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ガヨとカルマンテスの日々のプチ考察

ここ数日ですっかり冬本番になりましたが皆さんはいかがお過ごしでしょうか?急に寒くなり体調管理が難しくなりましたが、手足やお腹を冷やさずにこの冬を乗り越えていきましょう!
さて最近の僕はと言えば、尊敬する高城剛さんが脚本・監督・撮影した映画"ガヨとカルマンテスの日々"を観に行った次第です。公開前からワクワクしており、公開が楽しみでなりませんでした。(笑)

今作は12月26日から都内最大客席総数を誇るユナイテッドシネマ アクアシティお台場にて1週間限定公開で劇場公開されました。また今作はNEXTRAVELER FILMS &TOOLSの本が特典で来場者全員に配られました。1ヶ月ほど前から映画も特典も楽しみにしており、28日にお台場まで足を運び映画を鑑賞しました。映画の様子を具体的にどう感じたのかも含めて共有させていただきます。
※ネタバレ注意です。
その前にあらすじを高城さんのメルマガ"高城未来研究所"より抜粋しましたので気になる方はご覧くださいませ。

あらすじ

米国国家財政破綻後の世界。
カリブ海に浮かぶ新自由主義と民主社会主義の間で揺れる小国で、為政者とマスコミによってテロ容疑を着せられたマルラは、余儀なく逃亡生活を送り、精神安定剤(カルマンテス)を片時も離せない日々を送っていた。
一方、ルイスは国外脱出資金捻出のため、闘鶏(ガヨ)に人生を賭け、一発逆転を夢みる。
マルラは前世療法と出会い、徐々に本当の自分を取り戻すが、「分断した世界」のなかで、世界初の精神安定剤の市販化を目論む極右勢力によって治療家は惨殺。
日々、社会が混沌するなか、マルラとルイスは「ある決意」をする。

脚本・監督・撮影 高城剛
原作 芥川龍之介『報恩記』
制作 国立キューバ映画芸術産業研究所
製作 NEXTRAVELER FILMS
©︎高城未来研究所より抜粋


脚本・監督・撮影 高城剛

今作はハイパーメディアクリエイターの高城剛さんが自ら脚本・監督・撮影をされた作品です。今作は芥川龍之介の報恩記を原作として”前世療法”がメインに、人々の違和感、国の不安定さを描かれていました。前世療法が分からないという方はお調べになることをおすすめします。
今作は"市販で購入できるもの"で撮影、編集しており、誰でも映画を撮ることが出来るということを体現した作品でもあります。彼の斬新で既存の組織を使わずに全て自分で手がける姿には常に感銘を受けています。

感想

さて、今作を見て僕がどう感じたのかを共有していきます。僕は年間100本程度映画を鑑賞しており、映画好きと自負しております。最初の段階で、良い意味でも悪い意味でもこれは普通の映画とは違うな、と感じました。序盤からかなりメッセージ性の高いワードが頻発しており、これはセリフなのか?と感じました。このワードって”普通”一般の人が使うかな?こんなにも情報に精通している人たちは僕の身の回りにはいないぞ、と思いながら鑑賞していました。

僕は映画やドラマを見るときに一つの指数としているものが、”いかにリアルであるか”です。表情や行動、台詞といった演技やカメラワークなど、これは普段一般の人がする行動か?というのを考えながら俯瞰して映像を見ます。今作に関しては個人的にツッコミどころが多かったように思います。

個人的に文学は読まず嫌いで、報恩記を予習せずに鑑賞しました。序盤からスピーディーに展開が進んでいきますが、徐々にペースダウンして序盤に貼られていた伏線も回収されていきます。舞台がキューバということで街並みも綺麗でした。また初めてスパニッシュ映画を観たのですが、あまり気にならず試聴することができたことは個人的に少し意外でした。

