見出し画像

「読解力」について考えています

こんにちは、きりんアフタースクールの森本です。

福岡にある民間のアフタースクールで、放課後の子どもたちの時間をいかに有意義にできるかみんなで頑張っています。

さて、今日は「読解力」について、私が考えていることについて書いてみたいと思います。自分の中で答えを持っているというよりは、日々悩みながら子どもたちに向き合っていることの整理みたいな内容になりそうです。

今日の記事の内容は、最近読んだ以下の本を参考に書かせていただきます。

「読解力」とは何か?

そもそも「読解力」とは何か、という問いです。「読んで理解する力」ということなのですが、もっと広義な意味でとらえたほうがよさそうな気がしています。

単に「読んで理解する力」と解釈するよりも、そこには「語彙力」「コミュニケーション力(聞く力・伝える力)」など、いわゆるペーパーのテストで点数化されないものも含んでいるように思うのです。

昨今、日本でも子どもの読解力の低下の問題が議論されるようになってきました。よく話題にあがる話として、経済協力開発機構(OECD)が3年ごとに各国の15歳を対象に実施している学力到達度調査「PISA」というものがあります。

数学・科学・読解力の項目で調査をするのですが、そのうち「読解力」の項目が2018年実施分で前回の8位から15位に大きく低下しているのです。

以下のサイトで問題例も見れます。ご興味があれば。

↓↓↓

15歳時点での調査ですから、その下地になっているのは小学生、もっというと幼児期からの積み重ねによるものと考えて間違いないと思います。

実際の問題例を見てみると、単に本文から言葉を探して解答するいわゆる小学校の「ワーク」のような形式ではありません。

例えば2018年の問題は『ラパヌイ島について書かれている「ある大学教授」のブログを読み取り、何が言えるのか』という出題です。

なんだか難しそうですね。

初見の文章を正しく読んで理解できる、本質的な読解力が要求されています。

「読解力」の低下が引き起こすもの

PISAを例に「読解力」について考えてみましたが、そもそも「読解力」が低下すると何が問題なのかについて書いていきたいと思います。

日頃アフタースクールで子どもたちの学習指導やクリエイティブタイムの様子を見ている中で、「学力(=読解力)」と「コミュニケーション力」は切っても切り離せない関係にあると感じています。

どういうことか。

例えば1年生の漢字の学習をしていて、「ひとつ」という漢字を書く場面があったとします。これを「人つ」と誤答する子が少なくないのです。

これは、漢字の「一」を知らないということではありません。「ひとつ」という言葉や概念を「一つ」という言葉で書けないということです。端的に言うと語彙数の不足です。

間違えをきっかけに「一つ」という語彙を学ぶことで覚えていけばよいので、大きな問題ではないのですが、語彙数の不足の積み重ねが対人のコミュニケーションにも影響します。

「相手が何の話をしているかが分からない」

「自分が伝えたいことが適切な語彙で表現することができない」

といった問題です。

聞く力、伝える力との相関も高いわけですね。読解力が低いと、「分からない」が連鎖し、どんどん「分からない」が増えていってしまい、なかなかそのループから抜けられなくなってしまいます。

友だち同士のトラブルを見ていても「僕はそういうつもりで言ったんじゃなかった」と言った具合に、正しく伝えたり、相手の言葉を理解ができずに引き起こされていることも多々あるように思います。

「読解力」と「語彙力」や「コミュニケーション力」との関係が大きいということがよく分かると思います。

アフタースクールでは、このあたりを学習面だけでなく、クリエイティブタイムの中でコミュニケーションをとる練習をしていたりしています。


、、、

この「読解力」をどう高めていくのか、という問いは非常に重要なんですが、かなりの難題でして、、、試行錯誤を重ねています。

ただ一つ言えることとしては、「読解力」を高めることは単にテストでよい点が取れるといったことではなくて、子どもたちが大人になったときに、よりよく生きていくために欠かせないスキルであるということです。

次回、もう少し「読解力」をテーマに違う角度から深堀してみたいと思います。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?