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【福島市への旅2019】廣瀬座を見たくて、民家園へ(福島県福島市)

映画や朝ドラのロケ地にも…民家園に移築された旧廣瀬座

随分前のことですが、伊達市梁川を取材中、昔は旧梁川町(合併して現在は伊達市梁川)のまちなかを流れる広瀬川沿いに「廣瀬座」という大きな芝居小屋があったことを知りました。

廣瀬座が完成したのは明治20年のこと。当時は一大大型娯楽施設として、おおぜいの観客が詰めかけたそうです。
しかし、娯楽の中心は芝居小屋から映画館へ、そしてテレビへと移り(そして、今はネット…(;^_^)、廣瀬座も次第に廃れていきました。そこへたび重なる広瀬川の氾濫が追い討ちをかけます。河川改修工事がはじまることになったのでした。

話を聞いていたわたしは、思わず手を握り締めていました。災害などで被災した建物が次々に姿を消していくのは、ちょっと寂し過ぎる。

「で、廣瀬座はどうなったんですか? もしかして、解体…?」

わたしに廣瀬座のことを教えてくださった方は、首を横に降りました。

「いや、今は福島市の民家園に移築されて、復元されているよ」

それはよかった、一安心。だけど、どうして梁川町…伊達市じゃないの? 伊達市には、旧亀岡家住宅という和洋折衷のレトロ好きには、たまらない建物があるのですから、セット売り(?)できたのに。もったいない。

伊達市の旧亀岡家住宅についてはコチラをどうぞ↓


以前から興味はあったけど、なかなか行けなかった福島市民家園。こうなったら行くしかない!と思い、足を運んだのが、2016年か2017年だったと思います。しかし、なんと、わたしが足を運んだ日は廣瀬座で芝居を上演するイベント絶賛開催中! 内部の撮影は翌年に持ち越しとなったのでした。

そんなワケで、念願の廣瀬座。ちなみにNHKの連続テレビ小説『エール!』や周防正行監督の作品『カツベン』の撮影でも使われています。もう見た瞬間、「廣瀬座ーー!」と叫んでしまいました。

ここからは写真でご紹介。駐車場から園内に入ると、結構奥のほうに位置しています。

ちょっと逆光気味

当時は夜になると、たくさんの提灯が芝居小屋内部を照らし出したのでしょう。

やはり撮りたくなる「さじき」の格子戸と奥ののれん

左端に写るのは「花道」かな? 推しの役者さんが来たら、えらいことになりそうです

さじき席の背後。昭和60年代まで、この雰囲気で残っていたのでしょうか。昭和末期でもかなりレアな建物かも…。

建物だけではなく、“暮らし“の名残も保存

ここからは、福島市の民家園についてのご紹介。

公式サイトによりますと、福島市民家園は「伝承されてきた生活遺産を大切に保護し、活用するための文化財保存施設および教育施設」であり、昭和57年8月「あづま総合運動公園」内に開園。
敷地内には、県北地方を中心に(一部会津も含む)江戸時代中期から明治時代にかけての芝居小屋、商人宿、料亭、板倉、民家などが移築復元されているそう。また、合わせて生活や生産用具を展示したり、時節に合わせて年中行事を再現したり、わら細工などの体験イベントも行っているらしいです。

個人的なポイントは
①川が流れていたり、池があったり、分岐点にお地蔵様が並んでいたりと、一つの集落みたいな感じで園内をめぐれること
②季節や時間帯によって異なる表情を楽しめること。お花が咲いていたり、新緑を楽しめたり、自然ゆたかな分、表情の変化が楽しいです

公式サイトはコチラ↓

下は「山申す」。
説明書きによると、「『山の神様に収穫の感謝と山仕事の安全をお願い申し(す)あげます』という意味をこめて、民俗神の『山の神』を祀っている」とのこと。ここでの「山の神」とは、山を支配し、ものを産み育て、里の人達を守る神様のことのよう。

昔は薪や炭焼き、山菜や木の実を収穫したり、狩をしたりと、現在よりも頻繁に山に入っていました。その分、山で命を落とす人も今より多かったのでしょう。「山申す」は、家族や仲間の無事を願う気持ちをこめて始まったのかもしれません。

この風習は郡山市など県中地区にもあるのだろうか?

村人を見守るお地蔵様

こうした祠が並んでいたり…逢魔ヶ刻にこういう風景を見ると、ちょっとドキドキします(;^_^


赤い実を付けた木。

下の写真は、江戸時代末期から明治10年代に、旧会津街道と旧米沢街道の分岐点に建てられた」「旧筧家宿店(読み方不明…きゅうかけいけしゅくてん)でOK?)
別な日に撮影していますが、店の中も雰囲気があってよかったです。

1階の「みせ」部分のしとみ戸、2階外壁の漆喰による「商人宿」の文字、襖絵などが宿店としての特色だそう。

新緑との対比、しとみ戸に落ちる影…実に私好みです(;^_^

園内を流れる川(用水路?)

確実に秋の気配

見事な蜘蛛の巣

壁に揺らめく木漏れ日

わー、これはどの建物だろう…(不明)

障子の隙間から室内

囲炉裏のある室内

台所の一角。ざるや、左はすり鉢かな?

ここにも美しい格子戸が。

これは「山申す」ではないと思いますが、やっぱりお守りなのかな? 民家園もガイドさんがいるみたいなので、今度申し込んでみたいと思います。こうやって記事をまとめているうちに、疑問がふつふつと…。

下は大笹生(おおざそう)にあった旧阿部家。江戸時代中期(18世紀後半)の農村住居。住居の形式など詳しい説明がありました。同じ農村住居でも時代によって手法が違うらしい。

夕方だったので、またしてもこういう写真を撮りまくるっ!

これは「旧阿部家」ではなく、「旧渡部家」かもしれません。

心惹かれる影と逆光の木々

福島市民家園②室石と猫編に続きます


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