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レース模様の図書室、再訪|須川まきこ|レース模様の図書室へ再び

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Text|KIRI to RIBBON

 この日のために、とっておきのレースのドレスを選びました。レースのおしゃれを日夜追求している少女たちと待ち合わせをしているからです。
 1年ぶりに再会する二人は変わらず元気かしら? いまはどんなことに夢中なのかしら? 一緒に行ったコンサート、とっても楽しかったなぁ——お喋りしたいことがどんどん押し寄せてきます。

 フローラルの甘さの中に、苦みと重さのある香りが過ぎりました。懐かしい香水の香りの先に、二人がいました。



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 お揃いの菫色ヘアも素敵、繊細なレースを大胆に纏って、読書とお喋りを楽しむ二人。頁をめくりながら、憧れのヒロインについて話す時、いっそう瞳が輝く。

 異国の古い文学を紐解きながら、装いの記述を探すのも好きな二人。今日はヴィクトリア朝、明日はジャズ・エイジ——軽やかに時代を行き来して、頁に眠る美しい装いの風景について、時を忘れて語り合う。
 同時に、時代時代を生き抜いてきた女性たちに思いを馳せる。書物の中の女性たちにとって、自分たちは未来社会の女性たち。そのことを思う時、書物をいっそう愛おしく思う。

 書物の頁から、まっすぐに伸びる道の尖端にいま立っていること——忘れないでいたい。

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 大胆さは姿態に、繊細さは纏うレースに——大胆と繊細を兼ね備えた現代女性を一貫して描き続けてきた須川さま。ペンの尖端から生まれる美しい描線の名は自由。どこまでも駆けてゆく自由のペン先で、私たちを先導する女性たちを描き続けています。

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 『菫色の文法vol.1〜ルネ・ヴィヴィアンの寢臺』は、須川さまに初めてご参加頂いた美術展《菫色の文法(2011年)》開催時に同時刊行したアートブック。須川さまの作品カードも封入されています。

 2020年に制作されたイラストレーションから、レース模様に図書室にぴったりの作品を選んで頂きました。新入荷の常設作品として展示中です。

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自由に外出が出来ないとき、自室の図書室で思い思いにおしゃれと空想を楽しむ娘たちを描きました。図書室での時間は世界に繋がっている!!
 .....Makiko Sugawa

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ヒロインが身につけていた唐草模様の織物やレースの美しい衣装を想いながら、新しいストーリーを描いている娘たち。
 .....Makiko Sugawa

 誰にもおもねず、常に軽やかに自身の生を謳歌する須川さまの少女たち。少女たちに出会うたび、あんな風に生きてみたいと、自由に生きることについて考えてきました。環境が激変し、外出もままならない今、そうして考えてきた蓄積が自分を支えています。

 これからも須川さまの少女たちに出会い、憧れる気持ちを持ち続けていきたいです。

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須川まきこ | イラストレーター →facebook
京都造形芸術短期大学 専攻科卒業後、ローマで個展をはじめ、国内外の企画展にも多数参加。海外雑誌の表紙も手がける。2017年に画集「Lady Amputee in powder Room」(エディシオン・トレヴィル)を発刊。2012年に画集「Melting」(アトリエサード)を発刊。他に「Lace Queen」、絵本「ニーとメメ」(広告丸)がある。近年はグッズ制作、ファッションショーのコスチュームデザインも担当する。

00_通販対象作品

作家名|須川まきこ
作品名|レース模様の図書室へ再び

ペン(ロットリング)・アクリル絵の具・ケント紙
作品サイズ|22cm×25cm
額込みサイズ|25.4cm×30.5cm
制作年|2021年(新作)

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00_通販対象作品

作家名|須川まきこ
作品名|Party

ペン(ロットリング)・アクリル絵の具・ケント紙
作品サイズ|22cm×28cm
額込みサイズ| 25.4cm×30.5cm
制作年|2020年(常設作品)
70,000

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00_通販対象作品

作家名|須川まきこ
作品名|読書とtea time

鉛筆・アクリル絵の具・水彩紙
作品サイズ|25cm×35cm
額込みサイズ| 29cm×42cm
制作年|2020年(常設作品)

65,000

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