140字小説【猫にひざ】
お題「明」
【猫にひざ】
「明るく元気な方募集」そんな求人広告を見る度に僕は悲しくなる。
僕は暗いんだもの。
そんな僕の元にある日一匹の老猫が現れた。
「あんたの膝を貸してくだされ」というので、「どうぞ」と言った。
猫は僕の膝で丸くなった。
「悲しみを知る人の膝は温いんじゃ」
その日から、僕は猫に膝を貸す人になった。
おわり
(2023/4/21 作)
140字小説コンテスト、春のお題「明」に参加させていただきました。
ツイッターでは改行も一文字になるみたいですが、こちらでは改行して読みやすくしました。ちょっと言葉も変えてます。
(*´ω`*)以下は同じお題『明』で書いた140字。オマケですー。
【営業トーク】
「復讐にも飽きたでしょ」
「ええ」
「新発売のコンシーラー。あなた専用よ」
「まぁ」
「塗ると恨みも薄れるの」
「いいわね」
「あなた元がいいから」
「そんな」
「きれいになって転生なさい」
「そうよね」
「伊右衛門だけが男じゃないし」
「買うわ!」
「明るい人生が待ってるわよ、お岩さん」
おわり
(2023/4/21 作)
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