レース模様の図書室、再訪|影山多栄子《1》|図書室の精霊
Text|KIRI to RIBBON
クレマチス・アーマンディの白い香気が過ぎ、花水木の開花と共に草花が煌めきを増す頃——鬱蒼の緑の奥にひとときひらかれる図書室があります。そこは一風変わった図書室。書物と一緒に、書物と暮らしてきた少女たちの営みが、レース模様に編まれて並んでいます。精霊たちも住んでいるようです。
1年の時を経て、ふたたび扉の前に立ちました。あの日と同じように、小鳥の囀りが聞こえてきます。
季節は巡り、様々な物事が移ろい、変化を余儀なくされる中、少女