ポスターを作る。そして、本を売る。
第三十四回文学フリーマーケット東京に参加した私は、この日、たくさんの本を売った。
「自分の作品を本にする」
なんて素晴らしい言葉だろうか。
あぁ、自分の頭の中の妄想が本になるまでを10万文字ぐらいで語りたいと思っているが、今日はその話ではない。
私はこのイベントに際し、もう一つ制作に力を入れたものがある。
それがポスターだ。
本の制作に力を入れるあまり、宣伝をするということを忘れがちだが、このポスターはサークルの認知拡大とブランディングに大きな効果をもたらしてくれる。
販売した作品にもそれぞれポスターを作っている。
本の中身で勝負し売れるというのが、一番良いかもしれないが、私のような無名の人間にはそれがまた難しい。
自分の作品も好きだし、今回参加してくれた寄稿者の作品も大好きだ。
だが、その良さを店先で十二分に伝えるのは難しく、至難の業だ。
だからこそ、私が本を売るにあたり、お客の「期待値」を上げておくことは絶対的に必要だと思った。
ポスターはそのための必殺の武器なのだ。
実際、ポスターに見覚えがあって買いに来ましたというお客が数名いらっしゃった。
数名にリツイートされるだけでもインプレッションは1,000を超すのだから、自分たちの知らないところでこのポスターは営業活動をしてくれている。
そしてイベント開催の1週間前になると、ポスターは詳細な内容に移行する。
お品書きといった風に、サークルで販売される書籍の紹介のポスターを何枚か作った。
私の本職がwebマーケターということもあって、どのクリエイティブが当たりるのかと観察していたところもある。
実際やってみて、一番当たったのが短編集の「身体」ポスターであった。
これは私が狙った通りに好評で、実に嬉しい限りである。
このポスターをモチーフにしたのは、園子温監督の「冷たい熱帯魚」だ。
ホラー作品の短編集ということもあり、どうしたものかと思っていた時に、ふとこの映画のことを思い出した。
これだと思った私は、金魚をモチーフにポスターを作ったが、果たしてこの意図を汲んでくれたかたは何人いただろうか。
そんなこんなで、動画型のポスターやらテキストを変えたポスターやらを種類別に作り、イベント当日まで告知をしまくった。
そして当日も、ブースにはわかりやすくポスターを印刷したものを額に入れて、でかでかと飾った。
おかげで本は飛ぶように売れ、初出店ながら完売した。
完売してもなお、欲しい方がいらっしゃるでの追加で増刷する予定だ。
さて次の出店はどんなポスターを作るか考えどころである。
もっと人を惹きつけるポスターを作ってみたいものだ。
それと同じく、執筆力も上がってくれればいいのだが……笑
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