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妻の不倫で自暴自棄になった夫と、周囲の男達の反応・男の逃げ場はどこにあるのか

妻の不倫で、妻子を失った夫

私の夫は約一年前のある晩、夜勤勤務についていました。

本来仮眠をとるべき休憩時間に、同僚数人が集まって一息ついていました。
その日はたまたま、談笑で盛り上がりました。

いろはさん(仮名)も、その場にいました。

いろはさんはしばらく顔色がよくありませんでした。
周囲はいろはさんが元気がないことに気が付いていましたが、本人が何も言わないので、誰も触れずに毎日を過ごしていました。

(男性同士だと敢えて触れないことがあるようです。私が男性ばかりの会社に勤めていた時も、同様の反応を度々見ていました)

いろはさんは夜中の独特な空気に触発されたのか、最近にしては珍しく、ぽつりぽつりと話しだしました。

その内容は周囲を驚かせました。

いろはさんの妻がパートタイマーとして働きに出た先で男と知り合い、不倫に発展。
離婚したという内容だったのです。

いろはさんは不倫が発覚当時、傷つき、当然怒りましたが、妻は詫びれることなく離婚を求めてきました。

妻は不倫に到った理由をいろはさんのせいだと主張。
そのため不倫の慰謝料は相殺、養育費も不要なので、二人の子どもを連れて出て行きたいと言われました。

いろはさんは納得がいきませんでした。
いろはさんへの不満のせいで不倫をしたというなら、不倫をする前に不満を言ってほしかったと話しましたが、妻は「言っても聞き入れられなかった」と言います。

いろはさんは仕事が忙しく、また不規則な勤務体制でしたので、家庭の中心は妻が担っていました。
妻から何かと小言を言われることがありましたが、大きな問題だとは思っていませんでした。

不倫発覚後の妻は、何を言っても取り付く島もない状態。

妻がどう思っていたかはわかりませんが、いろはさんなりに妻と子どもを大切に思っていました。
そんな妻の裏切りは、いろはさんを深く傷つけました。

それなのに、なぜか妻は強気です。妻を責めると、妻の心がどんどんと離れていくのがわかりました。
いろはさんは納得が行きませんでした。しかしその理不尽さえ、ぶつける先がありませんでした。

妻が子どもたちを連れて行ってしまったら、「何も残らない」と、絶望感が襲いました。

日本では親権は母親が有利とされています。忙しい仕事に就いているいろはさんは、妻に比べて子どもたちと過ごす時間が圧倒的に少ない状態でしたので、親権が取れるとは思えませんでした。仮に親権が取れたとしても、子どもたちに寂しい思いをさせてしまうだろうと思い、あきらめざるを得ませんでした。

これまで何のために頑張って仕事をしてきたのか、わからなくなりました。
家庭を支えるプレッシャーや、仕事の辛さにも耐えて来ました。足りないところはあったかもしれないけれど、いろはさんなりに家族に尽くしてきたつもりでした。

一生共にいるはずの妻に裏切られ、子どもを連れていかれ、男としての価値もないと言われ、自分の存在価値を失いました。

いろはさんは孤独感にさいなまれました。親にも友人にも、誰にも辛さを吐き出せませんでした。
逃げ場もありませんでした。

いろはさんは生きている意味がないと思い、自死願望を抱きました。
実際に実行しようとしたこともありました。しかし実際はできませんでした。

いろはさんは深夜の会社で、静かに話しながら泣きました。

私の夫や同僚たちは静かにいろはさんの話しを聞き、それぞれが不器用な言葉で励ましました。

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