口コミ、愛をそえて

とある夜、銀杏BOYZをきちんと聞いてみたいなと、突然思った。

大学の時一瞬所属していた軽音部、ライブで同期がコピーかなにかをしていた気がする。
深夜ラジオでたまに曲を聴く。

本当に名前しか知らないけれど、なんだかエモそうなバンドだなぁ、と思っていた。
恥ずかしながら、銀杏ボーイズの最後のつづりをSだ思い込んでたくらい、なんにも知らなかった。

一番初めに聞くとしたら何の曲がおすすめですか?

SNSでそっと聞いてみる。
何分かしてアプリを開いたら、意外なくらいに反応してくれる友達が多くてすごく嬉しかった。有難い。

その足でYouTubeを開く。
何曲か聞いてみる。うん、とりあえず音楽の何かしらのサブスクに手を出すことを決意。

途中、ふと呼吸を忘れてしまいそうなくらい美しくて、意識が体を離れて遠くに投げ出されてしまいそうな、びっくりするほど綺麗な曲があった。

めっっっちゃくちゃよかった、めっっっちゃくちゃよかった
ほんとにありがとう、
すごいよかった

呆れるほど語彙力ゼロ。
興奮して、びっくりして、勢いとエネルギーだけのメッセージを送ってしまう。

私もぜんぜん銀杏詳しくなくて、なんなら前身バンド時代のやつらしいんだけど、その曲はめちゃくちゃ好きで。
なんか、さかちゃんは気に入ってくれる気がした!

返ってきた友達のメッセージ。
その子にしか書けない、私のためだけの、特別な口コミ。

一瞬だったかもしれないけれど、その子が知っている「私」がどんなものが好きだったか、どういうものに心惹かれるのか、手を止めて考えてくれたその時間。大げさかもしれないけど、その時間は、やっぱり愛だと思う。

ささやかだけど温かな愛が添えられた、特別な口コミだなぁ、と思ったのでした。
上に取り上げたメッセージも、他の友達からのメッセージも、みんなじんわりと嬉しかった。

✳︎

このnoteを書くにあたって、「口コミ」という言葉の意味を改めて調べてみた。

口コミ
物事の評判などに関する噂のこと。
マスコミとの対比で生まれた言葉であり、「口頭でのコミュニケーション」の略と見られる。
本来は小規模なコミュニケーションであったが、インターネットの発達で影響力が大きくなった。

インターネットにずぶずぶの世界。
私も、口コミと言われて一番に思い浮かぶのは、やっぱり食べログ。ついで、ネットに書き込まれた映画やドラマの感想。
誰が書いたか、どこでどう操作されているかわからない、星の数で価値が決まる世界。

でも、きっと根っこのところは、そんな無機質で冷たいものじゃないよね、口コミって。
顔の見える人と人とが、素直に感じた「よかった」や「美味しかった」、「面白かった」を、正直に伝えること。
そこに、「だから是非あなたも」の気持ちが込められて、小さな愛のコミュニケーションが生まれたら初めて、血の通った本当のクチコミになるんだと思う。
とある夜に、沢山の友達が私のために送ってくれたメッセージは、本当のクチコミだった。

インターネットに何かの感想や評価を書き込む時にも、みんながみんな愛をこめて、愛を添えたコミュニケーションをとれたら。
そのときは、インターネットはもっと優しくなれるかもしれない。

うまくまとまらないし、しめられない笑
あとは、愛を添えて、みなさんの心の中に、託します。

追伸、銀杏のおすすめ曲、まだまだ募集中。愛のある口コミください!

頂いたサポートは、いつの日かのフィンランド旅行の資金にさせていただきます!🇫🇮