投稿した数も増えてきたことですし、目次を作ってみました! ではどうぞ!お楽しみください! 記憶シュ シリーズ 記憶シュ 一片~十片 記憶シュ 急片=九片|麻薬のように魅力のある、人をもえさせることのできる物語をなむぢへとお届けしたい人型。|note「こ・・・ここ、登るの・・?マジ?」 「そうだよーほら、行こう?一回いったんならいけるって」 久しぶりの登場の、『立note.com
翌日早朝。俺は、罪の意識なのか、居た堪れなくてあの場所に帰れないからか、交番前の公園にいた。 秋山みると話をしたあの公園だ。あの頃の俺は浮かれに浮かれていて、全てを掌握できるような万能感が——あまり感じられないどころかそれが揺らいでいて終始動揺していたが。 何にせよ、秋山みるという狂人よりも、今は自分の方が恐ろしいし、自分の事で他人にまで手を回せる気がしねえ。 「あー‥‥」 頭も体も回らず、起きているのが辛く、かと言って今は、周囲の視線がどういう訳だか過敏に感じる。 や
「・・・いい加減、僕の目を見たらどうです?」 記憶を取り込んでからというもの、目の前の少年と目が合わせられない。 この状態を俺は知っている。罪悪感から来るストレスがそうさせているんだ。 何度も何度も覗いてきた数多の記憶が俺の心情を分析し、自覚することで次の行動へと移させない。 「別に回り込めますけど、そこまでして貴方と目を合わせたくもないからいいです」 今なら全てが明瞭に理解できる。 白麗――三島楓の言った言葉の意味も理解できる。 三宅蘭というのは、日本に来て
ああ。神様。この惨状を理解しておられますか。 もう、一月がたちました。私の記憶は薄れません。何のためにあそこまで行動を起こしたのか、私は理解に苦しみます。 どうして、何もかもを捨てて挑めば、価値をその手に握れると思っていたのでしょうか。 甘かったのです。何もかも。 私は周囲の声援を無視し、結果に執着しました。 ここはもしかしたら、懺悔室なのかもしれませんね。こんな風に話すのは久しぶりです。 ここはただの湯船ですのに。 まあ、いいでしょう。続けます。 神様。私は愚かでした
名乗るなら、日本人の名前がいいな。 改変の幅が利きそうで、かつ怪しまれないし、何よりかっこいい。 そう思いながら、記憶手へと繋がる道を歩き続けた。 どうして勉強を始めたか。理由は簡単。「人の記憶を盗み見ること」、「人の心をよむこと」は、俺の昔からの願望だったからだ。 誰だって一度くらいは考えることだろう。そしてそんなことあるわけがないな、とその願望を道端に捨てて、大人という現実主義者に変貌していく。 俺はそうはなれなかった。その欲望を捨て切れなかった。
こんにちは! 麻薬のように魅力のある、人をもえさせることのできる物語を、なむぢへとお届けしたい人型。=麻魅もえ乃です。 実は最近、私生活の方がかなり忙しく切羽詰ってきているんです。 後悔せず質のよいものをお届けするには毎日投稿をやめようと決意をしました。 その先駆けとして、一昨日はお休みを頂いてみました。 かなりリラックスしてその日を過ごせたかと思います。これが書くことにも現れているとうれしいのですが。 今後のことですが、少なくとも週一では投稿できるかと思います
意味。いみ。忌み。イミシラベ。 心を司る、イミシラベ。 心を蝕む、イミシラベ。 さてさて今宵は誰が死ぬ? 「誰が死ぬといわれても」 「もうここには、生者は居らぬ」 ならば君らは何者か 「我らは推考なる感情なり」 機械仕掛けの玩具は言う。 「私は駒」 「私は飴」 「私は空白」 「私は明かり」 それぞれがバラバラにいい、お互いの顔を見合わせる。 「足りぬ」 「これでは足りぬ」 「空がいない」 「闇がない」 「町がない」 「間違いない」「
明日はお休みします…!
