は俯瞰してその視点が持てるようになる、明確に再発防止と本質的な課題解決に注力できるようになったのだ。

サービスを立ち上げるということ

4月から会社の期が変わり、新しい計画のもと事業が進む中で僕は、またもう一つのサービスをやることになった。これは自分の中でも多くの学びがあった。最初は自らメンバーとして参画し、1月から初めたサービスを4割のリソースで、5割を既存部署のマネジメントに、残りをそのほかたくさん走らせているプロジェクトの進捗管理・フォローに費やした。

ただし新しいサービスの立ち上げが難航していたということもあり、急遽僕が舵を取ることになった。というか、僕がやると上長と話、そうなった。このサービスというのはこれまで知見のないサービス座組み、商材になるため、市場の明確化、サービスの形、進め方など、やや難易度の高い事案だった(難易度が高いというより僕自身がまずは業務理解・市場理解などインプットが多いという意味での難易度)。実際にサービスを立ち上げる中で実感したこととして、何よりスピードを持って物事を進めていく引力と失敗を恐れず、行動してそこから何かを学び取ろうとする意志が大事なのだと感じた。自らの考えに固執しない、今日の正しいが明日の正しいにはつながらない、小さくてもいい、確実に前に進めること。新しいサービスをやる上で、何より大事なことだと今でも感じる。

立ち上げで重要なこととして、もう一つあげるとしたら「顧客が誰か」を明確化することだ。そこに一切の想像や個人のバイアスが入ってはいけない。あくまでもよりリアルで、現実感のある顧客であることが重要だ。そしてその顧客が何に迷っていて、僕らの提供するサービスが活用いただける未来が具体的に想像できるかが重要になってくる。

例えば、人材の確保が難しいと言っている顧客がいたとする。これは一般的にどの企業も同じ悩みを持っていると思うので、その悩みに寄り添うサービスが作れればPMF(プロダクトマーケットフィット)は間違いないだろう。ただし考えるべきはそこではない。考えるべきは人材の確保が難しいと言っている担当者は、なぜそう思っているのかに向き合うことなのだ。つまりどういうことかというと、人材の確保が難しいと思っている人がいて、具体的に話を聞いてみたところ、欲しい人材というのが提示できる金額感と要件があっていない。何でも高いレベルでできるスーパーマンを求めているといったそもそも人材の確保の明確化ができていないという要件定義的な部分もあれば、単純に時間がなく、採用したいがスカウトメッセを送ったり、探す時間がないというパターンもある。大事なのはまずはどっちに寄り添うかである。そしてよくないのはどっちも満たすサービスを作ること。なぜどっちもを満たすサービスで進めてはいけないのか。理由は二つある。一つはサービスの抽象度が上がるためにマーケ〜セールスコストがかかり現場を教育し、商材として売るのに一定時間がかかる。もう一つはシンプルにサービス設計に時間を要してしまい、そもそも要件を定めた内容(固めたサービス)が売れるかどうかの仮説検証をミニマムで回せなくなるという点だ。

新規サービスを作る上で、肝にして欲しいのが初期に構想したサービスの価値とは全く違う価値を現場では見出される点にある。構想は机上の世界でしかなく、答えは現場にしかない。そしてお客さんにお金を払ってもらい、サービスを活用してもらって初めて本当の価値・課題・ベネフィットが見えてくる。本来新規サービスする上で向き合うべきは、顧客に活用されて初めて顔に出す本当の課題と価値なのである。そこに到達するためにまず新規サービスで大切なのは最短でミニマムでサービスを作り、それをどのような形でもいいので売って、サービスを活用してもらい、フィードバックをもらう。

答えは机でもなく、自分の頭でもなく。現場にしかない。そして金銭のやり取りが発生して本当のイシューが浮かび上がってくる。だからこそ、新規サービスの立ち上げをする人は何よりも「顧客が誰なのか」を明確に向き合うこと。1000社のうち1社が好まれそうなサービスでもいい。ただし本当に大きな構想のもとにサービスを作るのであれば(SmartHRやメルカリなど)、少しやり方は違うかもしれないが。

ちなみに、少し脱線するが、新規サービスといっても僕の勤めている会社はそこをサポートする人員が整っているため、スピード感を持ってやれたという部分はあるかもしれない。本来考えるべき事業計画も、財務関連の細かい調整も、法務での対応も全て整っている段階でスタートできるからだ。それすらも一からやらないといけないスタートアップは本当に大変だなといつも感じている次第だ。そいう意味で今年の経験が本当に自信として価値となる期間だったと感じずにはいられない。

