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勉強の苦手パターン② 覚えようとしているが、方法を間違えている

(この記事は約5分で読めます)

パターン①も②も、「テストで漢字を間違える」という結果は同じです。しかし理由はまったく別のところにあり、対応を間違えると解決しません。

▼このパターンでよく見られる特徴は…

・たくさんの漢字を覚えられない(一度に少量、短期間なら覚えられる)
・画数の多い漢字を覚えられない(「薬」「燃」など)
・一度覚えてもすぐに忘れてしまう
・「へん」など部首を間違える(「銀」と「眼」、「住」と「往」、架空の漢字を作り出してしまうなど)
・同音異義語を間違える(保証と保障など)

パターン①とは違って、この場合子どもは課題の意味を理解しています。テストに合格するために、目の前の漢字を覚えるために練習をしています。

でも、何回練習しても覚えられないんです。
その原因は何でしょうか?
私たち塾講師はどう指導すべきでしょうか。

▼このパターンで漢字が覚えられない理由

彼らが漢字を覚えられないのは、漢字を記号(線の集まり)のようなものとして覚えようとしているからです。
見た目そのままで覚えようとしているからです。

たとえば「銀」という漢字なら、14本の(意味のない)線によって作られた記号なんだと思って丸ごと覚えようとします。
そのため、「へん」が「食」など別のもの(多くは同じ時期に習った漢字のもの)に変わってしまったり、オリジナルの漢字を作り出してしまったりすることがあります。

画数の多い漢字が覚えられない、同音異義語が苦手なのも、同じ理由である場合があります。

▼パターン②の対処法

漢字の「部首」と、漢字の「音」の重要さを理解させることが必要です。

→そもそも私たち大人はどうやって漢字を覚えているのか?を言語化してみると分かります。
私たちは、漢字を「意味と音のまとまり」として覚えています。たとえば「持つ」という漢字なら…

・手に関係する漢字なので手へんだ
・音読みが「ジ」だから右側は「寺」という漢字だ

たった2つの情報だけしか記憶していません。
だから長期間覚えておくことができます。

これを「9本の線」という情報で覚えていたら、とてもじゃないけれど長期間は覚えていられないですよね。

▼やってしまいがちな間違い指導

これも、勉強量が足りていないんだ!と子どもを注意してしまうと逆効果になります。

この状態で練習量を増やしてもただ苦痛なだけですし、長時間たくさん書くことや苦痛を味わうことが「勉強を頑張る」ことなんだという、間違った認識を子どもに植えつけてしまう原因にもなります。

ただし、書き取り練習の回数が少なすぎる場合は練習量を増やすことも必要です。
漢字ドリルには練習マスが2~3個しかなかったりしますが、さすがにそれは少なすぎます。

漢字は体で覚える(=考えなくても手が勝手に動く)側面も大きいので、正しい方法を守ったうえで、漢字を書く途中で手が止まらなくなるくらいまでは書き取り練習をすると良いでしょう。

▼類似ケース

・英単語を覚えられない場合は、まず英単語の発音を覚えることで解決します。
ローマ字の読み書きが不完全な場合はそこから始めます。
フォニックスも有効です。←お子さんによって向き不向きがあります

▼②のまとめ/学習塾での解決の可否

①とは違って課題の目的は理解できている状態。しかし、課題の正しいやり方を理解できていない状態です。
「意識」よりも「学習スキル」の側面が大きいので、やり方さえ修正できれば比較的早く、飛躍的に伸びることも多いです。

原因は様々で、多くは「いちいち部首や漢字の読みを覚えてから練習するなんて面倒」「そもそも学校であんまり部首を習ってないし、意味もよく分からない」というパターンが多いように感じます。

まずは…
① 小学校1~2年生の、画数の少ない漢字をしっかり覚えること(木、月、土、金など、「漢字の素になる漢字」をスラスラ書けるようになること)

② 漢字は「読み方」を覚えてから「書き」の練習をすること

③ 部首の意味を理解すること

この3つが最優先です。学習塾で解決が可能です。

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