「えへへへへ~・・・あへっ・・ふへっ・・・うふふふふ・・・」 ただただ怖い。 何故そこまで愚直に好奇心で動けるのか。危機感はないんだろうか。 こっちが優位に立てている自信がなくなってくるくらいの壊れっぷりだ。 「んねー記憶の人さん。あちき、これからどうなっちゃうのだな?」 ああ、そういえば喋り方もすっかり壊れていた。 試しに刃物でも向けてみようか――あー駄目だな、森脇君の記憶が入ってる、ということがついつい抜けて来る。 彼女にとっては物珍しい事こそが興奮の種か。 「
今回の器具はスポイト。取り出すといえば定番の物だ。 ただ、一般の物と明らかに違うのは、吸い上げたものを溜める部分が種の形をしている点。 これは傷口につけて使わず、ドライヤーのように少し離して使う点。 そして当然ながら記憶を吸いだせる点だ。 ちなみに白麗が興味本位で普通の水が取り出せないか、と実験したところ、実験は失敗に終わった。水はすえないらしい。やってもやっても一滴も汲みあがってこなかった。 そして無駄にラメの入った、種のサイズに合わせて大きめのソレを見て、み
こんばんは! 皆さん、いかがお過ごしでしょうか? 【麻薬のように魅力のある、人をもえさせることのできる物語を、なむぢへとお届けしたい人型。】こと、麻魅です! 実は、本日。1月10日は、私が産まれた日なのです。そうです、産まれたのです。 あ、といっても、noteでお話を書き始めたのは11月1日ですし、そして【麻薬のように魅力のある(以下略)】の【麻魅もえ乃】ではなく、中身の人型が生を受けた日なのです。 【麻魅】の誕生した日は、ちょっといつなのか・・・とりあえず、初めての
のれんをくぐりお茶を持ってくると、みるは一人メモ帳を広げ、口にペンをくわえながらスクールバッグを漁っていた。 「何探してるんだ?」 なるべく普段のトーンで話しかけると彼女はブンブンと首を振って、ペンを口から放し、口の真下の左手がそれを掴んだ。 「駄目です!質問しちゃ!またクルメさんのペースになっちゃいます!今度は私が質問するんですから!!」 そこまで有無を言わせずに押し切った覚えはないのだが、彼女はそう感じたらしく、流石にそこに質問を重ねられるほど余裕がなかったので大
自分殺しだよ。こんなの 限界。 何かにすがって生きる日々も、淡い期待を抱かないと息が続かない体も、めまぐるしく変化していく中、変化しない自分も。 何より、そう、目の前で事が起こるたびに、文句と悪口をハイレベルで言い出してくるこの人に。この人とは産まれてからの付き合いで、いつも私に助言をしてくる。 「女性なんだからもっと飾りなさい」 「人なんだからもっと知恵を身につけなさい」 「優しいんだからその優しさを全員に平等に振りまきなさい」 「怒っているんだからお愛想を浮かべる
その方は、あの山の上でいつも一人ぼんやりしている少女。 その方は、切れ長で鋭い視線を私に向けながらも、話し出せば穏和で静かな方。 そのお方は、土地神様なんだという。 彼女はいつも供物を届けに行くたびに、そっと自分の近況を尋ねてくる。 村の長である私は、常に悩み事が途切れずあり、時には私はただの伝達係で、彼女こそが村の長なのではないか、という気さえおき出すほど、土地神様は的確に意見を言ってくれる。 中でも私が一番効いたものをお伝えしよう。 それはいつもの晩。村のもの
「地爆霊・・・・じゃ、ないよね?」 「ない、です・・・」 社の近くでそんな声がする。 いえ。作業に集中する方が大事ね。 私は思わず拾ってしまった声を薙ぎ払って、相田くんへと向いた。 「そうね、もうすっかりよくなったわ。じゃあ後は代金の方だけだけど、それは長谷川くんと一緒にしているから、おそらく次とその次で終わりでしょうね」 「本当にありがとうございました!・・・原因作ったのはヨミさんですけど」 これくらいの軽口が叩ける程度には、相田くんは進歩したの。記憶
「・・・・それで、姿が見えないんですか。白麗さん」 「いや・・・いはするんだよ。その辺」 天井付近を指差せば、むすっと口を聞いてくれなくなった白麗がひざを抱えてそっぽをむいていた。 「見えない・・・君也は?」 「ぼんやり・・・いや、噓。言われなきゃ無理だな。俺、霊感ねーもん」 しったかぶりを訂正しつつ、君也は、財布をしまった。先にお勘定が終わった相田くんはヨミに手招きされて寝室へと向かっていた。 すっかり治りつつある相田くんの怪我の治療とそれに付き添うために