新規事業での新しいチャレンジ 

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今自分は、新規事業の部署に異動し、そこで新しいサービスを目下進めている。10月から始まり、3ヶ月ほど時間が経ち学ぶことは計り知れない。

それについてはまた来年にまとめて書ければと思っています。やはり全てを一から作るということ、これまでやってきたことのない領域での事業を始めること、それを通じて触れ合う多くの人々。全てが僕自身の経験になっているのを実感しています。

特に創造性というものに自分自身が引っ張られていっている感覚は、何より僕の中の思考・行動のなかになかった部分なので、とても面白いと感じます。新規事業を始める上で、まずがどのような夢を追うべきか、あるべき理想像、世界、興奮するようなサクセスストーリー。それらは僕があまり得意としない話、考えない思考ではある。何より僕は現実性を大事にする。夢を語るとき、それは現実的なのか、飛躍的ではないのか、地に足がついているかを大事にする。ただし上司とコミニュケーションを取る上でその論理性はいい意味で棚上げされ、まず語るべきはあるべき理想像だった。これは僕からするとびっくりする話ではあるし、ある意味身構えするような考え方なのだが、新規事業とはこういうことなのだといえば納得はできる。そして同時に、論理性は後付けが可能であり、その後付けの能力の高さが個人の力量に左右されるのだ。つまり理想は高い方がいい。理想と現実にギャップがある場合は、その分成長できる環境がある、余白があるという証である。

自分自身がそんな風にポジティブになれることに驚きが隠せない。

また、新規事業に携わる関係で、一旦はマネジメントから離れたことも個人としていい機会だと思っている。

マネジメントをやっていたときは、自分自身よりメンバーと組織など自分以外に脳内のキャパシティのほとんどが占有されていた。それは僕個人としては楽しいことだったし、学びも多かった。ただし、その分自信を内省する時間が不足していたような気がしている。

10月から少しだけ時間ができ、これまで他人のために思考していたリソースが全て自分自身の内省の時間に補填することができた。これまで自分が悩んでいたこと、ぼんやりとした思考などを前進させ、腹落ちさせる機会にすることができた。改めて自身のスキルを棚卸しした。そうすることで自分のできることとできないことを明確化させ、新しい環境に馴染む努力を行った。

新規事業で特にこのスキルの棚卸が新規事業の取り組みに連動している部分があった。当たり前ではあるのだが新規事業は何かとやることが多い。これまで他のメンバーがやってくれていたこと、組織が効率的に整っていたからこそ問題なく回っていたオペレーションを人力で全てやる必要がある。以前が簡単にやれていた一連の動作が実はかなりめんどくさいことだったりとか、それをスピーディーにできていたのは座組みが整っていたからであり、それを裏側で円滑に回してくれた人たちがいたからだという気づきを得た。また僕自身のスキルの棚卸と、じつ作業においてその答え合わせとアップデートを行うことができた。

組織という観点を財務・経理・法務などの全体像から改めて見直すことができ、前の部署の素晴らしかったところ、逆にもうちょっとのところなど俯瞰的に見つめ直すきっかけにもなった。多分この経験は長く、いろいろな場所で役立つだろうとぼんやり思う次第である。

新規事業の成功打率はおおよそ1割だと言われている。

そう考えると、かなりの確率だなと思っている。だからこそ個人的には成功することに対して意固地になる必要性はあまり感じていない。大切なのは成功できる未来が描けていることと、それに対してエネルギーを持って取り組めていること、そして、一つの失敗に拘らず常にあるべき成功を目指して愚直に行動することである。

来年はある意味楽しい地獄を迎えるが、今からそれが楽しみなのは事実である。

最後に

今年一年を振り返ったとき、いい意味でも遊びが生まれた一年だったのと思っている。またその遊びが生まれた結果、何か大きな変化が自分自身に生まれて、それが大きく仕事に作用したようにも感じる。

来年がどうなるのか、まだ全然想像できないし、去年の今の時も今年について全く想像つかなかった。そう考えると人生は楽しいし、仕事に対して真摯に打ち込むことによって自身が変化していくことに期待している。

とかく、変わらず今も楽しむ姿勢で来年も頑張っていこうと思います。

来年もよろしくお願いいたします。

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