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文学フリマーケット東京38の感想執筆対象作品紹介

 文学フリマエージェント架旗透かはたとおる氏より現地から画像が届いてました。いつになく大盛況であったと見聞き及んでます。簡単にですが現時点で把握できる情報を含めて感想対象作品を紹介します。感想更新までは<エージェント本職消化日数+海外発送期間+読書日数+感想執筆日数>でそこそこ日を要しますがご理解いただけると助かります。なお今回現地にて初エージェントとして尽力してくれた架旗氏推薦本から順次読んでいく次第です。
 基本的に私が執筆する読書感想は作家/作品に対する全リスペクトです。作品の批評や講評などの所感述べるものではありません。作家の方々の執筆への感謝と次作品執筆への願いになります。そして感想を書くことで作品の良さを伝えること、執筆研究などが自分にとっての目的になっています。よろしくお願いします。

以下、各サークル/作家の方々への敬称を略すこと予めご免申しあげる。



『留年百合アンソロジー ダブリナーズ』

サークル名:ストレンジ・フィクションズ
執筆作家「作品名」:笹幡みなみ「全然そうは見えません」、紙月真魚「海へ棄てに」、鷲羽巧・still」、茎ひとみ「切断された言葉」、小野繙「ウニは育つのに五年かかる」、murahshit「不可侵条約」、孔田多紀「パンケーキの重ね方。」、織戸久貴「春にはぐれる」、

 ※架旗透推薦書籍です。
 留年をテーマにした百合アンソロジー。
 画像向かって上段左。明確な同性恋愛系小説を読むのは近年ほぼありませんでしたが、前回の感想更新にて百合/BLを楽しめたのでこちらでも期待を寄せています。架旗氏のほうにも推薦理由なども伺っておきます。なお収益は2024年の能登半島沖地震へ寄付されるとのこと。災害における人道支援の姿勢へ敬意を覚えます。


『野球SF傑作選 ベストナイン2024』

ウェブメディア:バコプラ | Kaguya Books
齋藤隼飛編による集録作家「作品名」:青島もうじき「of the Basin Ball」、新井素子「阪神が、勝ってしまった」、小山田浩子「継承」、鯨井久志「終末少女と八岐の球場」、小松左京「星野球」、関元聡「月はさまよう銀の小石」、暴力と破滅の運び手「マジック・ボール」、水町綜「星を打つ」、溝渕久美子「サクリファイス」、エッセイ/高山羽根子「永遠の球技」、コラム/千葉集「わたしの海外野球SF短編ベストナイン」、作品解説/磯上竜也

 ※架旗透推薦書籍です。
 野球なSF作品集録書籍。
 画像向かって下段右。第一線で活躍する作家から代表的SFの大家ほかエッセイ、コラム、解説まで野球SF作品を楽しむ試みで作られた一冊。野球を通じてスポーツがどんなふうにSFと絡んでいくのか興味が湧く。5月27日店頭販売とあってもはやこれ一般書籍な気が……まあいいや。少し余談。架旗氏所属サークルでもあるグローバルエリート、実はスポーツ用品ブランドのミズノ発表による野球グローブモデルの一つ、そのグレード名もグローバルエリート。野球繋がり偶然?


テーマアンソロジーSTATMENT『FOR GAZA』

サークル名:グローバルエリート
執筆作家「作品名」:維嶋津「コールアンドレスポンス」、架旗透「君なりに頑張ってきた君が負けるということ」、東京ニトロ「EMPIRE!EMPIRE!」、髙座創「無垢の行進」

 ※購入依頼書籍です。
 パレスチナ解放、ストップジェノサイド、即時停戦を。作家ら4人がその訴えを作品に投影し提示する。
 画像下段中央。少なくとも2023年10月には国際社会問題として静観できない状況になっていた。SNSでも波紋は大きく広がりサークルメンバーのデモ参加も見れた。そして彼らは文学フリマでも行動した。収益は全額UNRWAへ寄付されています。本書を感想対象に選んだ理由は架旗氏所属サークル故と、良作を毎回作るサークル故と、彼ら作家としての在り方と創作への姿勢へ人として心服の念を抱いたので。


Sci-Fire』野生のSF第7号 2023

執筆作家「作品名」:坂永雄一「色彩の街」、 名倉編「小説について(風船男の場合)」、 溝渕久美子「鴨川のヌートリア」、 高木ケイ「愛は群島」、 榛見あきる「冬は虫になり夏は永遠になる」、 揚羽はな「蛙化現象」、 人間六度「もえさかるスパム女子」、 吉羽善「怪物権の人びと」、 仁科星「消えゆく羽のひとひらに」、 鵜川龍史「唸れ、マン=ゴーシュ」、 中野伶理「冬虫夏草の言祝ぎ」、 谷田貝和男「詩を読む少年」、 河野咲子「骨と生活」、 常森裕介「テセウスの人」、 甘木零「胸の鼓動は星のまたたき」、エッセイ/ 櫻木みわ「夜の訪問者」、 コミック/ 藍銅ツバメ「推しの声の怪」

 ※購入依頼書籍です。
 「人間以外」をテーマに創られた作品。
 画像向かって下段左。
 SF創作界隈では近年お馴染みになったゲンロン大森望SF創作講座。その修了生有志によるSF文芸同人誌。幾人か作家方らの過去作品は創作講座サイトにて読ませてもらってます。流石に7年分全作品は多くて読んでませんが。本書を感想対象に選んだ理由は、エージェント架旗氏もSF創作講座修了生でしたので、修了生である作家の方々から私も後学のために何か拾えればと好奇心から選ばせてもらいました。架旗氏終了時期のSci-Fireは完売なので最新号になった次第。集録作家作品数から読み応えありそうなので楽しみにしてます。こちらも収益を能登半島地震災害義援金として寄付とのことで人道支援の精神へ敬意を覚えました。


SFG』vol.06

 特集:電脳
 結城充考+蝸牛くも+大森望「サイバーパンク2023」、天沢時生+水町綜「ヤンキーVSドンキ」、オガワコウイチ「おやすみホログラム/ニューロマンサー」、草野原々「特集創作」、池澤春菜「SFの流儀」、名川潤「SF的・世界のつくり方」

 ※架旗透氏からの恵贈誌です。
 画像向かって上段右。
 SFGは若手による若手のためSF誌を作られているもよう。今からSFを始める人のためのSF情報誌の紹介として少しふれようと思います。また本書はバゴプラとの合同企画、マイクロノベルコンテスト対決企画で「カレーvsラーメン」結果発表されています。なんと!こちらに我が文学フリマエージェント架旗透氏の作品が特別ステッカー形式として掲載(付録)されてます!!色んな意味ですごい!!


他……

感想対象作品がもう一冊増えるかもしれません。架旗氏? どんな作品かはおたのしみ。


〆。
2024年、年始早々日本では能登半島で大規模地震がありました。海外では台湾で大規模地震がありました。ロシアのウクライナ侵攻は2年経過しています。パレスチナ・ガザ地区ではイスラエルの砲撃も止んでいません。災害でも戦争でも人命は奪われるものであってはいけません。今回の文学フリマでは人命の尊さに訴える意志を掲げたサークルブースは少なからずあったことと察しています。私は文学フリマにおいて日本側からも義援金というかたちで支援できたことを嬉しく思い、同時にその機会をくれた各サークル方へ畏敬の念を覚えた次第、心よりお礼申し上げます。そしてこれからも全ての人々へ等しく平和が訪れることを願ってやみません。

それでは次回の感想更新まで……




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