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通り雨

雨粒ひとつひとつが数えられそうなくらいの大粒の雨。

雷が鳴り、蝉の声がだんだん大きくなっていく。木々が揺れ、ひんやりした風が足元にふれる。遠くにはまだ夏の形をした雲。

生きているでもなく、生かされているでもない。生きているし生かされている、同時に起こることの間に自分のいのちが有る。

自らがつかもうとしているわけではないのに受け取って満たされていく時間。窓の外には二本の虹。こういうときに感じる至福をなんと言葉に置き換えたらいいのだろう。

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