今作は内容ひとつひとつにメッセージ性があり、今の日本が直面している問題点をキューバを舞台にして描いていることに感動しました。今僕たちが何をすべきなのか、そして何をしていないのか、何を知らないのか。そういったことが描かれているように思いました。

ガヨとカルマンテス

特にガヨ(闘鶏)カルマンテス(精神安定剤)がこの映画のタイトルとなっているくらいですのでかなりキーとなるものです。闘鶏が闘って賭けをしているシーンが描かれているのですが、これに何の意味があるのかな?と考えていました。また、"鶏の金の卵"というキーワードもありました。これだけがこの映画の謎だなと映画を観終わってからも考えておりました。未だ金の卵が何なのか?という答えは分かっていません。もしかすると闘鶏は支配層にコントロールされている国民ではないかと考えました。メディアによって惑わされ、二極化させられ闘う国民ではないかな、と。
カルマンテスは映画内で理解することができたため深掘りはしませんが、主人公二人どちらもカルマンテスを常時服用していましたね。これは現代人がカルマンテスを服用している現実と重ね合わせることができますよね。またCMのシーンはかなりメッセージが込められていて、それが現実で心が苦しくなりました。

個人的に気になったシーン

1つ目は先ほど挙げた台詞です。高城さんのメルマガの読者や、意識の高い人達が知っているであろうワードをキャラクター達が話しているのです。今作は"前世療法"がメインの映画ですのでスピリチュアルに関する台詞や、仮説など、そういったものに興味がない方には、ん?となるような情報が多かったように見えました。また前半に畳み掛けるようにこれらのワードが使われていました。一般の方が見ると、???サッパリなのではないかな?と思いました。

2つ目は伏線回収のシーンなのですが、回想が長かったなと思いました。男主人公(ルイス)が闘鶏(ガヨ)を抱えサンタのコスチュームを着て逃げるシーンがあるのですが、あそこの伏線回収シーンは少し尺を使いすぎなのでは?と個人的には感じました。見ている人にはそんなに回想はいらないんじゃないのかな?と思いました。細かくてすみません(汗)

3つ目は前世療法のシーンです。こちらに関してはかなり内容が薄いと言いますか、あまり詳しく説明がされてなかったなというのが僕の意見です。ある日女主人公(マルラ)は街でパンフレットをもらい、前世療法がある場所に出向きます。そこで何やら怪しい儀式が起こっていました。彼女も怪しげながらもそれを体験します。そこで彼女は夢を見て、天国のように綺麗なビーチで男老人と二人で会話をしていました。会話が終わると目を覚まし、前世療法に関しては説明がそれだけだったように思います。これで視聴者は前世療法とはなんぞや?とならなかったのかな?と疑問に思いました。

ただこれら全て彼のこだわりであり、以前メルマガでも書かれていましたが、高城さんは他人の評価が気にならないそうなので、一般の方に擦り合わせることをしない彼の味が出ているのではないかと個人的に思いました。そうでなければ全国に数ある映画館の中で1劇場で1週間限定公開なんてしないですよね(笑)

まとめ

個人的にはこの映画は彼からのメッセージなのではないか?と思いました。見た人一人一人が意味を見出してもいいと思いますが、本質的には彼からのこれからどうしていくの?といったメッセージだと思いました。新しいことを自らして道を切り開いている彼からは学ぶことが沢山あり、これからも自分なりの解釈で彼からの意図を汲んでいきたいと考えました。

映画特典のNEXTRAVELER FILMS & TOOLSは内容が濃くて素晴らしかったです!
手に入れられなかった方はメルカリでかなりの数が販売されていたのでおすすめします。


また、前情報で試写会後にユナイテッドシネマ アクアシティお台場内のTGI Fridayにて食事会があったようなので映画前に夕食をそこで摂ることにしました。数日の差はあれど彼と同じ空気感を味わえたことが嬉しかったですね。

※トップ画像はNEXTRAVELERのサイトから引用いたしました。

それではまた次回。

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