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心ここにあらず

さて。
マジで旅立つ日が近いなと最近思った。

どうせなら、島流しとかにされたら楽なんだろうなってくらいに、モノを厳選するのが大変である。それにこんな状況でも色々欲しくなる自分に嫌気が差す。

それにしても、普通なら行き先のない旅に出なければいけないとなったら普通ならオドオドしてしまうか、誰かの家に居候させて欲しいとか、友人の家に泊まらせて欲しいと言いまくって、助けを求めるはずである。
しかし、なんとも不思議なことに特に僕は不安だとも思わないし恐怖心も持っていない、どっちかって言うとちょっと楽しみなくらいである。

仕事のために起きなくてもいいし、家賃を支払わなくても良い(それに安心んしている自分に恐怖だけど…)、そしてどんな出会いが待っているんだろうかと楽しみなのである。
それってある意味で、もう今の生活にうんざり来ているってことなんじゃないかな…。



そんな僕を見て、「スナフキンみたいだね」と言われたことがある。
スナフキンって、あの言わずと知れているムーミンに出てくるキャラクターである。
実は僕もスナフキンについてよく知らなくて、旅をしているってだけ知っている。ちょっと動画を見てみたのだけど、無口で感情の起伏があまりない人のようだ。確かに似ているかも知れない。

無口ってほどではないけど、僕も口数は少ない方である。自分のことをべらべらと喋りたくはない。どっちかって言うと“聞かれたら話す”ってくらいである。


スナフキンのどこが良いんだろうか?
ムーミンはどうやらスナフキンのことが大好きらしいんだけど、なんでムーミンはスナフキンのことが好きなんだろうか?

ある動画では、「僕はひとりでいるのがいちばん好きなんだ」と言っていた。
いやいや、ムーミンと一緒にいるのが好きなんと違うんかい。なんて思ったが、べつにそういうわけじゃなさそうだ。
どうしてかっていうと、「ひとりが好きなスナフキンのことをムーミンが個人的に好いている」というだけだからである。

スナフキンはある特定の時期にムーミン谷へ帰ってくるのだけど、気が向かなかったら帰らないこともあるらしいじゃないか。
しかし、「帰れないなら帰れないでいいや」とは思っていなくて、「できる限りは立ち寄りたいが必ず立ち寄る必要もない」くらいの、かなりグレー寄りな考え方をしていつつも、その時帰れるかどうかはまたその時考えようという“気楽さ”を重視しているんだなと思った。

旅という点では男はつらいよの寅さんも似たようなことを言っていたっけ。
「風の向くまま気の向くまま、風と相談するさ」と。

寅次郎は寒くなれば南へ行き、暑くなれば北へ行っていたが、スナフキンも同じらしい。だから、村や町から出て行くのだ。
日本は冬になるとどこへ行ってもだいたい寒かったりするが、沖縄とかはちょっと温かい。寅次郎も沖縄へはいくらか行っているようだったな。



ひとりでいることが好きだというよりも、生活を安定させることのほうがめんどくせーとか、難しいと感じてそれに関して汗水垂らし労力を注ぐということに関して好ましく思っていないのだと思うんだわ。

寅さんは誰かのことを好きになるのは得意だったけど、家庭を持つことが幸せだと言ってある地に定住しようとする仲間や若者を見納めるというシーンが数多くあったが、それを見てなんとも物悲しいような目で見つめていた。

映画の中の話の流れ的には単なる失恋として見ることもできるのかも知れないけど、もしかすると「結局お前も、人の言う幸せを追い求めるようにして家庭を作ろうとするのか…」と、価値観の違いを悲しんだ視線だったのかもしれない。



結価値観の違いから、離れて行きたい、そういう価値観から自由になりたい、ひとりになりたいという気持ちが混同して、この地を後にしようという行動になっているのかも知れない、とそう思った。





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