書き手と読み手の例で語る 「大人も昔は子どもだったはず」 的な話。

ライターとして書いて伝える仕事をしていると、“読み手としての初心”を忘れないことの大切さを感じる。

「読むのが苦手」という人は、大人になっても意外と多い。より広く読まれるためには、読むのが苦手な読者の感覚に立って文章を書くのが大切になる。

でもライターという仕事柄、日常的に文章を扱うし、たいした量じゃないかもしれないけどインプット量も自然と増える。

そうして文章を読むことに慣れていくと、苦手な人の感覚が次第にわからなくなってくる。そんなときは、思い遣りに欠けた文章になっているかもしれない。

読むときの目の動かし方や、理解の順番。もちろんそこに個人差はあるけど、多くの人に共通する苦手だったポイントがあるはず。

そんな「自分も苦手だった」経験がある人は、その感覚を想像しながら、構成や言葉選び、省略の程度なんかを考えて書けるので、自然と、思い遣りのある文章が書ける。

「文章ってどうも苦手なんだよな」

そんなふうに思っている人ほど、実は苦手な人の気持ちを想像できる書き手になれる人なのかもしれない。


受け手としての初心を忘れない。

これは文章に限った話ではないと思う。


ライター 金藤 良秀(かねふじ よしひで)


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